円満解決したようです
一人をのぞいて、円満解決したようですね。
ラメル国への使者は、国境手前で止めることが出来た。
ラメル王国はアリステア王国の南東に位置し、プロンシアーナと国境を大きく接している。
プロンシアーナに攻め込まれないため、フランセーアと縁を結びたい思惑が見て取れた。
フランセーアもラメル王国がプロンシアーナ寄りになられるより、独立国であって欲しい。
王家の姫をラメル王国へ嫁がせる事を了承したのだ。
王宮でリカルドとシェリーを問い質したところ、二人共沈黙した。
しかし、シェリーの妹オルガは姉の恋物語を仲良しのメイドにペラペラ話した。
「お姉様はリカルド様が好きなの。小さいころから、ずっとなの。リカルド様もお姉様を好きなんだって。
いつもうちに来たら、リカルド様はお姉様と仲良しなんだよ。チューしてるの見ちゃった。抱き合ってたよ。私が寝てると思ってたみたい。私、起きてたもん。
だけど、リカルド様は国が決めた人と結婚しなくちゃいけないんだって。だから、お姉様は遠い国にお嫁に行くんだって。リカルド様と離れなきゃつらいから、って。
お姉様と離れたくない。リカルド様と結婚して欲しいな」
王太后と陛下夫婦、王太子夫婦、王弟娘夫婦が呼ばれリカルドとシェリーを交えた話し合いとなった。
リカルドは無言。
シェリーは無言だか、ハラハラと涙を流していた。
王太后が言った。
「もし、リカルドがシェリーを好きなら婚約を許しますよ。
今言わねば、シェリーはラメルへ嫁ぐ事になります。
だから、正直に話してほしい。」
王太后は困惑していた。自分が曾孫たちの恋を邪魔していた。
リカルドは皆の顔を見渡し、泣いているシェリーを見た。
そして、シェリーに向けて言った。
「覚えていないくらい前から、ずっとシェリーが好きです。シェリーだけが好きです。
しかし、僕は王位を継がねばならない。
王太后様がフェリシティーが生まれた時から、僕とフェリシティーとの結婚を望み勧めました。国のために僕は生きます。ですから、こんな僕を忘れてシェリーには幸せになって欲しい。僕はフェリシティーと結婚します。」
「無理強いするつもりはなくて」
王太后が青い顔になる。自分が言った言葉がリカルドを縛っている。
「母上、我らは間違っておりました。全て白紙にいたしましょう。子供の幸せを考えましょう。」陛下。
「リカルドとシェリーが望むなら、二人の婚約を決めます。どうしたい?リカルド、シェリー?」
王太子が二人を見て問うた。
リカルドはシェリーの手を取った。
二人が見つめ合う。
「シェリーと婚約したい。」リカルド。
「私も、リカルド様と婚約出来たら幸せです。」
リカルドとシェリーの婚約か結ばれた。
ラメル国へは断りの使者が発せられた。
リカルドとフェリシティーの仮婚約の話は無くなった。
王太后と王太子夫妻が部屋に残り、どう収集をつけるか、話し合いをした。
「では、フェリシティーはエルドかジェフリー、シモンのうち誰かと」王太后。
「先程の二人を見て、まだそんな事を。お祖母様、自然に任せましょう。それに、エルドは無理です。フェリシティーとは相性が最悪です」王太子。
「あのう、言いにくいのですが」
王太子妃が口を挟んだ。
「エルドは、フェリシティー姫が好きかもしれません。」
はあ????その場にいる皆が「それは無い」と思った。
「罵りあい、ヘビや昆虫を投げあった、と聞いたが?」陛下。
「フェリシティー姫が最初に王宮に訪れた時、エルドはフェリシティー姫にみとれていたそうです。あの可愛い姫は誰?と聞いたそうです。可愛いと何度も呟いていた、とメイドが言ってました。
フェリシティー姫がリカルドと婚約となるたろう、と聞いたら不機嫌になりました。
フェリシティーに会いに離宮に行く日はウキウキしてました。何度も鏡を見て、おかしくない?かっこいい?って聞いてきて。
