表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
借金令嬢の娘は隣国で公爵令嬢となり精霊姫と呼ばれて母の友人と出会い幸せになります!  作者: つーかたかさん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/98

楽しい日々を過ごしています。

応接室で大人3人が楽しそうに歓談している。

子供時代、バートはローラン子爵家にしょっちゅう遊びに来ていた。

もちろんエリンに会いに、だ。2年間ほど通っていた。

その後、破産状態同然のローラン子爵家のエリンにバートが好意を持っていることをバートの両親が危惧した。

バートは王都へ移され、学園入学までエリンに会えなくなった。

  

学園では、バートはエリンと学友として過ごした。片思いだった。


エリンが卒業してアーサーが入学した。

バートはその後、卒業。他国へ留学し、ある程度学ぶと親の商会で働き、自分の商会を起こした。


その間もたまにローラン子爵家に顔を出してエリンの消息を聞いていた。

アーサーもケイトも、エリンがどこにいるかは言わずに元気であることは知らせていた。

また、お互いに仕事の話をして情報を得ていた。

さらにはバートが商会を起こす時にアーサーが人材を橋渡しした。


ここ数年はローラン子爵家に立ち寄っていなかったので、久しぶりだった。

フェリシティーは興味深く大人たちの話を聞いていた


バートはこの日ローラン子爵家に泊まった。

バートの祖父母宅へは使いを出してもらった。

結局、数日間バートはローラン領に滞在した。フェリシティーはバート滞在中、全て休みにしてもらった。


フェリシティーがバートに懐いている。

アーサーとケイトは不思議がりながらも、フェリシティーがバートと外出することを許可した。フェリシティーは預かり者なので、アーサーの許可がいるのだ。

ネイとユナが護衛につく。


バートも職業訓練学校に臨時入校し、フェリシティーと授業を受けた。

「異国の文化、風習とマナー」「婚姻図研究(国家間での王族と貴族の姻戚関係を学ぶ)」「法律を学ぼう!アリステアと他国の法律の違い」「物価変動の法則」

バートが選ぶ講座はフェリシティーには目新しい。


バートは職業訓練学校のパンフレットを見て、肩を揺らして笑っていた。

「商売が軌道に乗らない人のための商売術(相談時間あり)」

「元娼館勤めの御婦人が教える閨術(結婚している夫人限定)(秘密厳守)(匿名、変装可)」

「夫婦で聞こう、良い家庭の築き方(婚約中、新婚の人限定)」

「優秀な子供は良い家庭はから、学ぼう夫婦の家庭円満術」

「破産間近なあなたに、相談可能、破産手続きの仕方(相談時間あり)」

「元詐欺師が教える、狙われない商会のなるために、しなくてはいけない10の法則」

「片付けが苦手なあなたのために、断捨離術教えます(お掃除、片付けのお手伝い派遣します。相談可能)」

「良い使用人に長く勤めてもらうために、良い主人になるための心得(商会編)」

「離婚を考えた時に受ける講座 (離婚後の身の振り方実例 相談可能、避難先も斡旋あり 匿名・変装可)」


語学、計算、簿記。美術品の鑑賞術、音楽鑑賞、観劇、食事のマナーなど。執事やメイド、料理人、馬術等の資格講座に紛れて、たまに変わった講座がある。


「アーサーは面白い学校を作ったね。斬新だ。」

バートが目尻に涙を浮かべて笑った。ウケている。


職業訓練学校もローラン子爵領も、大賑わいだ。

第2王子とサンフォーク公爵令息に人々が群がっている。護衛だらけ、でもある。

護衛協定が結ばれて、自分の護衛対象だけでなく、領都の保安を守ってくれている。情報の共有もしている。

ローラン子爵領都は今、アリステアで一番安全で治安の良い領都となっている。


「フェリス」

昼食を一緒に食べて、お茶を飲んでいる時に、バートに名前を呼ばれた。

「いつまで、それをやるつもり?親元にはいつまで、って約束なの?」バートが聞いた。

「バレたら即、オシマイです。帰りたくなったら、いつでも帰る約束です。長くて1年、です。」フェリシティー。

「そうか。もうすぐ仕事でここを出る。次は会えるかわからないんだね。」

「また、見かけたら声をかけて下さい。」フェリシティー。

「それは無理だよ。わかるだろう?」バート。

フェリシティーは普段護衛に囲まれている。

「じゃあ、家に来てください。」フェリシティー。

「敷居が高いなあ。」

「私がバートさんの商会にお伺いします。良いですか?」

「あんまり居ないから、会えるかわからない。

それに、フェリスはフェリスの世界に居るべきだ。これは息抜きだろう?」バート。

フェリシティーは押し黙った。

「ごめん。今は楽しもう。また会えたら良いね。」バート。


フェリシティーが学校から子爵家へ帰宅する時、バートが送ると言ってくれた。

途中、お店にお茶を飲みに寄った。

「年をとると、育った街が随分変わって驚くよ。こんな良い店、昔はなかった。」

バートが懐から懐中時計を出して時間を見た。

その時、店に入って来た客がバートを見て駆け寄ってきた。

「こんにちは。ラレット商会のバートさんですね。お久しぶりです、ジョシュア・タパスです。良かった。こんな所でお会い出来るとは。あの、少しよろしいでしょうか?」

タパスと名乗った男がフェリシティーを見た。

バートは困った顔をした。

「あの、どうぞ。お待ちしてますから。」フェリシティー。

「すまない。すぐ戻る。」

バートは隣の席にいるネイとユナを見た。二人が頷く。バートがタパスと連れ立って行ってしまった。


フェリシティーはバートが置いていった懐中時計をなんとなく手に取った。

飾りのない事務的な物だ。懐中時計に付いた飾り紐は古びている。その色褪せた紐の中に金に輝く色が混ざっている。見慣れた馴染みある色に見えた。

それがエリンの髪の毛だとフェリシティーは気付いた。

ふと、カツラの中の自分の髪を一本抜いて、バートの飾り紐の金色に重ねて見る。エリンの髪の色と同じだった。混ざって全くわからなくなった。


バートさんは今でもエリンさんの髪を持っている。他国へ行くときも、持っているのだろう。


しばらくしてバートが席に戻り、フェリシティーに謝った。いつもの楽しい会話が始まった。



子爵家に帰ると、ケイトがフェリシティーに手紙を渡した。アーサー宛の中にフェリシティー宛の手紙があったそうだ。


護衛のネイにフェリシティーが告げた。

「第2王子様から、王子滞在のホテルで食事会ですって。サンフォーク公爵令息のルーファスも。アーサー叔父様と一緒に、ですって。断われないわ。」

フェリシティーはため息をついた。

あんまり興味がない。というか、行きたくない。





お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