82/338
純水に、濡れる。 たまに、水を美しく書きたくなるという、よく分からない感情に襲われます(笑)度★★★★★
ちゃぷっ…
ちゃぷっ…
水溜まりよりは深い
湖には浅い
そんな水の世界を歩く
果てしなく続く水の世界
を
ちゃぷっ…
ちゃぷっ…
ひとり、歩く
空の青
雲の白
水の透き通った無色
そのまんなかに立つ
黒髪
白いワンピース姿の私
ちゃぷっ…
ちゃぷっ…
………
ふぅっ…と
とつぜん
両腕を伸ばして───
バシャーン!
後ろに倒れる私
湖のように深さがないから頭を打つかもしれない
なんて、思わなかった
なんとなく
水が私を受け止めてくれるような
そんな気がした
思った通り
水は
私の身体を受け止めてくれた
ちゃぷ…
ちゃぷ…ん
両腕を伸ばし
水に全身をあずけながら
空を、見上げる
青くて広いひろい空
果てしなく広がる空
この空と水は
どこまで続いているのだろうか?
空と水が交わる場所はあるのだろうか?
ちゃぷ…
ちゃぷ…
白いワンピースが濡れて
身体にまとわりつく
うっすらと身体のラインが透ける
水が
純水が、私の身体を濡らしてゆく
果てしなく広がる空と水
そのまんなかで私は
純水に、濡れる。