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借金令嬢の娘は隣国で公爵令嬢となり精霊姫と呼ばれて母の友人と出会い幸せになります!  作者: つーかたかさん


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借金令嬢は夫を返してくれました

ベルンハルトとエリンの蜜月の終わりです。

「ねえ、エリン。俺の側妃にならないか?」

ベルンハルトが自分の腕の中にいるエリンに聞く。

二人は離宮の寝室、ベッドにいた。

10日ほど、エリンとベルンハルトは離宮で蜜月を過ごしている。サーラは姿を見せない。

「お断りします」

「やっぱり?」

「私が断ると知って聞きましたね。」エリンが笑う。

エリンが身体を起こした。

何度見ても見とれてしまうエリンの身体をベルンハルトは引っ張って、ベッド倒した。

「男なら、責任ってもんがある。レイナルト殿にぶん殴られても刺されてもいい。バートにもな。

こんな仲になって、ほっとけない。好きだよ。エリン。ずっと側にいて欲しい。」

ベルンハルトがエリンを抱きしめる。

「情が移っただけですよ。ほら、ちゃんと元に戻って下さい。

私がここにいて、こんな事をしているのは、サーラのため。レイナルト様のためです。」

エリンはベルンハルトの腕を解いた。

「エリンはいつも、俺に興味ないよね。

こんなに一緒に過ごしても、俺を好きにならなかった?俺はエリンも好きだよ。一緒に居て楽しいし相性良いし。」

「じゃあ、サーラと離婚するんですか?」

「しないよ。エリンとサーラは仲が良いだろ。もし子供を授かったら、子供とサーラとエリンと俺と、一緒に暮らせたら幸せじゃないか?」

「ベルンハルト様は馬鹿ですか。あきれました。」

エリンはベッドから出て服を着た。

その様子もベルンハルトは見つめる。エリンのどんな仕草も様子も美しい。目に焼き付けたい。忘れたくない。

そう思うのは失うとわかっているからだ。その事にベルンハルトは気づかない。

「二人共欲しいなんて、そんなことしたら、二人共失いますよ。

少なくとも私はあなたを好きではありません。

サーラに捨てられたくなかったら、今の言葉は絶対に言ってはいけません。

サーラを大切にして下さい。」

エリンが部屋を出ていった。

ベルンハルトはため息をついて、片手で額を覆う。

辛い。

ベルンハルトの癖だ。重い話は軽い感じで言う。

「結構本気で、言ったのにな。」

ベルンハルトは乾いた声で自嘲した。


ベルンハルトがサロンへ行くとエリンは紅茶を飲んでいた。

「おはようございます。少しは冷静になりました?」

「うん。」

ベルンハルトはエリンの向かいの椅子に座った。

「そろそろ、終わりにしましょう。月のものが来たら、またお願いします。しばらく帰ってて下さい。」

「わかったよ。恋人ごっこは一時停止って事だね。種馬は大人しく退場する。

ねえ、エリン。あのさ、聞きたかったことがある。

バートの事。バートはエリンに振られたって言ってた。俺は、エリンはバートが好きだと思ってた。そう見えたよ。」

「懐かしいですね。バート、元気かしら。」

「君に振られて、やつれてた。モテてたけど、誰とも付き合わなかった。

留学先でも何回か会ったよ。一人だった。3年くらい会ってないな。サーラとの結婚式にも呼んだけど、外国にいて来れないって返事だった。バートを好きだった?」

「バートは良い人です。幸せになって欲しいです。」

「なんでバートを振ったの?エリン」

「私といたらバートは幸せになりません。」

「持ってる物全部捨てて無くしても、バートは君と居たかったはずだ」

「だからです。私を捨てなきゃ、バートは全て失うからです。家も、幸せな未来も。」

「バートが好きだったって聞こえる」

「私も弟妹を捨てれなかったんです。

バートはこの国を出よう、他国で一緒に暮らそうって。だから、断りました。ひどい言葉をバートに言いました。」

「好きだったんだ。」

エリンは寂しそうに笑った。


エリンの所有者は当時、アホ父だ。

バートと駆け落ち?

そんな事をしたら、エリンのアホ父の書いた借用書を持った借金取りが、バートの家の商会に押し寄せるだろう。借用書は真偽混ざっているだろう。

商会は潰れて、多くの人が生活の糧を失う。

子供の頃の自分の様に。

そんな事、エリンは引き起こしたく無かった。


「もう思い出ですよ。」

「レイナルト殿とは結婚した。好きなの?」

「感謝してます。」

「それは好きとは違うな。」

「結局、私はレイナルト様も幸せに出来なかった。失敗ばかりです。」

「エリンは逃げてばかりいる。バートの好意から逃げて、レイナルト殿の元から逃げて。この先どうするの?」

「あなたとサーラの子供を産みます」

「その後だよ。」

「帰る場所かあ。無いですね。弟の所で世話になったら、見つかるし。どこかで暮らします。」

「なら、俺んとこいたらいいじゃん。」

「サーラが大好きだから、絶対に嫌です。」

「俺が嫌いだから、断ってるわけじゃ無いなら、来なよ。心配だろ。もう側妃になれなんて言わないから。手は出さないから。サーラ付の侍女とかさ。」

「しつこい。ベルンハルト様の所には絶対に行きません。決定してます。」

「頑固だなあ。」ベルンハルトが笑った。


「俺は帰ってサーラに謝るよ。そんで抱きしめる。

エリンも帰ったら、謝ったらいい。大丈夫だよ。」

ベルンハルトが立ちあがった。

「じゃ、そろそろ帰るよ。ありがとう、エリン。気が変わったら何時でも来て。大歓迎だから。」

「わかりました。お疲れ様でした。ベルンハルト様。」

「君といて楽しかった。じゃね。エリン」

ベルンハルトは離宮を出た。


エリンはベルンハルトが嫌いではない。

憎めない人だ。

素直で優しい。どこか可愛くて許してしまう。

サーラはベルンハルトと結婚して、幸せだ。二人はお互いを幸せにしあえる。自分とは違う。

エリンは自分の心の中に住む人を思った。

どうして自分は、好きな人を苦しめることしかできないのだろう?

自分で書いてて、この間サーラはどんな気持ちで何をして過ごしていたんだろう?など考えます。


エリンの夫のレイナルトはユーレイの様になってます。


結末はこんな感じ、と思いながら書いています。読んでくださってありがとうございます。最後までよろしくお願いします。

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