夏の雨【200文字】
通り雨がほんの一時の涼を呼び込んだ。
縁側から目の前に広がる山の緑を眺め、葉に弾く雨粒に耳を傾けていたものの、やがて音は止み、次第に戻ってきた蝉の鳴く声に取って代わられてしまった。
私は仕方なく団扇を扇ぐ。
早速蒸発し始めた雫に湿度は増し、鬱蒼と茂る濃い緑は更にその色を増して、息苦しいまでの蒸し暑さを感じさせる。
今日もまだまだ、暑くなりそうだ。
気分だけでも涼しく…と、風鈴を揺らし、澄んだ音色を響かせた。
実家で思いついたのですが、向こうはさっぱり暑くなかった(^^;
車から見た濡れた夏の緑は、何となく暑苦しい感じがしたので、まぁいいやって。