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糸につないだ人形の独白
「装う」
言葉で
武装している。
ガチガチに
隙間なく。
でも、それは私の主観であって、
他のひとから見たら、
スカスカなのかもしれない。
拒絶されるのがこわくて、
拒絶した。
受け入れられるのがこわくて、
受け入れたふりをした。
「誰かのおしえについて:今思うこと」
その先には
必ず希望があると、
光りかがやく未来があると、
ずっとそう
教えられてきた。
ずっとそう
思ってきた。
だから、
悲しみに、
耐えきれなかった。
「本当」が何かを、
私は知らずに過ごしてきた。
だから、「本当」に
耐えきれなかった。
縋りつくもの、
私が縋りつきたいと思っているものの、
そこにある価値を
私は信じられずにいる。
信じようと思う私もいる。
どちらも私なのだけど、
その違いに、
その落差に、
戸惑う。