借金令嬢と協力して夫を騙しました
サーラとエリンは信頼しあった親友です。
エリンは離宮に滞在した。
王家からレイナルトに2億リブルが届けられた。エリンの希望だ。
エリンは主にサーラと過ごした。
ベルンハルトは王宮に仕事がある。王宮で滞在したり、離宮に泊まりに来たりだ。
ベルンハルトは、エリンにしばらく離宮にいてもらい、程よい頃にレイナルトの元に返すつもりでいた。
サーラがエリンと過ごして楽しそうだ。いい静養になる。
ベルンハルトはサーラが流産の度に血を流して苦しむ姿をみてきた。
王宮で女官に足を引っ掛けられて転ばされ、笑われたり。紅茶やワインをぶっかけられたり。
サーラは妃の位なんて望んでない人だ。のんびり絵を描いて暮らせていたら、幸せな人だ。
サーラは自分との結婚に躊躇していた。ベルンハルトが強く望んで結婚したのだ。それなのに、幸せに出来てない。
サーラには笑顔でいて欲しかった。
ある夜、いつもの様にベルンハルトはサーラとエリンと夕食を共にし、その後、歓談しながらサロンでワインを飲んだ。
ベルンハルトはふんわりと眠くなり、酔っのだと思い、寝室へ下がった。
ベルンハルトの寝室の前で、エリンとサーラが手を握り合い、最後の確認をした。
「後戻りはできないのよ。いい?」エリン。
「うん。お願い。」サーラ。
「わかった。行ってくる。サーラの香水をかけて。」
サーラが自分の香りをエリンにかけた。
二人は抱き合って、ちょっと泣いた。握りあったお互いの手は、震えていた。
小さい声でサーラが言った。
「行って、エリン」
エリンも小さい声で言う。
「うん。行ってくる。サーラ。大好き」
「私も、大好き、エリン。」
エリンがベルンハルトの寝室へ入った。
ベルンハルトの眠るベッドに入る。眠るベルンハルトの頬に触れた。
そっと身体に寄り添う。
「ん、サーラ。ごめん、眠くて。ムリ。あっ。そこだめ。」
朝になり、ベルンハルトがまどろみながら、隣のサーラだと思っている女性の身体をなでた。
サーラの香りがする女性を抱きしめる。
昨夜はなぜか、サーラから積極的にいざなわれた。夢うつつの中、夢中になった。
柔らかな身体に滑らかな肌が手に気持ちの良い感触を伝える。
サーラも起きたようだ。動いた。
ん??サーラの身体じゃない!
ガバっとベルンハルトが目を開けて起きた。眠気なんて吹っ飛んだ。自分が抱きしめていた人を見た。
「エリン!」
ベルンハルトが叫んだ。
「服を着ろ。君がこんな事をするなんて。信じられない。」
ベルンハルトが言った。怒っている。慌てている。
「サーラの了解はもらってます。」
「俺は承知してない。二人で騙したのか?あのワインか?やたら眠くなった。」
「そうです。騙しました。殴って良いですよ」
「殴れるわけ無いだろ!」
お互いに背中合わせに衣服を着る。
サロンへ行くとサーラが待っていた。
サーラを見てベルンハルトが床に手をついた。
「サーラ、ゴメン!」頭を下げる。
サーラが駆け寄った。
ベルンハルトを通り過ぎ、エリンに抱きついた。
女性二人が抱き合って泣いた。
「ごめんなさい。エリン、こんな事をさせちゃって。」
「サーラ、ごめんなさい。サーラの旦那様なのに」
「エリン大好き」
「サーラ大好き」
ウワーンと二人が子供のように泣いている。
ベルンハルトは床に手をついたまま。顔を上げて二人を見た。
一人はベルンハルトの妻。
もう一人はベルンハルトとさっきまでベッドにいた女性。
なんで、自分は無視されてるんだ?
ベルンハルトは立ち上がり、フラフラと椅子に座った。
妻と、抱いたばかりの女性が抱き合って慰めあっている。
その様子をぼんやり見ていた。ナニコノ状況。
どうなっているんだ?
ベルンハルトは頭を抱えた。
ベルンハルトが蚊帳の外、状態。
読んでくださってる人、ありがとうございます。




