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忘れられた神殿 ロマン詩★★★★★
地図の端っこにある、小さな小さな島。
天高く伸びる断崖絶壁の島。
毎日少しずつ空へと向かって成長する島。
まるで、人間の立ち入りを拒むかのように。空の彼方の誰かを探しに行くように。島は天へ天へと伸び続ける。
その島は青々とした木々に覆われていて。
その木々の奥のおく。
そこには、忘れられた神殿が眠っているという。
何千年…何万年もあると言われてるが、ほとんど傷みなくその神殿はそこに佇んでいる。
緑の蔦が抱きしめるようにして絡む。
陽の光が木々の間から射し込み、神殿を黄緑色に照らす。
誰かの帰宅を待つように、神殿は今もそこで佇む。
ずっと…
ずっと…