異世界から来た聖女のせいで鉱山送りになった元宰相令息に「お飾りの夫になってください」と頼んでみた

「お久しぶりです、サディアス先輩。突然ですが、私のお飾りの夫になってもらえませんか？」

　異世界から来た聖女リリに魅了され、罪のない公爵令嬢を断罪した挙句、王太子と婚約破棄させようとした宰相令息のサディアスは、断罪の場で逆転ざまぁを喰らい、王太子ともども廃嫡の上鉱山送りになった。

　時は流れて十年後。恩赦によって自由の身になったサディアスの元に、王立学院時代の後輩にして天才少女のフェイが現れ、「お飾りの夫になってください」と迫ってくる。

「三年間の期限つきで、白い結婚でオッケーです。作りたければ愛人・恋人ご自由に。お金も好きに使ってかまいません。離婚後の生活保障も福利厚生も、めっちゃ充実させますよ！」

　これは、互いに並外れた能力を持ちながら、恋については目を覆うほどヘタレで不器用な二人の両片思いの物語。