勘当された剣士4
序盤も最終局面です。
お読み頂いてありがとうございますm(__)m
「若く強い肉体……しかも【ゾーン】のスキル持ちじゃないか。これは運が良い」
目の前にいるローブ姿の老人は不気味に笑いながら呟く。
「あなたは誰だ? 何故、俺のスキルが判る?」
自分でも効能の解らないスキルが視ただけで判るはずがない……
それよりも、この老人の魔力からは友好的な雰囲気が全く感じられない。
そもそも此処は何処なのかも判らない。
「2千年……この魔法の完成迄に私の身体は老いてしまった。その身体は今から私の身体になる。光栄だろう?人間よ」
『ダークエルフ……何でこんな所に……』
ローブから覗くエルフ独特の長い耳…浅黒い肌…伝説に近い希少種族が目の前にいる。
「ЖБФωρξτθ……………………」
聴いたこともない呪文を詠唱するダークエルフの身体が次第に透けていく。
霧の様になったそれは俺の身体を覆い侵入してくる。
「此処は……?」
先程と周囲の景色は一変し、視界には何も無い黒い荒野が広がっている。
身体は拘束を解かれた様に自由に動く。
「あなたは俺に何をした?」
目の前に佇む老人に問いかける。
「今からお前は私に殺される。お前の精神が死ねば、この身体は完全に私の物になる」
「精神? 身体?」
「長かった……此で私は不死の身体を手に入れる。愚か物共に……やっと復讐できる。フッハハハハハ……」
俺の問い掛けなど聴こえないかの様に、老人は不気味に笑い続けている。
『とにかくヤバい状況だな。……先手必勝か……』
考えると同時に俺は剣を抜き横に薙ぐ。
老人は年齢を感じさせない速度で身を返し後ろに飛ぶ。
剣の先で老人のローブが切れるが身体には届いていない。
「何故、障壁が破れる……その剣か?」
剣に眼をやると刃の紋様が薄い青色の光で浮かび上がっている。
『魔剣?…此処まで何もなかったが?』
『とにかく…この状況では老人を斬るのが先決かな?』
『この剣については、此処を切り抜ければ調べられるか……』
『何で、こんなに考える余裕が有る? 目の前の老人が放った炎が迫っているのに……何故こんなに動きが遅い?』
『【身体強化】で避けて…そのまま斬るか』
俺は【身体強化】で横に跳び、全力で老人に向かい突撃する。
『身体の反応が遅い……避けられる』
『ん?……老人の動きの方が遅い?』
『間に合う? こんなに遅いのに……』
俺の剣は老人を肩から袈裟斬りに両断する。
「なっ……」
老人は回復魔法で回復しようとしたが、その身体は灰になっていく。
『まるでバンパイアの最後だな』
そう思ったが、物語で聞いているだけで俺もバンパイアなんて見たことは無い。
そこまで考えた処でいきなり激しい頭痛が俺を襲う。
「がっ…」
頭痛の中で俺の意識は飛んでいった…………




