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第44話:国を裏切った宰相、後悔する(Side:スタニック①)

 ノヴァリス王国のどこかに位置する、特別牢獄棟の最下層――"獄底"。

 捕らえられたスタニックは、拘束状態で長いときを過ごしていた。

 国内に特別牢獄棟はいくつかあるが、"獄底"を持つ牢獄は1つだけだ。

 機密保持のため詳細な場所は国民や一般騎士には知らされていないが、宰相兼大騎士団長のスタニックは知っていた。

 

(王国の領海にある絶海の孤島……か。まさか、この私が収容されるとは)


 空間全体が魔法無効化の魔導具で構成され、両手両足は重い金属の鎖で縛られる。

 雲の流れや潮流の関係で周辺海域は一年中嵐だ。

 "獄底"の厳しい環境は自分が一番よく知っている。

 まさしく脱出不可能、絶対防御の牢獄だった。


(……どこで間違えた)


 スタニックは思う。

 幼少期より本家に対する憧れと怒りを覚え、着々と準備を進めた。

 少しずつ騎士団の中に根を伸ばし、王立魔法研究所を手中に収め、全てはうまくいっていた。

 ところが、準備が最終段階まで進んだところでコーリが現れた。


(私の《金属魔法》が突破され、切り札の煌獄焔龍をも倒されるとは誰が想像できただろうか)


 スタニックは宰相だったが、騎士としての実力も折り紙つきだ。

 王国騎士団で最強といって過言ではないほどに……。

 コーリが氷騎士となりあれほどまでに強くなるとは、まったく想像もできなかった。

 絶対的な自信を粉々に砕かれたスタニックは、意気消沈として思う。


(……そうだ、私は対応を間違えたのだ。コーリの力を見切る目がなかった。彼が王都を訪れた日の夜に計画は中止とし、全てを洗いざらい国王陛下に話すべきだった)


 あの日の夜、研究所で会話していたのはスタニックとジルだった。

 コーリを貶めることで話がまとまったが、あのときの判断ミスが今の状況を招いたのだ。


(私はずっとここで一人過ごすのか……。何をするわけでもなく、ただ拘束されたまま……)


 変わることのない未来を突き付けられ、スタニックは項垂れることしかできなかった。

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