表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
254/338

私が私を殺しにかかる こころの奥の何か?度★★★★★




   目の前に、私が、いる。


   私はここにいるはずなのに、


   私が目の前にいる。


   目の前の私はにやり……と不気味に微笑むと、


   右手に持っていた何かを、私の足元に投げた。


   刀だ。


   その刀を私の足元に投げた後、


   目の前の私はもう一つ持っていた刀を鞘から抜き、


   刃を、私に向けた。


   「私を殺せば、幸せになるよ。

    ただし、失敗したらあんたの体は私が貰う」


   そう言って目の前の私は、


   私を斬ろうと刃を振り回す。


   私は襲いかかる刃から逃げながら、


   さっき投げられた刀を拾い、


   鞘から刀を抜いた。


   刀なんて使ったこと無い。


   けど、もう一人の私に斬られてしまったら、


   私は、死んでしまう。


   まだ、死にたくない。


   死ぬわけにはいかない。


   「うワアアアアア!!!」


   私は声を上げながら、


   振り上げた刀を思い切り振り下ろした。


   ズバンッ!


   私の刀は、もう一人の私の胸を斬った。


   斜めに斬った傷から血……ではなく、


   目映い光が溢れ出す。


   「──これで、いい。

    あんたに──私に、私はもう必要ない。

    人間の世界は苦しくてきついけど……

    私は私の分身だから大丈夫。

    だから──いってらっしゃい。

    またね……」


   そう言って、私は目覚めた。


   よくわからないけど、涙が溢れてきた……






   

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