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よく冷えた夜のベランダに、あなたと。 ぽかぽか度★★★★★
※こちらの詩は2021年 12月23日に短編詩として投稿したものです。
他愛ない話から
なんとなく夜空を見上げようって話になって
あたたかい部屋から
よく冷えた夜のベランダに出る
薄手の長袖のあなたはベランダに出ると
ぶるると体を震わせた
肩から掛けていたブランケットを
そっとあなたに掛けると
「ありがとう」
とやさしく微笑む
あなたの微笑みで微かに頬があたたまる
あなたとブランケットにくるまりながら
夜空を見上げて
指先で星と星をつなげて星座を作る
夜空に線を引くように
星をたどる
すると
ぴとり
夜空のまんなかで
あなたと指先があたる
ぱっと
宙でくっついた指先を離し
ふたりして照れ笑う
よく冷えた夜のベランダ
あなたの微笑みで
心がぽかぽかにあったまる




