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借金令嬢の娘は隣国で公爵令嬢となり精霊姫と呼ばれて母の友人と出会い幸せになります!  作者: つーかたかさん


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知らないままにして下さい

ローラン子爵家の応接室のソファーで、ケイトとベルンハルトが相談していた。

「フェリシティーは何も覚えてない。このままフランセーアに連れて帰る。思い出さなくていい。」

ベルンハルトがケイトに言った。

「ええ。襲撃までしか記憶がないようです。眠っていたみたい。神の思し召しです。ネイたちにも会わないほうが良いわ。」

ケイトが同意した。


そこにアーサーとセインが来た。

ガイルはブランドンの幽閉場所の管理棟で騎士らと見張りだ。


ベルンハルトとケイトがフェリシティーの様子を説明した。


「ネイとユナには会わせないほうが良いな。」

アーサー。

「怪我はかなり良くなったのだけど。人が近づくと怯えているわ。男は近づかないてね。ユナが錯乱状態になってしまうの。ユナは精神的ショックが大きくて。子供みたいになっているの。ネイはかなり落ち着いてみえるわ。会話もできるわ。でも、我慢してると思うの。」ケイト。

「ネイはフェリシティーに怒ってるか?」アーサー。


「守れなかった事を申し訳ないと言っていたわ。ネイは王宮の護衛として、こういう目に合うことは女性護衛としてあり得ると覚悟していたのですって。だから、護衛の職に就く前に信頼できる人に頼んで経験を済ませた、って。

ユナは初めてだったから、ショックだったろうって。ネイがユナの世話をしてるわ。」


「女性に世話を任せているが、会えるなら会って謝罪する。今後の事や補償について、希望に沿うようにすると伝えてくれ。」アーサー。


「ブランドンが首謀者だが、襲撃犯らはアリステアの者だろう?襲撃犯らの処分はアリステアで行う。

強姦に加わった者たちはあそこをちょん切って牢にほりこんでる。襲撃場所で転がっていた奴らも牢に入れた。まあ、死刑だな。」アーサー。

「ブランドンはベルンハルト殿下の思うようになさって下さい。補償についてはプロンシアーナが出します。」セイン。


「緘口令は行き届いているか?」ベルンハルト。


「バートの護衛らが医師らに女の子3人が連れ去られたと警備隊に言ったから。地区の人達は知っているわ。

それに、うちの護衛達も。襲撃場所に行ったから。伯爵家の山荘での事も、村人は知っているわ。」ケイト。

「フェリシティーは動けるようになったら、フランセーアに帰る。」ベルンハルト。

「殿下の護衛騎士隊も知ってますよね。」セイン。

「喋らせない。忘却薬を全員飲んでもらう。」ベルンハルト。

「それは、どうだろう。無茶すぎる。」アーサー。


「フェリシティーはフェリスと名のってるから、ローラン子爵家遠縁の娘で押し通そう。ベルンハルト殿下は身分を言わずにフランセーアに戻って下さい。フェリスはしばらく療養後、フランセーアに返します。

