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借金令嬢の娘は隣国で公爵令嬢となり精霊姫と呼ばれて母の友人と出会い幸せになります!  作者: つーかたかさん


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別邸での男会議


ローラン子爵家にフェリシティーと、医師と女性騎士を置いて、アーサー達一行は僻地の別邸に向かった。

山奥の元狩猟場だ。単騎で入り込むと獣の餌になりそうな場所。解るものには解る印を辿り、奥へ進む。



アーサーの父、ランドルフを長年幽閉していた地下牢と、その管理小屋がある。

ベルンハルトの騎士隊も半分以上来てもらった。

ブランドンを縛ったまま、地下牢に入れた。


小屋でアーサー、ベルンハルト、セイン、ガイルの会談が始まった。

皆が疲労しながらも真剣な顔つきだ。

「殿下、フェリシティーの救出を急ぎたかった気持ちはわかりますが、これでは秘密にできかねます。フェリシティーに傷をつけたくなかったのに。縁談に支障が出るではありませんか。、、、女性は知られたくない事です。」アーサー。


「娘に変態の慰み者になってろと言うのか!」ベルンハルト。

「違います。フェリシティーが傷つくでしょうから、穏便に内密に済ませたかったのです。

貴族屋敷の捜索をしましたけど、家宅捜索の権利は無かったのですよ。」アーサー。


「アリステア王国へも捜索すると使者を出した。返事は待たなかったが。フランセーア王国の貴族か誘拐被害に合ったから、アリステア王国で疑いのある屋敷を捜索すると通告した。文句はフランセーア王国が請け負うとな。」

ベルンハルトが写しの王家の紋章入の書状を出した。


アーサー震えた。今頃アリステア王宮では緊急会議だろう。

「フランセーアが、このことを知ればどうなるか、考えたのですか?

プロンシアーナ王国の元王太子がフランセーアの准王族の精霊姫フェリシティーを、襲撃して誘拐、陵辱したのですよ。第二王子が婚約者にと熱望している姫です。民衆から慕われる姫です。

、、、報告をありのままにするおつもりですか?大戦になります。

アリステア王国も非を問われます。もちろん、守れなかったローラン子爵家も。」アーサー。


「動きやすいように書状を作ってもらっただけだ。騎士らは俺の私軍だ。他言させない。フェリシティーのためだ。アーサー殿にもセイン陛下にも、罪を問うつもりはない。」ベルンハルト。


「フェリシティーの様子が心配だ。安定したらすぐにフランセーアに連れて帰る。サーラが心配してる。報告を聞いて倒れたし。」

ベルンハルトも混乱していた。感情が極限に振れる。

ブランドンには殺したいほどの怒りが。

大切な家族、娘には愛情が。


「誠に申し訳ない。プロンシアーナの責任です。」

セインが頭を下げた。ベルンハルトがセインたちを冷たい目で見た。


「幽閉していたのですよね。脱走し、プロンシアーナで強盗殺人を何件も起こし、アリステアでも襲撃、誘拐。なのに、あいつはプロンシアーナに戻してまた幽閉するだけで済ませると?」

ベルンハルトの怒りはおさまらない。

「お怒りはご尤もでございます。」セイン。


「極刑を望みます。ただの死でなく、犯した罪に見合った苦しみを与えた後、刑を執行してください。でなければ怒りがおさまりません。」ベルンハルトがセインに言う。


「説明をいたします。不死になっているブランドンは、剣やギロチンでも刃が跳ね返り身を損ねることはありません。高所から落としても無傷。毒も効かないのです。

1つだけの手段として、父王ならブランドンを殺せます。」セイン。

「先日、父王に書類でブランドンの処刑命令文を書かせた。王家の紋章印入りです。これで効果があるかどうか。」ガイル。


「先王は協力してくれたのですか?」アーサー。


「懐柔しました。毎日パラダイスに連れていきました。たくさんのオネエサマに囲まれてショーを見てもらって、そのうち一緒に踊るようになって、自由は素晴らしいとわかってもらえたのです。」セイン。


「そ、それは素晴らしいですね。」アーサー。

「アーサー殿も一度来てください。」

セイン。

「セイン、今はベルンハルト殿下とのお話しだ。だいたい、父王は3年連れて行って、やっと、だろ。」


「父君にブランドンを殺してもらう、となります。できますか?」アーサーがセインに聞いた。

「難しいです。直接手を汚せるかと言えば、いいえ、です。親子ですから。毒杯を飲ませるくらいでしょうか。」セイン。


「生ぬるい!」

ベルンハルトが怒りのあまり叫んだ。

「ベルンハルト殿下。お気持ちはわかりますが」

アーサーの言葉を最後まで言わせず、ベルンハルトが遮った。

「俺の気持ちがわかるわけないだろう!

大切な娘を。幸福にすると誓った娘を。また15歳だというのに。

フェリシティーの味わった苦痛を、これから味わう苦痛を考えれば、あの男を毎日拷問しても足りない!」


普段のベルンハルトからは想像も出来ない声音、怒りの表情だった。それらは深い愛情から生まれた御し難い怒りと憎しみを湛えた言葉だ。


「誠に申し訳ない!」

セインが床に手をついて謝った。ガイルも黙って床に座り、手を付き頭を下げた。

「私の過ちです。厳重な監視を怠り、逃亡を許した私の責任です。」セイン。


「ベルンハルト殿下。私の言葉が悪かったです。思い至らず申し訳ない。

フェリシティーの意識が戻ることを待ちませんか?

フェリシティーは優しく頭の良い子です。

フランセーアとプロンシアーナが戦になる事を望む子でしょうか?」アーサー。


「ブランドンに関しては、どう扱ってもかまいません。我が国の恥です。捕縛して持ち帰ろうと思いましたが、お怒りはご尤もです。ただの異国の平民としていかようにも処分してください。

もちろん、我が国としてはフェリシティー姫に対して気持ちを示したい。気持ちとして金品しかお贈りできません。」セイン。


「いやいや、待ってください。殺せも傷つけも出来ない身体を持つ男ですよね?得体がしれないものをアリステアに押し付けないで下さいよ?持ち帰っていただきたい。」アーサーが慌てて言う。


ドンドン!扉が叩かれた。外から声がした。

「フェリス嬢が目を覚まされたそうです。」


お読みいただきありがとうございました。

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