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借金令嬢の娘は隣国で公爵令嬢となり精霊姫と呼ばれて母の友人と出会い幸せになります!  作者: つーかたかさん


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17/98

さようなら、借金令嬢

エリンがいなくなりました。

ベルンハルトとサーラは決断しなくてはなりません。


エリンが突然居なくなったと聞いてベルンハルトは取り乱した。

離宮を訪れて慌てた声でサーラを呼んだ。

泣き腫らした目のサーラが居た。


「エリンは行くあてがない。探して保護しよう。捜索はしてるのか?」

「捜索はしてません。してはいけません。

エリンは覚悟して出たはずです。言ってたもの。そのうち居なくなる、探さないでって。」

「危険だろ?若い女性が一人で生きていけない。心配だ。探そう」

「ベルンハルト様はそう言うだろうけど、絶対に探さないでって。」

「だが!」ベルンハルトの声音が荒ぶる。

「何度もエリンと話し合いました。

探し出されたら、逃げる。捕らわれても、逃げる、って。だから、探さないでと。」サーラが冷静に言う。


ベルンハルトは足元に穴があいて落ちるような感覚を覚えた。

捕らわれる?逃げる?

エリンに俺はそう思われたのか?


ベルンハルトは用意していた。

王都のはずれにエリンが住む家を。

こじんまりして可愛らしい家だ。

執事とメイドは手配済みだ。家具や生活品も全て。

エリンが何不自由なく暮らせるように。


ローラン子爵家にもレイナルトの元にも戻らないと言ったエリン。

時間が経てば、変わるかも知れない。

心の底で、俺の側妃か恋人になってくれたらと願った。

なにしろ、エリンは俺の子を産んだ人だ。

それが叶わなくても、エリンの望むようにするつもりだった。

そのうち、レイナルトでもバートでも、他の誰かでも良い。生涯を共にする人が見つかれば送り出して、エリンの幸せを見届けるつもりだった。


エリンは俺の元からも逃げるつもりだったのか。

ベルンハルトは愕然とした。


「全部、フェリシティーのためだって。

もう報酬はもらったから、約束通りにする、って。

私達の近くにいたら、フェリシティーの出生を疑われる。関わっちゃいけない、絶対に探さないでって。

フェリシティーを愛してる。幸せにしてね、って。」


サーラにはそう言ったのか。

エリンは俺の執着心を知っていたのかもしれない。

エリンが姿を消したのは、フェリシティーとサーラのためだ。

俺が愚かだからだ。


言葉が出ないベルンハルト。顔面蒼白だ。

サーラはベルンハルトをソファーに座らせた。


「エリンの気持ちを無駄にしたくない。

エリンは私達ならフェリシティーを幸せに出来るって、信じて託してくれたんです。

子供を産めない私に、宝物を与えてくれた。

ベルンハルト様と仲良くフェリシティーを育ててね、って。

ベルンハルト様はそれでもエリンを探しますか?」

サーラがベルンハルトの瞳を見つめた。


ああ、サーラにもバレていた。エリンに惹かれて恋してることを。離したくないと願っていた事を。

ベルンハルトは岐路にいる事を感じ取った。


エリンに2択を迫られたな。同じだ。君達は似てるな。親友だからか?


エリンを探すと言えば、サーラは止めない。

かわりにフェリシティーを連れて出て行くだろう。

二人共欲しがれば、二人共失うとエリンは言ったな。

その通りだよ、エリン。

愛娘を含めて、一番大切な3人を失う。


俺の言う言葉は1つだ。決まってる。

「わかったよ。探さない。

エリンの望むようにしよう。」

お読みいただきありがとうございます。

これで一段落です。

次は一気に時が進んでからのお話になります。

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