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借金令嬢の娘は隣国で公爵令嬢となり精霊姫と呼ばれて母の友人と出会い幸せになります!  作者: つーかたかさん


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フェリシティーはバートとお話しました

「どうぞ」

フェリシティーは応接室に通された。豪華ではないが実務的、暖かみのある内装だ。

ミルクティーとクッキーが運ばれてきてフェリシティーの前に置かれた。

目の前のバートは穏やかに懐かしそうにフェリシティーを見ていた。

「私はバート・ラレット。アリステア出身で、このラレット商会の社長をしている。」

「私は、フェリス、と言います。

ごめんなさい。母からの伝言というのは、嘘です。あなたに聞きたいことがあります。」フェリシティーは名前を偽った。

「うん。いいよ。フェリス嬢。あなたにとって、大切なことなんだね?」バート。

「私が前、ランマルド商会に居た時に、私を見てエリン、とおっしゃられました。私が母に似ていたからですね?」フェリシティー。

「ああ、僕が初めて出会った時のエリンに、君はそっくりだったよ。」バート。

「お母様とはどのようなご関係ですか?」フェリシティー。

「幼なじみ。学友。」バート。

「お母様が好きでしたか?」フェリシティー。

「昔の話だね。ああ。好きだった。振られたけどね。そっくりな君に言われると、不思議な感じだね。」バート。

「私の父をご存知ですか?」フェリシティー。

「レイナルト様だね。公爵家の次男様だろう?素敵な人だね。アリステアで仕事した時にお会いした。奥様が静養中と聞いてた。エリンの事は話題にしなかった。不快だろうから。

僕はエリンが学園を卒業してから、会ってないんだ。エリンが結婚したと聞いてからは、特にね。僕は商売でほとんど他国にいる。今もね。エリンになにかあったのかい?」バート。

「お母様は元気です。私は、お母様が昔、どんな学生だったか、どんな学園生活をしていたか、知りたいんです。」フェリシティー。

フェリシティーは頭の中でバートが自分をエリンとレイナルト夫妻の子供だとして会話していることに、やはり、と思った。慎重に会話しなくては。

「お母さんに、直接聞いたら良いじゃないか?なんで僕に?」

「家では、バートさんや殿下の話は出ません。母はあまり学園のことを話しません。」フェリシティー。

「うーん。エリンはサーラくらいしか友達いなかったからなあ。サーラとは友達だろ?君がランマルド商会にいたのも、その縁じゃないのか?」バート。

「バートさんは、私の事をランマルド商会に聞かなかったんですね。」フェリシティー。

「?ああ。僕はエリンに会わないほうが良い。旦那様が良い顔しないだろうから。エリンがいるかと思って、君を見たあと慌ててランマルド商会を出たよ」バート。

「バートさんから見て、母とベルンハルト殿下は恋仲でしたか?」フェリシティー。

「あー、なるほと。ベルンハルト殿下ね。エリンの旦那様が誤解してるの?僕は学園時代しか知らないが、ベルンハルト殿下は大丈夫だよ。紳士だ。そうだなあ。ベルンハルト殿下、始めはエリンに好意を持ってたかな。ドレスを贈ってたし。でも、エリンはあの頃恋とかに興味なくて。俺もだけど相手にされてなかった。エリンはサーラと仲良かったよ。初めての女友だちで、サーラの家に遊びに行ったり泊まりに行ったり

してた。」バート。

「サーラさんとベルンハルト殿下はどんな仲でしたか?」

「仲は、悪くなかった。結構ズバズバ正直に話してた。友達だと思ってたから、恋仲になるのは、うん、予想はしてなかったが、納得できた。式に招待されたけど、行けなかった。今、殿下はフランセーアにいるんだってね。」

「母とベルンハルト殿下が恋仲になるって、あり得ると思いますか?」フェリシティー。

「ないね。そんな架空の昔話で、エリンはレイナルト様とケンカでもしたのか?ベルンハルト殿下はサーラと結婚したんだから、交流があるとしても妻同士が仲が良いだけたろう。訪問したとしても、妻の友人にちょっかい掛ける様な方じゃないよ、ベルンハルト殿下は。俺は昔のベルンハルト殿下しか知らないけど。どちらかというとお人好しで、好感の持てる誠実な人柄だ。」バート。

フェリシティーは考え込んだ。


「ベルンハルト殿下とサーラの子供が、女の子で良かったよ。おかげでアリステアの商人はフランセーアで関税なしに商売できる。今回移住するのも、昔の約束があるからだろう。うん。ベルンハルト殿下のお子が産まれて良かった。」バート。

「もしベルンハルト殿下に子供がなかったら、だめなんですか?」フェリシティー。

「そうだね。王太子には王子だけだから。子供が欲しいからと王太子に側妃をつけて、王子が生まれたら王位継承で争いが起こるかもしれない。王妃に二人の王子がいるのだから、側妃はいないほうがいい。

ベルンハルト殿下にお子ができなかったら、他の女の人に産んでもらう話が出るかもね。でも、見事サーラが女の子を産んだからね。良かった」バート。

フェリシティーはまた沈黙した。

バートが紅茶を飲み、フェリシティーを見つめる。

顔立ち、髪の色、雰囲気もエリンに似ている。バートは昔を思い出していた。


フェリシティーはここに来た当初の荒ぶった気持ちは無くなり、落ち着いてきた。

きちんと両親の話を聞こう、そう思えるようになった。そして、目の前のこの人に興味が湧いた。

「バートさんは、結婚は、、」フェリシティー。

「してないよ。する気もない。」バート。

「今でも母を好きですか?」フェリシティー。

「そうだね。忘れてない。人って幸福な思い出があれば生きて行けるものだよ。、、エリンの幸せを願ってる。さて、君も帰らないと。エリンが心配するだろ?」バート。

「もう少し、母の話を聞かせて下さい。」

フェリシティーは最初の焦った気持ちはなくなり、このバートという人からの話を聞きたかった。


「良いけど。俺から見たエリンだよ。」

バートは懐かしそうに話を始めた。

借金返済にいそしむエリンとの出会い。

学園での生活。サーラとベルンハルト。

バートの話は、エリンへの愛情に溢れていた。




お読みいただきありがとうございます。

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