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魚の小骨
「魚の小骨」
のどをひっかく、魚の小骨。
煮物になった、魚の小骨。
箸でのぞかれることもなく、
あなたは私の口の中に、
するりと入ってしまったよ。
少しだけ、
私ののどをひっかいた後、
胃の中でとけてしまうのでしょう。
海で泳いでいたころを、
思い出させる小骨のひっかき。
仄かに残るのどの痛みに、
小さな命の鼓動を知る。
「一本、また一本:おさかな編」
おはしで一本、また一本。
さかなのこぼねは
とるのがメンドウ。
おはしで一本、また一本。
けれどとらずに
のこすのはイヤ。
おはしで一本、また一本。
だってとらずにのこしておくと、
のどにつまってイタイんだもの。
おはしで一本、また一本。
一本一本、また一本。
お察しの通り、夕飯は魚でした。




