なぜか王子が言い寄ってきました。
サーラの学園時代のお話はこれで最後です。
第2王子も成長しました。
王子は公園でのサーラの商売を見学した後、何度も灌木の場所に来た。サーラと話をした。
サーラに色んなことを聞いてくる。
サーラの家の貿易の話。
サーラの祖父が苦労して成り上がった話。
サーラから見た貴族は、どう見える?など王子は聞いた。
「能力が無くても血筋が尊いならエライって、私にはわからないです。尊いって、なんですか?
自分の努力と結果、功績は自分が得たものです。先祖がエライなら自分もエライ、ってのはわかりません。私も、祖父が事業を成功したおかげで良い暮らしをさせてもらってます。だから、偉そうに言ってはいけないんでしょうけど。」
サーラは正直に言った。王子も頷く。
サーラからバートの取った授業を聞き出し、王子はバートに謝りに行ったそうだ。
バートは「へー」と謝罪を聞き流したそうだ。
王子はバートと同じ授業をいくつか取った。
王子とバートが一緒に歩く姿を何度か見かけた。友人になったようだ。
そして学園が後期になると王子は留学した。
また学年が上がった。
サーラは3年生。
王子は留学のままだ。帰国せず、また、違う国へ留学したそうだ。在席はして、留学先で得た単位を加算して卒業するらしい。
バートは学園を卒業した。
バートは卒業してから、隣国に留学した。商人だから、2重に学費を払わないようにしたそうだ。
「寂しくなったな」
サーラは令嬢の友達も出来た。大人しい性格の優しい令嬢グループだ。
お互いにこじんまりしたお茶会を開く。
時々公園で似顔絵を描く。
サーラは絵画の賞に出して、優良賞をもらった。
上から5番目くらいの賞だ。
3年生が終わりになった頃、第2王子が留学から帰った。王子は5年生。卒業だ。
帰国してまた、灌木に囲まれた場所に王子が現れた。
「サーラ!久しぶり。キレイになったな。15歳だもんな。」
「王子は17歳ですね。」
「ああ。あのさ、卒業パーティー、俺のパートナーになってくれないか?」
「嫌です。藪から棒ですね」
「去年はバートのパートナーをしたそうじゃないか。」
「お世話になりましたから。友人ですから。」
「俺も友人枠で頼む」
「知り合いですね。友人かなあ。
王子のパートナーなら、なりたい令嬢がたくさんいるでしょう?」
「王子のパートナーになりたい令嬢なら、ね。
俺のパートナーになって下さい。サーラ・マラドラン男爵令嬢。」
「フルネーム知ってたんですね」
「当たり前だろ。あの公園の後、サーラを送った時にも、聞いたりしなかったろ」
「そうでしたっけ。」
「相変わらず、俺に興味ないね。」
「はい。ありません。なので他の方を誘って下さい。」
「ドレスを贈るよ。」
「詐欺かもしれないから受け取りませんよ。」
「俺が男爵家に直接ドレスを持っていく。」
「王子は誤解されるから駄目なんじゃないんですか?」
「じゃ、はっきり言おう。俺の婚約者になって欲しい。」
「お断りします。
王子なんだから、公爵家や侯爵家のご令嬢でないと釣り合いませんよ」
サーラは立ち上がり、荷物を手に取ろうとした。
王子がサーラの腕を掴んだ。
「待ってくれ。ちゃんと言う。
ここで君と合って、楽しかった。始めはエリンに惹かれたよ。でも、俺は君から、教えてもらったんだ。変わらなくてはいけないって。」
「美化しすぎですよ。何言ってるんですか。離してください」
「自分で考えろ、って言ったろ?
考えたんだよ。留学先でも、学んだ。
君達に会うまで、俺は王子だから与えられて当然と思うバカだったよ。何も考えず、チヤホヤされて、それを煩わしいと思いながら受け入れてた。
俺に道を指し示したのは君だ。この国でも他の国でも、君みたいな人には会わなかった。」
「そりゃ、王子に不敬な態度する人いないでしょ。何か考え違いでぶっ飛んだ方向に行っちゃってますよ。帰ってきてください。」
「わかったよ。じゃあ、卒業パーティーで俺のパートナーになってくれたら、君が卒業したら王宮の宮廷画家に君を推薦する。
俺の婚約者になってくれたら、他の縁談を断れるぞ。外国にスケッチ旅行なんてどうだ?どこだって連れて行ってやる。」
「宮廷画家??」
「ああ。」
「男しかなれないのでは?」
「説得する。女性を描くのは、女性が良いだろ。何より君の絵は素晴らしい。」
「うーん。」
「俺を利用しろよ。返事は待つから。ドレスは贈らせて。お礼だから」
それから、とつけたして。
「サーラ、君が好きだよ。忘れられなかった。俺と結婚してください。」
王子がサーラの手の甲にキスをした。
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確認で読み直したら、ベルンハルトが「俺」でなく、「おら」と言っていたです。
「おらと結婚してください」