フェリシティー姫と喧嘩した後、離宮に忍び込みましたけど。その、私の宝石箱から指輪を1つ、欲しいといったのであげました。温室から花をもらって、花束にしてもらってました。指輪を箱に入れて持って行きましたが、箱はへしゃげて持って帰りました。」王太子妃。
「そう言えば、我慢してフェリシティーと婚約してやろう、とか、俺が犠牲になって婚約するとか、言ってたらしいです。」王太子。
エルド、馬鹿だな。皆、沈黙しながら思った。
結局、フェリシティーの事は全く触れず、ベルンハルト一家の移住についての事、軍事同盟、関税無し、友好な関係を引き続き約束した書状を持ち、ベルンハルトは帰国することになった。
ラミーナの結婚時に結ばれた約定は、ベルンハルトがフランセーアに移住した時点に無効となるとされた。
これらの新しい事案がフランセーア王の紋章印入の書状に書き込まれ、ベルンハルトがアリステアに持ち帰る。アリステアで可決されれば、両国間の約定となる。
子供たちだけでリカルドとシェリーの婚約パーティーをする事になった。帰国するフェリシティーのサヨナラパーティーも兼ねている。
フェリシティーのいる離宮で行われた。
リカルドとシェリーはとても幸せそうだ。しょっちゅう見つめ合い、手を繋いでいる。
リカルドがフェリシティーに礼を言う。
「フェリシティー姫のおかげだよ。君が正直で自分を偽らないていてくれたから、こうしてシェリーと婚約できた。」
「好きな人同士で婚約おめでとうございます。私は何もしてません。」
フェリシティーは自分のために行動しただけだった。
「いいえ!フェリシティーのおかげです。」シェリーが声に力を込めて言う。
「フェリシティー姫が普通の姫君なら、大人たちの決定を破壊出来ませんでした!フェリシティー姫のおかげで、こうして丸くおさまったのですわ。本当に感謝しております。」シェリー。
フェリシティーは沈黙。破壊?褒めてるの?
「とにかく、私達が今、こうして幸福なのは、フェリシティー姫のおかげです!私、本当にフェリシティー姫が大好きです。この先、困った事があれば、おっしゃって。力になります。フェリシティー姫は私達の恩人です。」
「はあ、じゃ、そういうことで、いいです。」フェリシティー。
オルガは姉が異国にいかず、フランセーアにいてくれると聞いてニコニコしている。
姉の真似をしてフェリシティーに
「ありがとうございます。」と言う。
ジェフリーが来て、フェリシティーに話し掛けた。
「3年内にフランセーアに来て、ずっと住んでくれるんだってね。よろしくね。一緒に学園に通えるな。楽しみだよ。」
シモンもフェリシティーに話しかける。
「またローズと遊んでくださいね。ローズはフェリシティーからもらったぬいぐるみを抱いて寝てるんです。フェリス、って名前にしてました。」
シモンかニコニコ天使の様な笑顔を見せる。
「学園に入ったら、俺がフェリシティーの1個上でシモンは1個下。その下にオルガ。だな。」エルドを抜かして話すジェフリー。
フェリシティーにニヤリと笑った。
「俺はおとなしいお姫様より、自分をしっかり持ってる意志の強い女の子が好きだな。
フェリシティーは馬に乗れる?」ジェフリー。
「ポニーで練習してます。馬は好きです。」
「いいね!馬は賢いから、好きな人間がわかるんだ。俺も馬が好きなんだ。そのうち、フランセーアに来たら遠乗り行こうぜ。気持ちいいよ。」
「練習します。楽しみにしてますね。」
エルドは会話に入らない。一人でムスッとしている。
フェリシティーがシモンに話かける。
「こちらに知り合いがいないから、引っ越したらよろしくお願いします。私もローズが可愛くって!妹が欲しかったの。」
「イトコたちのなかで、俺だけひとりっ子でさ。いいよな。妹、欲しーよな。」ジェフリー。
ひいおじい様が同じ人という親戚の子供同士で、サヨナラおめでとうパーティーはトラブル無く終わった。
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