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借金令嬢の娘は隣国で公爵令嬢となり精霊姫と呼ばれて母の友人と出会い幸せになります!  作者: つーかたかさん


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番外編 女護衛ユナの物語 2

「借金令嬢は女神様です」を改題しました。ほとんどフェリシティーの話なので。

あと一つのユナの話で完結します。よろしくお願いします。

ビンス視点


どうしよう。

誘われるがままにホテルに来てしまった。

ユリアナさんはシャワーを浴びている。

俺のこの状況に、もう息子が元気いっぱいだ。


ユリアナさんが浴室から出た。バスローブからキレイな足が見える。

「ビンスさんも、どうぞ。」

言われるがまま、シャワーを浴びた。

部屋に戻るとユリアナさんがベットに腰掛けている。

「こちらに、どうぞ。」ユリアナさん。

ユリアナさんの隣に座った。

「あの、出来なくても、責任取ります。俺と結婚してください!」

ユリアナさんは答えない。

「好きです。子供たちに絵本を読んている姿に一目惚れしました。一生、大切にします。」

ユリアナさんにキスした。柔らかい唇。可愛い。少し震えている。大事にしなくては。


ゆっくり、でかるだけ優しく触れた。名前を呼んで、好きだと囁きながら。

ユリアナさんは大きな胸で、腰はくびれていて、しなやかな体で。男としては嬉しい。

ただ、ユリアナさんは拒みはしないが、無言。いや、何かをブツブツ言ってるようだ。目を瞑り、耐えているようで、痛々しい。思い出させてしまっただろうか?何度か「止めますか?」「大丈夫ですか?」と聞いた。ユリアナさんは目を瞑り「続けて下さい」と言う。


結局、最後までしてしまった。自分が止められず、フィニッシュにむけて激しく動いてしまった。無理させてしまったと思う。申し訳ないと同時に、愛しくてたまらない。

本当に、とても気持ち良かった。ずっと好きだったユリアナさんと特別な関係になれた。幸福感で一杯だった。腕の中にいるユリアナさんを、ぎゅっと抱きしめた。





ユリアナ視点。


ビンスさんをホテルに誘った。ビンスさんはソワソワしている。

気を引き締めて事に挑まねば。

恐怖を克服しなくては。パニックになったら、ビンスさんを殺してしまう。


ビンスさんは優しく手順を踏んで、痛くないように気を使って触れてくる。

アイツらとは違う。

何度か恐怖からビンスさんの目を指で突き潰しそうになった。反射的に喉仏に拳を入れそうになった。耐えた。体の反応を抑えるため、両手を強く握った。殺しちゃダメ、攻撃ダメ、殺さない、殺さない、と声に出さずつぶやいていた。


