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一人、桜の下で
以前、言っていたように春に関することとして、
桜を題材に書きました。
「桜の木の、その下に」は今年の三月四日に書いたもの、「満開の、桜の下で」は書下ろしです。
「桜の木の、その下に」
桜の木の、その下に
骨が埋まっているという。
スコップもって掘っていき、
でてきたものは
小さな宝石。
太陽すかして見てみれば
ぱちりと目玉が瞬きしたよ。
桜の花びらおちてくるから
見せてあげると声がきこえた。
桜の木の、その下に
骨が埋まっているという。
私もいつかなれるかな。
光りかがやくキレイな宝石。
「満開の、桜の下で」
桜の木の下で
僕は百円硬貨を見つめた。
表面に刻まれた花の名は桜。
美しい花だ。そして儚い花だ。
彼らは美しいがゆえに
弱いところが多い。
傷つくと、そこから腐りやすくなる。
まるで人間みたいだ。
だから美しい人は、
もろいのだろう。
傷つくのだろう。
変わるのだろう。
堕ちるのだろう。
歌人が残した日本の歌。
そこに出てくる桜たちは、
儚く、潔い。
満開の木の下で、一人思う。
この美しい桜のことを。
時間の許す限り、ずっと。




