かぼちゃまみれ
短めの詩を五つほど。
「かぼちゃの甘みは」
かぼちゃの甘みは、
優しさなんだ。
べたべたくっつく感じじゃない。
寒そうに丸くなる子猫に、
そっと布団をかけるような、
そんな優しさ。
風にあおられる落葉に、
元気でねって言うような、
そんな優しさ。
かぼちゃの甘みは、
優しさなんだ。
「かぼちゃ」
深緑の鎧を割ると、
中は美味しそうな黄色。
種をくり抜くのは、
楽しそうだった。
空いた場所には、
何をつめようか。
幸せな気持ちでも
つめてみようか。
「かぼちゃのかおり」
小さくても、
結構な重さがあって、
私は、それに驚く。
ぎっしりと詰まった中身は、
どんな料理になるのだろう。
手の中のかぼちゃは
幸せのかおりを放っている。
「かぼちゃのランタン」
かぼちゃでランタンを作ろう。
目と口の形にくり抜いて、
ろうそくをともそう。
部屋を暗くする。
あたたかな火が
静かにゆれているよ。
優しいかぼちゃが
笑っているよ。
「カボチャの気まぐれ」
左手にランタン。
右手にお菓子のかご。
トリックオアトリート。
大人にはいたずらを。
少年少女にはお菓子を。
優しいカボチャの、
一夜の気まぐれ。
大人にはいたずらを。
少年少女にはお菓子を。
彷徨う者には、
ランタンの灯りを。
五つ目の詩は、同日投稿の短編小説を意識。
興味がおありでしたら、どうぞ。
『彷徨うカボチャ~少女とロリポップ~』
https://ncode.syosetu.com/n9232ei/




