夢の中で告白します
「さみしい。助けて。一人ぼっちだったんだ。」男の子が近づきながら言った。
「誰?」
「名前はまだ無いんだ。つけてくれる?」男の子。
「だめ!」エヴィか言う声とフェリシティーの声が重なった。
「あなたの名前はミカエル!」フェリシティー。
「ウガッ」
男の子が苦しそうな顔をした。光の輪っかが男の子の首に付いた。
「あれ?首飾り?」フェリシティー。
「何しやがる!」
先程の可愛らしい顔と違い、憎しみの目をフェリシティーに向けるミカエル。
「は?フェリシティーは何もしてないでしょ?口の悪いガキね。あ、ミカエルね。」不快そうなセイン。
「下賤の者が俺に口を開くな!」ミカエル。
「下賤て、えっと、俺は一応、叔父、に当たるか?」セイン。
「知ってるぞ!お前は俺の父の弟だが、不貞で出来た下賤の下衆だ!」ミカエル。
「なに、この子。ミカエル、だめよ。セイン様はプロンシアーナの王様よ。身分は高貴なかたよ。謝りなさい。」フェリシティー。
ミカエルは可愛らしい顔を醜く歪めて罵る。
「お前は俺の母親だろ!味方しろ!俺がプロンシアーナの王になるんだ!」ミカエル。
「はあ?何言ってるの?」フェリシティー。
フェリシティーはバートを見て、
「バートさんと結婚して、子供が生まれたらきちんと育てなくちゃね。あんなのになったら、困りますね。醜いわ。心が。」
バートがものすごく嬉しそうに笑った。
「フェリシティーとの子供なら、可愛らしいだろうなあ。あんなのになるわけないよ。フェリシティーの子供なら、天使だ。」夢見るように言うバート。
「駄目だ!何を言っているんだ?年が離れ過ぎてるだろ!フェリシティー、バートは俺と同じ年だ。よく考えろ。目を覚ませ!」ベルンハルト。
「いいじゃないの。好きあってるなら。認めてあげなさいよ。愛は年齢も性別の壁も超えていくものよ。」セイン。
「性別の壁は滅多に超えないんじゃないか?」
アーサー。しかし、誰も聞いていない。
ベルンハルトがセインを睨んで言う。
「他人事なら、祝福出来る事でも、我が子なら出来なくなるんだよ!
大切な娘なんだ。俺が死んだ後も、フェリシティーを守り続けてくれる男じゃないと任せられない。」ベルンハルト。
「愛し合う二人にはそんなの関係ないの。諦めなさい。」セイン。
「え、愛し合う?」
フェリシティーとバートはソワソワした。見つめあい、目を逸らし、また見つめる。二人共、顔が赤い。
「夢だし、いいか。」
フェリシティーがバートを見つめて告白した。
「バートさん、私はバートさんが好きです!エリンさんを忘れられない、そんな一途なバートさんが好きです。」
バートは感極まってフェリシティーを抱きしめた。
「年が離れてるから、こんな気持を持ってはいけないと思った。だけど、俺もフェリシティーが好きだ。良いのか?こんなおじさんで。」バート。
「私こそ、子供で相手にされてないと、諦めてたんです。バートさんが良いんです。結婚したいです。」フェリシティー。
「すてき!おめでとう!年の差なんて、性別の壁を超える事より些細なことよ!応援するわ!」セイン。
「確かにそうだな。性別の壁より年の差のほうが壁は低い。」アーサー。
「俺は認めない!サーラだって悲しむはずだ。考え直せ、フェリシティー。」ベルンハルト。
「お母様に、バートさんってステキね、って言った時、すごく良い人だから、フェリシティーが結婚相手として連れてきたらオッケーよって言ってた。」フェリシティー。
「サーラ!!なんてことを!
、、、フェリシティー、それは冗談だよ。架空の話で言ったんだ。」
「ええ!?お母様はバートさんをすごく褒めてました!学生の頃、お父様より好感度が高かったそうです!」プンとするフェリシティー。青くなるベルンハルト。
「ベルンハルト殿下。年は離れてるけど、俺は長生きするから。フェリシティーと結婚させてください。」
「ベルンハルト殿下、みっともないわよ。認めましょうよ。
そんなふうだと、駆け落ちされたり。子供が生まれても見せてもらえない未来が待ってるわよ。」セイン。
「そんな、嫌だ!!!」
「女は愛に生きるものなのよ。」セイン。
「えっと、なにしに来たんだっけ?」アーサー。
「フェリシティーの想いが通じて両思いに!良かったわね、フェリシティー。
、、、あれ、なにしに来たんだっけ?」エヴィ。
「俺は認めない!」ミカエルが叫んだ。
「おい、お前、俺の母親だろうが!
俺の父親は正統なプロンシアーナ王だ!
そこの平民も!簒奪してる平民王も!敵国のフランセーアやアリステアの奴も!」
ミカエルは一人ずつ指さして憎悪を込めて言った。
「お前の敵なんだよ!」
「変な子ね。」顔をしかめるフェリシティー。
「お前は覚えてないだろうけどな、俺はお前の子なんだよ。お前は寝てる間にプロンシアーナ王に種を植えられたんだ。」ミカエル。
「セイン様はガイル様と愛し合ってるのよ?ゲイなのよ。私にそんなことするわけないでしょ。
変な作り話してはいけないわ。」
フェリシティーがミカエルを憐れみの目で見た。
可哀想に、妄想癖があるのね、という目だ。
「俺の父親はこいつじゃない!こいつは下賤の血の下衆だ!それに、男同士で戯れあう変態だ!俺はプロンシアーナ王の子だ!プロンシアーナ王になるんだ!」ミカエル。
「プロンシアーナ王が父なら、あなたは男同士の間に生まれた奇跡の子供?すごいわ!」フェリシティー。
「んなわけあるかああ!!
ん?そういや、ガイルは、母親が違うけど、叔父?セインは父親は違うけど、叔父?どっちの叔父もゲイ?俺の叔父はゲイ?ゲイの血が俺にも流れてる?」
ミカエルが自問自答し始めた。
「ミカエルはゲイの血筋の子!こっちの世界にいらっしゃい、歓迎するわ!わが甥よ!」セイン。
「行くわけないだろ!そっちの世界なんか!」ミカエル。
「なんか、話がズレてないか。いや、始めっからずれてる?」アーサーがつぶやく。
「そうだよ!話をもとに戻そう。
、、お母様、僕を大切にして欲しいんだ。」
ミカエルが可愛らしく目をウルウルさせた。フェリシティーを見つめる。
「?お母様って?ミカエルのお母様はセイン王なんでしょ?」フェリシティー。
「ちがあああううう!!!!気持ち悪いこと言うなあああ!!!」
「我が息子よ!大切にしてあげる!おいで!!」セイン。
「行くか!!!変態!!」ミカエル。
セインがミカエルに駆け寄りを抱きしめた。頬ずりする。
「ギャアアア!」ミカエル。
「息子を離せ!セイン!」
ブランドンがあらわれた。
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