手を繋ぐ うぶラブ度★★★★★
世界が橙色に染まる 夕暮れ
学校帰り 彼と手を繋ぐ帰り道
いつもの坂をのぼり
歩道橋を歩く
歩道橋の下では
色とりどりの車が忙しなく流れていく
人々が私と彼の横を過ぎていく
車も人々も騒がしい のに
私と彼の間は 静かで
無言のまま 道を歩く
話題を探す けど
このままでもいいのかなって 今は
私も彼も沈黙してるけど
その分繋ぐ手が
あったかくて 愛しくて
胸がドキドキする
さっきまで 昨日見たアニメで盛り上がっていた
そして 沈黙の時間が来たと思ったら
彼が 私の手を握った
付き合って初めて 手を繋いだ
それからずっと
私と彼は無言のまま
私と彼の間は静かだけど
私の胸はドキドキと騒がしい
胸の鼓動が私の手から 彼の手に伝わらないか
ちょっと心配になる
いつもの横断歩道の前に来た
この横断歩道を渡ったら 彼とはお別れ
信号が赤から青に変わって
横断歩道を渡る
私も彼も無言のまま
横断歩道を渡ると 彼は私の手をゆっくりと離す
「……また、明日」
「うん、また明日」
彼は照れたように微笑むと
私の帰り道とは反対の方に歩いていく
私は彼の背をしばらく見つめた後
右手をじっと見た
まだ少し 彼の体温が残る
彼の背はもう見えないけど
私の胸はまだドキドキする
また明日も
彼と手を繋ぎたいな……
そう思いながら 私はやっと
家の方に歩みを進めた──




