セインとお話、フランセーア王宮にて
「改めまして、フランセーア王オーウェンです。。
プロンシアーナ王セイン殿と、護衛ガイル殿、でよろしいか?」王。
「ご丁寧なご挨拶、いたみいります。フランセーア王
オーウェン陛下。プロンシアーナ王セインです。
不躾な振る舞いや身分を偽って入城いたしました。深くお詫び申し上げます。」セイン。
「セインの兄、ガイルです。お見知りおきを。」護衛。
また一同がざわついた。
「ご説明いたします。セインは第3王子でした。異母兄の第2王子だったガイル様です。そして、セイン王の、恋人ですね。」エリンが、ちょっと複雑そうな顔で説明した。
「色々あり過ぎた。未だに整理が追いつかない。皆もそうだろう。
しかし、聞かねばならない。身分にとらわれず、自由に話そうか。良いね?」
年長のフランセーア王が提案した。全員頷く。
「それでは、わが妻とセイン王の関係をお聞きしたい。友人とおっしゃられていましたが、いつから、どのような友人関係であられたのでしょうか?」レイナルト。
「ベルンハルト殿下の離宮から出た後、半年ほど一緒にいたんです。」エリン。
「セイン殿が妻を誘拐したのか?」レイナルトがセインを睨んだ。
「順に話そう。」ガイル。
「エリンが行方不明になった時、二人の女官が一緒にいなくなったでしょ?一人がテレサで、もう一人がコレット。テレサは兄王太子ブランドンの手下で、コレットが私の手の者だった。エリンはブランドンに目をつけられて、テレサが誘拐したの。それをうちのコレットが阻止したのよ。結局テレサには死んじゃったみたいね。エリンを誘拐しようとして、コレットとテレサの仲間で、戦闘になったらしいの。
エリンは無事に保護したけど、狙われてるし。エリンをどうしよう?ってなって。私達も逃亡中で。とりあえず、一緒に行動する事にしたんだ。」セイン。
「どちらかというと恩人なのに、酷い言われようで不愉快だ。」ガイル。
「3人でたくさん話したわね。楽しい旅だったわね?エリン!」セイン。
「楽しかった、とは言えないです。仕方なく。」
エリン。
「説明がいるな。あの頃、王太子ブランドンが私達を排除しようとしていた。
王太子が政治に関心がなく評判が悪い。父王が王太子を廃嫡するかもしれないと噂が出た。
ブランドンは俺達を殺せば王太子の地位が守れると暗殺者を放った。
それと、ブランドンは女好きでな。
常時他国を探らせていたことから、エリンに目を付けたんだろう。それを俺らが助けた。
それで、セインと俺はほとぼりが冷めるまで姿を消している最中だった。」ガイル。
「私は、正妃の生まれで、ブランドンの同母の弟なの。ガイルのお母さんは女官で、身分が低いから殺されなかった。他の王子は小さい頃に不審死しちゃって。私はほっとかれてたんだけど。父上も母上も、私の事好きじゃなかったから、10歳ぐらいから、離宮で暮らしてたの。小さい頃は兄上と遊んでたんだけどな。
一応王族だから、行事には出てた。たまに家族と会ったし、王宮にも顔を出してた。
兄の地位を脅かすからって、暗殺者に狙われるようになって、こちらも兄の動向を探ってた。コレットをブランドンや父王のメイドにしのばせたりしてね。で、エリンと出会った。」セイン。
一度、区切りをつけてセインが茶を飲む。
「国内でゴタゴタしているのに、隣国の王家と関係ある女性をさらうのは、一応プロンシアーナの王子だから、マズイと思ったの。もちろん、兄からエリンを助けるべきだしね。
エリンは美人だから、それだけて欲しがる男は多い上に、フランセーア王家に嫁ぐ姫の生母。ブランドンはエリンに自分の子を産ませるつもりだったんだって。コレット情報です。いずれフランセーアの王家に入る姫と自分の子を血縁にして、エリンを人質にして、何かするつもりだったみたい。
どう?私達エリンの恩人だし!フランセーアのためにもなったはずですが。
で、逃亡中、エリンと色々相談したの。結論は私が王になれば、全部解決するね、って。王位に興味ないんだけどね。説得されました。」セイン。
「プロンシアーナが落ち着かないと、いつまで経っても、私の安全が保証されない。逃げ回っても改善されないわ。だから、セインに王になって、って言ったの。王になれば、セインの夢もかなうから、って。」エリン。
「行方不明はわずか半年だったはずですが、半年ほど何をしていたのです?」アーサー。
「政治的には、各地の良識のある領主に会い、文書を取り交わしていました。
俺もセインも、個人的に付き合いのある人がいたからな。俺は騎士団や軍、王宮にも少しと、友人たちだな。」ガイル。
「私は王宮の文官にツテをもらって。地方に逃げた文官を雇ってる領主とつないでもらった。
ほら、父王は逆らう者は処刑しちゃうし。戦争大好きな人でしょ。兄上は享楽的な人だし。女好き、酒好き、博打好き。サディスト。王になったら、恐ろしい事になったと思う。
文官がまともだから、国は回ってたけど、不満だらけ。私も、逃げてたし。不安定だった。」セイン。
「父上兄上には隠居してもらい、私が王になったら裁判で刑を決める、とか、能力で文官の地位、報酬を決める、今の問題無い領主の地位を約束して、もう戦争しない、戦争のための金と兵の徴収も無し、って文書を作ったの。エリンの助言で。地方の領主にそれを配ってクーデター後に私を支持するようにお願いしてまわって、文書を取り交わしたの。」セイン。
「王宮の文官、穏健派にも協力の約束を取り付けた。モタモタするより、早急に事を決めて起こした方が上手く行くとエリンが言うから、相手方に知られたり動きを邪魔される前にな。結果は見てのとおりだ。
どうせ殺されるなら、やれるだけやれ、とそこの奥方がね。」ガイル。
「無事に父と兄を幽閉して、その後のほうが大変だったわ。
父らに媚び諂った奴らを捕まえて裁判して、強制労働の鉱山送りにしたり。そいつらの領地を王家預かりにしてから、分配したり。
法律を整備したり。人材を育成したり。
国内は落ち着いたから、外交を温めようとしたのに、皆さんに警戒されちゃって。これはどうにかしなきゃ、と。
で、エリンにも約束の結果を報告したいなって、会いに来たの!
思い出してくれたのに、エリン、冷たい!さみしい!」セイン。
「そうだ、お前たちエリンに何をした?アリステアで保護されてから、エリンは男を見ると吐くようになっていたんだぞ。」レイナルト。
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