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いつかの風 切ないような、微弱な希望混じりと言うか~…?度★★★★★
夕刻
ひとり歩く帰路
すれ違う人々に微笑みはなく
疲れた顔の大人ばかり
排気ガス撒き散らす鉄の塊が
濁流のように流れてゆく車道
その向こう
楽しそうに声をたてて笑う学生たち
学生たちの爽やかな声をBGMに歩く
ほどなくして遠く溶けてゆく爽やかなBGM
茜色に染まる空
茜色届かない街
影のなかの私
丸い茜色を見上げながら
目頭が熱を帯びた
時
ふいに風が背中を擦るように
頬をやさしく撫でるように通りすぎた
やさしいカモミールのような香りの風
いつか泣きそうな時にも通りすぎた風
いつかの風がまた…
撫でられた頬にそっと触れる
ありがとう…
心で風に礼を言って
ゆっくりと歩き始めた
明日に向かってまた一歩…と