「痛くない?」「やめようか?」「大丈夫?」ビンスさんが気遣ってくれる。

ただ、最後のほうで、ビンスさんが我を忘れて激しく動いた。その時はアイツらと重なって、思わずビンスさんの顔面に拳を撃ちそうになった。

ハァハァ言いながらもビンスさんが私の名を焦がれるように呼んだので、正気に戻った。寸でのところで、殺さずに済んだ。

最後まで、ビンスさんを殺さず、攻撃せずにやり終えた。ビンスさんは満足したらしく、私を抱きしめて眠っている。


攻撃しそうになる自分を抑えることが出来た。行為での恐怖を克服しつつある。だが、まだ不安は拭えなかった。


私は自分を取り戻しつつある。確実に。大丈夫。自信を取り戻せる。私はユナ。

急所潰しのユナ(と呼ばれていたらしい。目とか身体の急所を潰すのが手っ取り早いから、いつもやってた)。



もう夕刻になっていた。昼前からのデート。昼食後にプロポーズ、ホテルの流れだった。


「ん、、、んん。、、、!」

ビンスがまどろみから覚めた。

腕の中のユリアナに驚き、思い出し、頬を染めた。

「ユリアナさん、好きです。無理をさせてしまいましたか?約束通り、出来ました。大丈夫でしたね。、、送ります。いや、夕食をご一緒に。」

二人は服を着た。

言葉少なに、レストランで夕食をとった。ただ、ビンスはすごく嬉しそうだった。


ビンスは馬車を呼び、ユリアナを孤児院に送り届けた。

「明日、また来ますね。」ビンスがユリアナの耳元で囁いた。馬車の中でビンスはユリアナを抱き寄せた。

この人を一生大切にしよう。ビンスは幸福の中にいた。


もう少し、このままでいいかな。

ユリアナは思った。

もう、アリステア王宮に雇われていない。自由の身だ。もう、あの仕事はしたくない。


ユリアナは心地良い安心感に包まれていた。

抱きしめられたり、好きだといわれたり、大切に扱われる事は、ビンスが初めてだった。


翌日ビンスはユリアナを教会に連れていき、神父様の前で結婚を誓った。結婚誓約書を書いて届けを出した。

「子供が出来るかもしれないから、書類だけ先に届けましょう!」と強引に、渋るユリアナを説き伏せたのだ。

孤児院の院長に結婚を報告した。院長もリンも祝福してくれた。


ユリアナは流されるがまま、ビンスの計画に乗せられていた。迷いながら。流されながら。心地良い与えられる愛にくるまれていた。

いざとなったら、行方をくらましてもいいし、でも、ビンスさんは良い人だから傷つけちゃうなあ、どうしようかなあ。


ビンスは「女性の大切な貞操を頂いたのだから、きちんとしなくては!」と誠意を見せたのだ。


その後、ビンスとユリアナはデートを重ねた。


ある日のデート中、お婆さんが引ったくりにあった。ビンスが転んだお婆さんに声をかけて助け起こしていたら、犯人は転んで捕まり、何故か背中側を数カ所打撲していた。「石がとんできた!」とわめいていた。


またデート中、すれ違った紳士が突然気絶し、ビンスが近くの町医者に運び込んだ。

身元を確認しようとポケットを探ると、数個の財布が出てきて、それは盗まれたものだった。そいつはスリだった。

等の小さな事件はあったが、交際は順調だった。


ある日、ユリアナを孤児院に送り届けたビンスは、孤児院で子供が怪我をして医者に行くと聞いて馬車を貸した。近くの店に用事があるので馬車に乗らず、道を歩いていると、背後で人のうめき声がした。

路地から一人の男がふらふらと出てきたと思ったら、襟を取られて路地に引きずり込まれて行った。


???

「ふん!」との気合の声とドコッバコッという打撲音。

その、「ふん!」という声に聞き覚えがある。

そっと路地を覗き込むと、3人の男が地面に転がっていた。男の一人の手には刃物。もうひとりの腕は不自然な方向に向いている。あと一人は完全に白目をむいて気を失っている。地面にはナイフが2本とロープが落ちている。

一人の女性の後ろ姿がある。それは、先程まで一緒にいた女性。今日もホテルで抱いた女性。女性は地面に転がった男の顔を蹴り上げた。男は手にしたナイフを離した。


ビンスはふらふらと歩き出した。。。今見たのは、夢?

そのまま辻馬車をひろい、自宅へ帰宅。

翌日、孤児院の近くで、強盗3人組が縛られて路地裏で気絶していたのを警備隊が捕らえた、と聞いた。強盗と殺人までする、その強盗殺人犯らは、大男2人にやられた、と語ったらしい。


