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ミイラ

お久しぶりです、伐魔剣士の続きはカクヨムのみに投稿しています。

理由は僕の怠惰です。


シュゥゥゥ…


キュリアの出した炎が収まると、燃える木々と抉れた地面、正に焼け野原とも言うべき光景が彼女の前に生み出されていた。


「…………」

キュリアは変わらず杖を構えている、しかし

(…咄嗟に打っちゃったけど…カインちゃん居たよね? ヴァンさんはギリギリ見えたから当たらない様に逸らしたけど…後で怒られない?敵って見なされない?)

その内心は焦りに満ちていた。


そんな彼女の心配を察したように焼け野原の真ん中が蠢き

「ぶっはぁー!!」

カインが飛び出してきた。

「!!」

「あはは!助かったよー!」

そのまま怯えるキュリアの元へと走る。


「…ひぃぃい!ごめんなさい、大丈夫!?」

「え!?何で!?」

「いやぁ、巻き込んじゃったし…報復されるかなぁって…」

「しないよ!寧ろあれがなければ死んでたもん!」

「本当?」

「本当」

「良かったぁー…いや仲間に当てたのはどうかと思うけど…」

キュリアがふやけた顔で胸を撫で下ろす。


「あ! そういえばヴァンは!?」

「ここにおります」

いつの間にか二人の近くまで来ていたヴァンがタイミングを合わせて2人へと話しかける。

「うわぁ!腕…大丈夫ですか!?」

「問題ありません、暫くの間は不便ですが、何とでもなります」

「うぅ、私に治癒魔法が使えれば…!ごめんなさい!」

「とんでもない! 私にとって貴方は命の恩人です、生きているだけでも奇跡なのです、貴方はその奇跡を私に下さった…! これ以上は何も望みません…だからどうかお顔を…」

「あー、ヴァン!私とエリスが居るのに浮気―?」

「いえいえそんな、私にはカイン様とエリス様以外にお仕えする気などございません!ただ恩人には感謝と誠意を…!」


ギャーギャー!



勝利ムードで騒ぐ三人。


だが


ガコン…!


「「「!!」」」


カインが出てきた場所より遠くの位置から、何かが盛り上がる音が響いた。


ズル…

出て来た少年の姿に、一同は恐怖する。

全身が爛れるように焦げ付き、その左半身は骨が見えそうに成程に焼き尽くされていた。

その姿も恐ろしくはあるが、三人は同時に彼の体にはそれ以上に奇怪で不気味な”者”の存在に気付く。


羽織っていたローブと上着はボロボロに焼かれ、もはや衣服としての形をなさぬ程に穴だらけになっていた。

殆ど消え去ったそれらの隙間、彼の右肩から心臓の辺りにかけて何かが繋がっている。

それは痩せ細り、ミイラのようになった“人の腕”だった。


そして、腕を辿りその持ち主を見たキュリアの顔が青ざめていく。


間もなく


「……嘘…」


その場にへたりこみ、口を抑えて小さく震え始めた。


「…………私達の…せい……で…?」


自責の言葉を、浅い呼吸と共に吐き出す。



正面から見える左腕、それを辿ると見えるのはアランの肩に背負われる人の頭部だった。

まるで抱きつく様に寄りかかり、アランの体と融合している。


腕と同じように顔はやせ細り、ボロボロのミイラの姿をしているせいでその正体はすぐには分からない。



だがキュリアはすぐに気づいた、気付いてしまった。


彼と親しい関係であり、なおかつ彼と共に行方をくらませた者。

そして、彼の使うブレシアの呪文。


キュリアの中で、否が応でも答えは出て来た。


かつての仲間にして、ブレシアを扱える唯一であり稀代の才能を持つ僧侶の一人。


そして、アラン・リィンの実姉であった女性。


「………シエラ……ちゃん…?」



シエラ・リィンのミイラ死体であった。

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