命の終わり
「繰り返される会話:死について」
1:死ぬのは嫌だ
2:なぜ、嫌なの?
1:死は終わりだからだ
2:終わりは嫌なもの?
1:続いてきたものが終わってしまう瞬間は、悲しいものだ
2:つまり、愛着や情が湧くから死ぬのは嫌?
1:そうだ
2:じゃあ、それらがなければ?
1:嫌では…ないかもしれない
2:生きたいと思うのはなぜ?
1:生きている時に満たされるからだ
2:死では、満たされない?
1:満たされない
2:満たされるとしたら?
1:え?
2:死ぬことで満たされるとしたら?
1:死を…選ぶかもしれない
けど、それは矛盾している
2:どこが矛盾している?
1:生命体は死を選ばない
生まれながらに死を望むものはいないはずだ
2:つまり、生きていく過程で死を選ぶものが出る、と?
1:そうだ
2:人は自らを殺すことができる
1:…そうだ
2:今度はあなたが矛盾している
生命体は死を選ばないのでは?
1:そうだ
しかしそれは人だけだ
人だけが、自らを殺す
2:あなたは、死ぬのは嫌?
「かつて虫だった人」
前世は虫だった
巣に水を流され、多くの同胞と共に命を散らされた
今世は人だった
巣に水を流す人の気持ちを知りたくて、人に聞いたら殴り殺された
来世は虫かもしれない
人の気持ちが分からなかったから




