借金令嬢に夫を預けました
ベルンハルトがエリンのいる離宮にきました。
あの一夜ではエリンは身ごもらなかった。
月のものが来た。
その10日後、離宮にベルンハルトが訪れた。
騙されたあと、ベルンハルトは離宮を離れたから、1ヶ月ぶりだ。
夕食を一緒にとったが、ベルンハルトは無言。目を合わさない。かといって、怒っている風でもない。
ベルンハルトは困っていた。
湯浴み後、ベルンハルトが離宮の自室に行くと、エリンがいた。湯浴み後の姿だ。夫にしか見せない姿。
スラリとした美しい肢体。ボンと突き出たたわわな胸。あの夜、夢うつつでぼんやりしていたが、夢中で顔を埋めて、触れた。思い出すと下半身が反応しそうになる。自分で自分を笑いそうだ。馬鹿だろ、俺。
愛しているのはサーラだけなのに。
ベルンハルトは複雑そうにしている。
なんでエリンと二人きりで寝室にいるんだ?俺は。
目がエリンを見たがる。
理性で目をそらす。視線を外しエリンから顔を背けて話すベルンハルト。
「サーラに家を追い出された。エリンのとこへ行けって。行かなきゃ、サーラが俺と離婚するって。
どうすりゃいいんだ。」
「子作りしましょう」
「エリン、結婚してるだろ!レイナルト殿なら知ってる。すっげえエリンに惚れてる。俺、殺されるよ。バートにも、申し訳ないだろ。」
「私の事はひとまず置いて忘れで下さい。娼婦とでも思って、子作りすれば良いのです。」
「娼婦なんて、思えるわけないだろ!」
「では、サーラと離婚ですね。他の方と再婚して子作りして下さい。二択です。
私と子作りして、子供とサーラと暮らす。
サーラと離婚。
どちらにします?」
「そんな二択はない。どっちもない。
子供無くてもサーラと暮らす」
「サーラも苦しいんです。離婚したくないから、こうして選んだんです。それを蹴るなら、サーラはあなたの元から去ります。」
「そんなの、無理だ。なんでこんな事に。子供なんて、気にしないのに。」
「フランセーア王国とアリステア王国のためと思って。王族の義務です。」
「王太子のとこじゃだめなのか?兄上はマデリーンと仲良いけど、なんで、俺?」
「あのねえ、私の妹がエリオット様と夫婦なんです。エリオット様とマデリーン様はご兄弟ですよ。私の夫も、エリオット様達の弟です。で、王太子様はマデリーン様の夫。ダメでしょ。」
「だからって、俺?」
「サーラは私なら良いって言ってくれたんです。私とベルンハルト様の子供なら、大好きになれる、って。
サーラのため、これからもサーラと暮らすため、ベルンハルト様は私と子作りしなくてはならないのです。
それとも、私では嫌なんですか?好みではない?無理ですか?あの夜はちゃんと出来ていましたよ。」
「その言い方やめて。君はキレイで、男なら喜んでだくよ。だけどさあ?なんか違う。」
「もう、考えるのやめましょう。神様に任せましょう。数日間、私と過ごして下さい。」
エリンが部屋の灯りを消した。
「何も考えないで。私も考えません。」
エリンはベルンハルトの手を取り、ベッドに座る。
一度目を閉じ、息を整えた。
「王宮で、ベルンハルト様の贈ってくれたドレスを着て踊りました。とても楽しかった。夢みたいでしたよ。王子様と王宮でダンス」
ベルンハルトもしばらく黙った。そしてエリンの言葉を受けて続けた。
「俺も嬉しかったよ。あの頃、俺はエリンに惹かれてた。エリンとのダンスは忘れられない。
俺が贈ったドレスを着てくれて、すごくキレイだった。嬉しかったな。」
ベルンハルトはエリンの頬に手を当てた。エリンとベルンハルトは見つめ合った。
互いに演じて、それを知っている。
そして、お互い知らないふりをする。
エリンが目を閉じるとベルンハルトがエリンにキスした。最初は軽いキス。
2度、3度と角度を変えてお互いの唇を味わう。ベルンハルトの息が荒くなった。
「君は俺が初めてドレスを贈った人だ。あの頃より、今のエリンのほうが、もっとキレイだ」
ベルンハルトがエリンをそっとベッドに寝かせた。
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