150/338
応援するよ、なんて。 切ないフラレ詩度★★★★★
※こちらの詩は2022年 01月15日に短編詩として投稿したものです。
君が別れてほしいと言ってきた。
『好きな人ができた』
君は私をまっすぐに見つめてそう言った。
…知っていた。
君がその人とふたりで行動するようになっていたことを。
君がその人の名前をよく出すようになっていたことを。
君がその人を見つめるようになっていたことを。
君が私の眼を見なくなってしまっていたことを。
君の心が、日に日に私から離れていっていたことを。
「わかった、応援するよ」
私は笑顔で君に言った。
涙を喉の奥に飲み込みながら。
『応援するよ』
なんて偽りながら。
めいいっぱいの笑顔で、大好きな君に言った。




