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プロローグ
異世界召喚と言う魔術がある。
大昔、世界の滅亡と言う最悪の結末を迎えようとしていた人類が、人生を賭けて生み出した大魔術。
今ある世界とは異なる世界から、人類救済の可能性を持つ人間を強制的に召喚する魔術である。
異世界から召喚された人間は、神から得られると言われる チート と呼ばれる能力を付与される。
それは無尽蔵の魔力だったり、最強の武器だったり、もしかしたら神様の力そのものかもしれない。
兎に角、通常では考えられない能力をもつ。
そして
そんな異世界から強制的に召喚された人間に対して、我々はこう言うのだ。
「あぁ、勇者様! どうか我々の世界を御救いください!」
まったく。
なんて身勝手で我儘なセリフなのだろうか。