王太后の話が終わりました
王太后の長い話が終わります。
「先程、王太后様はフェリシティーがいてくれたら良いくらいに思っている、とおっしやいましたが。」
「個人的には、ね。フェリシティーがフランセーアにいてくれたら、災害がなく豊作になるでしょう。いてほしいわ。
王太后としての発言は、民衆の願いを代弁したのよ。
民衆は祝福を得た姫、精霊姫ラミーナの血を引いた姫を、約定通りにフランセーアに戻す事を望むに決まっています。
王室を代表して、約定を守るとあなた達に告げました。
そして、私達王室もあなた達も、内乱を望んでないはずてす。フェリシティーが嫁ぐのは私の曾孫にして欲しいの。
私の曾孫と会ってみてね。自慢の子達よ。特に王太子の嫡子リカルドは聡明で優しい子です。
今日はたくさん話せたわね。
色んな事があり過ぎて、追いつかないのではなくて?
今日はもう、離宮に下って下さい。
王宮は今、騒がしいと思うわ。」
ベルンハルトとサーラ、フェリシティーは帰途についた。
馬車の中で。
フェリシティーはお菓子を食べてお腹が膨れたのか、サーラの膝に頭を乗せて眠っている。
「フェリシティーが祝福をもらうと思わなかったよ。」ベルンハルト。
「そうですね。祝福がフェリシティーにとって、良いことなのかどうか、わからないですし。この国にとって余計な内乱の種にならないとは限りません。
もし、フェリシティーをアリステアに返さないと決まったら、私はフェリシティーと残ります。
ベルンハルト様は帰国してい下さい。」
「何言うんだよ。王太后様は今回は帰国させますよ、って言ったよ。」
「ええ、次回は帰国させない、と聞こえませんか?」
「聞こえる、ね。確かに。
これは国と国の取り決めとなる。俺たちは決められた中で動くしかない。帰国して父上と兄上、重臣たちと相談しなくてはな。」
「フェリシティーがフランセーアへ嫁ぐ事は決まっていました。産まれた時から。
フェリシティーが祝福を得たから、フランセーアでは時期を早めたくなるのではありませんか?私はフェリシティーと一緒にいます。この子を守ります。もし、守る事はできないとしても、寄り添って共にいます。王位継承権を持つベルンハルト様が他国に住むことは出来ません。
もし、フェリシティーがフランセーアから出してもらえないなら」
「サーラ、もうやめて。俺達は家族だ。一緒にいる。あれこれ言っても考えても、俺達には決定権はないんだ。すまない。だが、俺は君達を何としても守るから。
フランセーアにいる間は、賓客としてもてなされていよう。大人しく滞在していよう。それで、とりあえず帰国させてもらおう。悩まないで。愛してるよ、サーラ。」
サーラの不安そうな顔を笑顔に出来ないベルンハルトも、心中は穏やかでなかった。
フェリシティーの幸せが俺たち夫婦の願いだ。
精霊の祝福は、人智のおよばぬ摂理がもたらすものだ。望まぬ者に与えられる、とは?
母上はなんと言っていた?
10歳の頃に、若くして亡くなった母。
病を得ても、祖国に帰ろうとしなかった。
祖国に戻り、精霊の泉に祈れば、回復したのではないか?
母の話は父王にはしてはいけない決まりのようになっていた。父は母のことを話したくない様だったから。
ベルンハルトはアリステアに帰国後、父王と深く話し合う必要を感じていた。
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