フランセーア王国の王宮に行きました
フェリシティーが精霊の泉と大樹に祈り?ました。
招待状が来てから三ヶ月後、ベルンハルトとサーラ、フェリシティーはフランセーア王国の王都にいた。
王宮に滞在ではなく、フランセーア王国の離宮に滞在させてもらう事にした。
そうした方が被害が小さい。
ベルンハルトが頼み込んだ成果だった。
高価な置物、飾り物、食器類を撤去して欲しいと求めた。
しかし、離宮に到着してみると少なめだが高価な品があちこちに見えた。
フランセーア王太子弟夫婦がにこやかに歓待してくれた。
ベルンハルトとは従兄弟にあたる。
「おいでいただいて嬉しいです。何年ぶりでしょう。」
「結婚式以来です。お会いできて嬉しいです。
留学時代は親しくしていただきましたね。懐かしい。」
妻同士も挨拶し合い、ベルンハルトはフェリシティーを紹介した。
「娘のフェリシティー・アリステアです。」
「フェリシティー・アリステアです。この度はお招きいただいてありがとうございます。素敵な離宮にお泊りさせてもらえて嬉しいです。よろしくお願いします。」
フェリシティーがちゃんとしてる。ベルンハルトとサーラが胸をなでおろす。しかし、まだ油断できない。
「立派なご挨拶ありがとう。フェリシティー姫。
会えて嬉しいです。
噂通りお可愛らしい。ゆっくり滞在してください。」
離宮を案内してもらい、お菓子と紅茶を振る舞われて歓談した。
フランセーア王国の王太子弟夫妻は王宮に帰った。
長旅で到着したベルンハルト達を休ませたいと気を使ってくれたのだ。
離宮を自由に使って良いと言われたベルンハルトは、すぐに使用人たちに頼んだ。
「装飾品や高価な品を全てを倉庫や鍵の掛かる部屋に運んでください。最低限の家具で十分です。娘が壊しては申し訳ないので、お願いします。」
使用人たちは数時間かけて、品々を運んだ。
翌日、ベルンハルト達は王宮へ招かれていた。
正装で馬車に乗る。
フェリシティーは動きにくいドレスを着せられて不満顔だ。ドレスは重いのだ。
ベルンハルト夫妻は不安だった。フェリシティーが何かやらかさないだろうか?
自分達の娘に国際問題を起こさせてはならない。
馬車でもサーラがフェリシティーに言い聞かせる。
「お父様お母様から離れてはいかません。走ってはいけません。挨拶以外、ニコニコしてて。話さないでいいから」
フランセーア王国の王宮は王都の北の小高い丘に立つ城である。
大きな堀を渡り、城壁門をくぐり、馬車で登る。
さらに大きな門を抜けて、城の正面玄関へ向かった。
玉座の間に通され、正式な挨拶をする。
奥の高い玉座には王、その両隣に王族が座っている。
玉座に続く通り道の両横は、王弟や大臣たち。高位官吏たち、高位貴族が並んで立っている。
形式張った挨拶を交わす。
お互いに取り澄ましたお決まりの口上を述べた。
一旦退場し、場所を変える。
フランセーア王家の血筋を受けた者は精霊の泉と大樹の前で祈りを捧げる。
ベルンハルトは3回目だ。
泉は上段と下段がある。
祝福を受けた者が祈れば上段の泉から、水が湧き出る。
下段の泉はその溢れた水を受け止める。しかし、祈りがなくても水が枯れることが無いという。
この国の象徴、神話に出てくる神聖な泉と大樹。
神が宿り、神の加護を授かる神域だ。
ベルンハルトが泉の階段を登り、大きいタライくらいの空っぽの泉に頭を下げて膝を折り、祈りのポーズをとった。
底の湧き出し口から水が勢いよく湧いて、上段の泉を満たし下段の泉へ落ちる。
精霊の大樹から葉がヒラヒラと落ちた。
歓声があがった。
次にフェリシティーが父を真似て粛々と階段を登った。祈りのポーズをした、と思ったら、泉の湧き出している、噴水孔に手を突っ込んだ。勢いで頭も突っ込んだ。
そばにいたベルンハルトが慌ててフェリシティーを抱き上げたが、遅かった。
髪から服からポタポタと水滴を落としている姫。
青い顔でフェリシティーを抱き、言葉の出てこないベルンハルト。
見ていた王族、大臣、高位官吏と高位貴族たち、ア然。シーンと静まり返っている。
その閑寂な空気を吹き飛ばすように、泉から水柱が噴き出した。1メートルほどの水柱が立ち、ジャボジャボと水音が響く。
大樹の枝が笑うかのように揺れて葉が舞い散って降ってきた。
精霊の泉と大樹の広場は、大きな歓声がたった。
読んでいただいてありがとうございます。