その数日後に会ったユリアナは、いつもと変わらない。清楚で可愛らしい。

だが、またデート中に引ったくりがあった。治安悪いな。

女性のカバンを持った男が走って来た。ビンスは横目でユリアナを見つめた。

ユリアナは自分のベストから何かを取り出し、ビンスに「キャ」と言いながらしがみついた。男を避ける素振りをしながら、男を見ずに、右手を素早く振った。

直後、男は倒れた。

「どうしたのかしら?」ガヤガヤと人が寄ってきた。


「もし、どうかしましたか?」ユリアナは男に近づいてそっと触れながら、男の首筋から何かを引き抜いた。

「どうしたのかしら?」ユリアナ。不思議そうな顔で言う。

そこに、女性が走って来た。

「あっ、私のカバン!」男の手からカバンを取り返し、喜んでいる。警備隊がきて、女性と気を失った男を運んでいった。


「よくわかりませんが、女性のカバンが無事に戻って良かったですね。」ユリアナさんが言った。

そうですね、と返事しながら、営業スマイルで取り繕った。

ユリアナさんは、どうやら強い。凄く強い。

その後もいつものデートを続けた。ホテルへ行き愛し合った。




「エイリーン」の雇われ店長の奥様かぁ、とユリアナはボンヤリと想像した。

食事、洗濯、掃除して夫の帰りを待つ生活なんて、自分に出来るだろうか?

多くの命を奪った自分が、もしかしたら子供を授かり、産み育てるなんて、神様は許すのだろうか?

やっぱり、逃げる?

ビンスに頼んでデートのたびにホテルへいき、回数を重ねると、かなり恐怖が無くなった。それより、触れ合うことに安心感さえ覚え始めた。ビンスは優しくて可愛くて、頼りにもなって、頭が良くて、顔も好みだ。、、、離れがたい。

迷いながら、幸せを感じながら、後ろめたさもありつつ、ユリアナはビンスと交際を続けていた。





ビンスは一軒の家にユリアナを案内した。

フランセーア王都のタウンハウスだ。騎士爵を持つ者や騎士団員、下級貴族、豪商が住む治安の良い地区。???

「あの、商会の社長さんにご挨拶にお伺いでしょうか?」ユリアナが聞くと、ビンスは不思議そうな顔をして、笑い、考えてから笑った。

「まあ、そんなとこかな。緊張しなくて良いよ。」


タウンハウスを訪れると執事、メイド、料理人夫婦が出迎えてくれた。

「おかえりなさいませ、旦那様。初めまして、執事のクロードど申します。奥様。」

品の良い初老の執事さんがお辞儀をした。ならって、メイドさんもルーナと名乗りお辞儀をした。料理人夫婦も来て、セスとヨハンナと名乗りニコニコしている。


???ユリアナは混乱した。

「あの、ビンスさんて、エイリーンの、雇われ店長、ですよね?」ユリアナ。

その言葉に使用人たちが顔を見合わせた。

こほん、と咳払いをして、「こちらへどうぞ。」とクロードさんが応接室に案内してくれた。


「あの、ビンスさんはエイリーンで働いていらっしゃるのですよね。」ユリアナ。

「そうだよ。」ビンス。

「旦那様、きちんとお話されて下さい。」クロード。

「ビンスさんはエイリーンで働いていらして、孤児でご家族がおられない、とお聞きしました。」ユリアナ。

「そうだよ。」ビンス。

「あの、ご無理なさらないで下さい。小さなアパートで大丈夫です。私が料理や洗濯、家事をしますから。こんな良いおうちで、使用人をお雇いになるなんて、借金しての生活ですか?、、もしかして、社宅?」

ユリアナの言葉にビンスとクロードが吹き出した。


「旦那様、お人が悪うこざいます。」クロード。

「えっと、ユリアナさん。大丈夫だよ。僕はこれでも、高給とりなんだ。」ビンス。

丁寧に説明してくれた。

ラレット商会の社長はおられるが、ビンスさんはラレット商会のナンバー2。フランセーアでのラレット商会のまとめ役。エイリーンはビンスさんが作った会社の1つ。

???理解して青くなっていくユリアナ。

聞かされて、ユリアナは叫んだ。

「この結婚は無かったことにしてください!私は父親が蒸発して母親に捨てられて、スラムにいた孤児です!ふさわしくありません!無理です!

孤児で、一人で頑張っているビンスさんと、アパート暮らしだと!

ご令嬢をお探し下さい!

お暇します!さようなら!」

立ち上がり部屋を出ようとしたユリアナの腕を掴んだビンス。

ユリアナはとっさに、ビンスを足払いし腕をひねり上げて組伏せてしまった。






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