↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

標本室

標本室 ~記録~

作者: まや A035624
掲載日:2026/09/23

薄暗い部屋の隅

古い記録が覗いている

名前も日付も剥がれ落ちて

誰かの人生だけが残っていた



ガラス越しに見える

小さな手 小さな傷

そっと奥にしまってある



これは誰の人生?

どこかで見たことがある

けれど思い出せない



触れれば壊れてしまうから

そのままにした

あの日の記憶を

名前のない標本にして



笑っている写真の奥

記録はされない

書き残された言葉が

声になって響く




どうして?




寂しかった……





静かに眺めている

これは誰の人生?

ここに置かれている

鍵のかかった記録



触れれば壊れてしまうから

そのままにした





もしもあれが私なら

どうしてここにいる

もしもあれが私なら

どうしてこんなに……




ガラスに映った顔が

私を見る

どちらが展示されているのか

わからなくなった



古い記録を閉じる

埃の上に指跡を残さず

静かに棚へ戻した






ここに置いていく

これは私だった



――そう記録して

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。