借金令嬢は赤ちゃんを産みました
エリンが女の子を産みました。
エリンは無事に女の子を産んだ。
エリンも赤ちゃんも元気だ。
その日。
エリンの陣痛の知らせを受けて、ベルンハルトも駆けつけて産室の前で半日過ごした。
エリンの苦しむ声。サーラのエリンに付き添い励ます声。助産師のお婆さんの声。
やがて産声が上がり、喜びの声が聞こえた。
エリンの後産を出し終えて血を拭き終わって、産室が整えられた。赤子もキレイに拭われて、おくるみを巻かれた。赤子はフニャフニャしていた。ずっと羊水の中にいたのでふやけている。この世に生まれでたばかりの命。
やっとベルンハルトが産室に入ることを許された。
疲労しながらも赤子を抱いてベッドにいるエリン。
ベッドの横でエリンと赤子を見て赤い目をしているサーラ。
3人でそっと赤子を覗き込む。
エリンはサーラに赤子を渡した。
サーラが抱いて、ベルンハルトに見せる。
「可愛いな。宝物だ。俺たち、3人の子供だ。」
赤子はフェリシティーと名付けられた。サーラが考えた名前だ。
エリンの身体は順調に回復した。
赤子は毎日エリンの母乳をタップリ飲み、ふっくらしてきた。
エリンの体調が落ち着いた頃にマデリーンがエリンに会いに来た。
フェリシティーを見せてもらい、お祝いを述べた。祝の品々を運ばせる。
サーラとベルンハルトも交えて歓談した後、マデリーンはエリンと二人きりで話をしたい、とサーラ達を部屋から出した。
「エリン、本当にありがとう。王国を代表して礼を述べよと、陛下と王太子から言われています。王国が待ち望んだ女の子、姫を産んてくれて、感謝しています。どんなに感謝しても足りません。
感謝の気持ちとして3億リブルをローラン子爵家に届けました。
それと、もう一つ大切な話があるの。
ベルンハルトの側妃になって下さい。ならないなら、王家として貴方にこの秘事を守らせるために、貴方の口を閉じなくてはならないの。
エリン、フェリシティーとずっと一緒に居たくないの?ベルンハルトの側妃になれば、我が子と離れなくて済むのよ。
最後に聞いてくるように言われたの。
レイナルトの姉としては辛いけど、母として子と離れる辛さは想像できるわ。側妃になってちょうだい。ベルンハルトを嫌いではないでしょう?」
「3億リブル、ありがとうございます。おかげでローラン子爵家は再興されます。領民が安心して暮らせます。
側妃には、なれません。私が側妃になれば、サーラが苦しみます。私も幸せにはなれない。ベルンハルト様も、やはり苦しくなると思います。
正妻のサーラの子供として育つ方が、フェリシティーにも良いはずです。
私が居たら、皆が苦しみます。
時期を見て、近い内にここを出ます。決めていた事です。最初から。」
エリンが悲しそうに笑った。
「そう、そうね。でも、エリンにだけつらい思いをさせてしまうわ。」
「フェリシティーの幸せが、私の望みです。サーラの幸せを願ってます。」
マデリーンも悲しげに微笑んだ。
「そうね、フェリシティーの幸せを皆が願ってる。フェリシティーは大切にされるわ。でもね、フェリシティーは自分では人生を選べない。遠からずフランセーア国に嫁ぐことになるわ。それがフェリシティーの幸せなのか、私にはわからない。幸福を願うしかできない。ただのエリンも何もできないわ。
側妃になれば、フェリシティーに付き添うことができる。それでも、側妃にはなってくれないの?」
「なれません。サーラとベルンハルト様を信じています。フェリシティーを守ってくれます。私は居なくなります」
「そう。エリンが側妃の話を断ったら、伝えなくてはならない話があるの。」
マデリーンがエリンにだけ、王家が決定したエリンの処遇を伝えた。
フェリシティーが産まれて1ヶ月たってから、第2王子夫妻に女の子が産まれたと発表された。
読んでくださってありがとうございます。
説明っぽくてすいません。




