即位式でイトコに会いました
よろしくお願いします。
ベルンハルトの家族である王家はフランセーアへの移住に賛成となった。
サーラの実家のマラドラン男爵家は移住の話を聞いて驚いて寂しがった。
王家の決定に反対など出来ないし、サーラが移住を希望している。
末っ子のサーラは姉たちから可愛がられていた。
しんみりしていたが、後継ぎの姉が、
「こうなったら、フランセーアに支店を出す!」
と叫んだ。
男爵や男爵夫人も「それは名案!」とノリノリになった。
サーラが驚いている間に、姉が自分の夫に司令を出した。
「フランセーアの王都に支店を出店するわ。店舗を探して。マーケティングをして、売る商品を決めておいて。」
姉がサーラに言った。
「何かあれば、支店に来なさい。他国で不安があっても、味方がいることを忘れないで。
そうそう、精霊姫の生母の商会の店って、宣伝していいかしら?いいわよね?」
ベルンハルトも資産の整理をしなくてはならなかった。
父王から拝領していた領地を返還。
王都の邸も返還する。
使用人整理と解雇。望む者はフランセーアでも雇い続けるが、身内がアリステア王国に居住していると、決心がつかない。
それぞれ猶予を与え、フランセーアに行く者、アリステアに残る者を選別する。解雇となる者の、次の就職先の斡旋。
王の退位の準備。同時に王太子の即位の準備。
王宮も慌ただしく忙しく動いていた。
フランセーアへの移住の準備中、フェリシティーには王宮から教師が派遣された。
フランセーアでのフェリシティーの振る舞いについて、王、王太子夫妻が論議し、このままフランセーアに出す訳にはいかないと結論が出た。
肝心のフェリシティーが、やる気を出した。
邸にばかりいたフェリシティー。
同じ年頃の姫達と交流した事。エルドに罵られた事で、フェリシティーも考えが変わったのだ。
「エルドを見返してやる!」
「文句の付けようのない令嬢を目指す!」
マナーの教師の教えを熱心に聞き、教養やダンス、勉学にも取り組み、メキメキと吸収していった。
王の退位、新王の即位は準備がいる。周辺国への招待、周知。書状のやりとり。
フランセーアでも王の退位が決まり、王太子が即位となった。新しい王太子はリカルドだ。王太子の婚約者としてシェリーが発表された。
王太后の尊称はそのまま、王妃が王の退位にともない、新王太后と呼ばれる事になった。
アリステア王の退位と即位式が先に行われた。ベルンハルトが帰国して1年後だ。
8歳のフェリシティーも参加した。
フランセーアからリカルドとシェリーが招待されてやって来た。
式典はつつがなく進み、王の退位、新王の即位が行われた。
続いて新王太子の発表。
大人達のパーティー、祝宴に王太子が出た。
顔合わせ、各国への紹介が終わると王太子はお役御免だ。一緒にリカルドとシェリーも退室した。
王宮にはフェリシティーや、身内の子供たちが滞在している。
王太子ルネ、弟のリュシード、リカルドとシェリー、フェリシティーが控室に集まっていた。
ルネとリュシードはリカルドとは初対面だ。
次世代の王と友好を結ぶように場が作られた。
フェリシティーが従兄弟の王子たちをリカルドらに紹介した。
フランセーアでの出来事をリカルドらを交えて話題にする。
ルネたちはリカルドとシェリーの恋物語とフェリシティーのケンカ話を楽しく聞いた。
リカルドらの了解をもらい、アリステア王国王子らの従兄弟をその場に呼んだ。
マデリーンの産んだ王子二人と、マデリーンの甥に当たる公爵家の従兄弟たちだ。
新王太子ルネと弟リュシードの、父方のイトコはフェリシティー。
母方の従兄弟3人。サンフォーク公爵家のエリオットとアリシアの子供。ケビン、ルーファス、ロバート。
フェリシティーはサンフォーク公爵家の子供たちと会うのは初めてだった。ベルンハルトがエリンに関係する人々に会わせないようにしていたのだ。
ケビンたちが入室して来た。
ルネが従兄弟を紹介する。
「フランセーアの次期王太子のリカルド殿下と婚約者のシェリー姫。こちらはいとこのフェリシティー姫だ。
リカルド殿下、シェリー姫、ご紹介いたします。僕らの母方の従兄弟、サンフォーク公爵家のケビン、ルーファス、ロバートです。」ルネ。
ケビンたちが恭しく頭を下げた。
「ご紹介に預り、恐悦至極にございます。サンフォーク公爵家のケビンと申します。リカルド殿下、シェリー姫。並びにフェリシティー姫。ご尊顔を拝謁させていただきますこと、光栄の極みにございます。」ケビン。
「丁寧なご挨拶、ありがとうございます。次期サンフォーク公爵と覚えておきます。ケビン殿。親しく交友させていただけたら嬉しいです。
出来たら気軽に話をしてもらいたいです。年も近いです。
フランセーアとアリステアは、永く友好を築いてきました。
フェリシティー姫は僕らの親戚で、曾祖父が同じ王です。もうすぐフランセーアに来てくれる予定で、誠に喜ばしい。
フランセーアの民はアリステア王国を友好の国とし、フェリシティー姫を大歓迎しています。
これからも変わらぬ友好を我らで築いていきましょう。」
リカルドはケビンたち、ルネら王子に語りかけた。
その後はリカルドが弟のエルドの話をしてその場を盛り上げた。
フェリシティーもびっくりした。
アリステアから贈られた自分の絵に、エルドが恋していたとは!
エルドの失態を大暴露して場が大いに盛り上がった。
今、エルドは猛勉強らしい。
今回もアリステアに来たがっていたが、「まだ完成していない」と辞退したそうだ。
フェリシティーにはフランセーアから手紙が来ていた。小さなアクセサリーのプレゼントも届いている。
エルド、ジェフリー、シモンからだ。
リカルドとシェリーはエルドの恋を応援する立場だそうだ。
次世代の交流は楽しい歓談となった。
気軽な身分のリュシードはフランセーアに留学を希望していた。
サンフォーク公爵家の3人もだ。
留学するとフランセーアで学友となる。
再会を約束してリカルドとシェリーは帰国した。
サンフォーク公爵家の3人は顔に出さなかったが、驚いていた。
叔父のローラン子爵、アーサーが絶対に口に出すなと言っていた。
フェリシティー姫は伯母のエリンに似ていた。
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