ローラン子爵家と殿下に接点はない。」アーサー。


「あの。」ケイトは聞き役だったが、一度発言した。

「ユナなんですけど、忘却薬を少し飲んで、様子を見れませんか?かわいそうで。

忘却薬をベルンハルト様が手に入れられるなら。本人に飲むか聞いてからですけど。」

大人たちの会談は今後の方針を紡いでいく。


アリステア王宮は今回の事件では全て後手にすら立ち回れなかった。報告を受けては会議だけで何もできず、事件は終着した。

ローラン子爵家経由でベルンハルトからの忘却薬の要請は、すぐさま許可された。

薬師の説明書付きで、すぐさま忘却薬は届けられた。



セインはブランドンの幽閉地下牢の管理小屋にガイルと逗留。

ベルンハルトの騎士隊も幽閉地下牢の見張り。

ベルンハルトはローラン子爵の遠縁の貴族として、ローラン領地にしばらく滞在となった。




夜。

フェリシティーはエヴィの木を今の部屋に持ってきてもらった。

フェリシティーがエヴィの木に触れるとポワッと光った。エヴィが姿を表した。

眠っていた間の不思議な夢について聞きたかった。

しかし、エヴィは不機嫌そうだった。不安そうにも見える。

「フェリシティー、この木の葉を噛んで。」エヴィ。

「えっ。どうして?」フェリシティー。

「いいから、、、、早く元気になれるから。」エヴィ。

なんだかよくわからないが、フェリシティーは若葉を噛んだ。甘みが口に広がった。

エヴィがすっと消える。


ちょうどその時ベルンハルトが部屋に来た。

「フェリシティー、良いかな?」

「どうぞ。」


「眠る前に顔を見たくて。体調は良くなったかい?」

「ええ。今、エヴィが現れたのだけだど、消えてしまったの。」

「エヴィが?」ベルンハルト。

「眠っている間、夢の中で何度もエヴィと会ったの。私を守る、って。そう、心だけは守るから、眠ってて、って。どうして10日も眠っていたのかしら?」フェリシティー。

「そうか。エヴィ様が。」ベルンハルトも困ったような歯切れの悪い返事をした。


ふわりとエヴィが現れた。

「ベルンハルト、良い時に来てくれたわね。私の木を持ってアーサーに会いに行って。少し話をしたいわ。」エヴィ。

「アーサー?良いけど。じゃあ、フェリシティー、おやすみ」

「お休みなさい、お父様。」

フェリシティーが微笑んだ。



ベルンハルトがアーサーの部屋を訪れた。

「エヴィが話したいって。」ベルンハルト。

部屋に入るなり、エヴィが言った。

「フェリシティーの身体に、魔族の種が付いてる。」エヴィ。

「はあ?」「魔族の種?」

「そう、フェリシティーは妊娠しているの。ブランドンの子よ。魔族の血を持つ赤子が育つわ。そうしたら、フェリシティーは死ぬ。あの魔族の種をフェリシティーに植え付けることが目的だったのだわ。魔族にしてやられた。」エヴィ。

ベルンハルトは真っ青になった。

「妊娠?フェリシティーが?あのケダモノの子供を?」


「何故フェリシティーが死ぬとわかるんだ?」アーサー。

「フェリシティーは精霊の祝福を受けてる。大地の精霊、水の精霊が身体と魂に祝福を与えてる。聖なる光を身体の中に持ってる。

子宮に魔族のおぞましい魔力を持つ種を植えられた。フェリシティーの卵子に魔族の精子。聖の殻に守られた魔の力を持つ子が生まれてしまう。子供は育ちながらフェリシティーの聖なる光を食い荒らす。魔でありながら聖なる力を屈服させる力を持つ。生まれる頃にはフェリシティーは衰弱してる。生命力を奪われて。産んだら死ぬ。その赤子は精霊の大樹を枯らす力を持つわ。さっき、フェリシティーの身体に入った時も、まだ根付いて数日のくせに私を攻撃してきた。精霊を殺したがってる。」エヴィ。



「墮胎できるか?」アーサー。

「準備を整えてなら。幸い、私の木が分身だけどここにあるから。子宮に根付いてる種を取るから、子宮にダメージを与えるのは避けられない。やり方によるわ。上手くいけば、ダメージは少ないけど。無理やり取り除けば、深くえぐることになるから、子供は望めなくなる。」エヴィ。


「なっ。そんな。駄目だ。」ベルンハルトが崩れ落ちた。

「だから、少しでも早く。時間が経てば、種が力を増す。私が負ける。」エヴィ。

 

「何が必要なんだ?」アーサー。

「ローラン領地に、いくつか私とエスメが植えた木があったわ。千年以上の樹齢を持つ。精霊が宿ってる。協力してくれる。案内するから苗木にしてここに持ってきて。」

お読みいただきありがとうございます。

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