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月と散歩 ひとり夜のお散歩度★★★★★
ふいに。
何となく、夜の散歩に出たくなった。
暖かい上着を羽織って、
冷たい風がびゅうびゅう吹き荒れる外へと飛び出した。
空気がきんと冷たくて肺がちょっと痛いけど、
何だかその冷たさが心地いい。
びゅうびゅうと吹き荒れる風が寒いけど、
『冬だなぁ』という感じを肌で感じれて、
何だか嬉しいような楽しいような気持ちになる。
ふと見上げた夜空。
雲のない夜空にきりっと佇む三日月がいた。
『こんばんは』
心のなかで三日月に挨拶する。
『こんばんは』
夜空で静かに微笑む、
三日月の声がしたような気がした。