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忘去の瓶底
「大丈夫」
その言葉にどれほどの
真実をまぜこんだのか。
もはや忘れてしまった。
朝もやはめぐる。
意味もなく、
途方にくれたまま。
母をさがして、手を彷徨わせ、
大声で泣く、赤子のように。
「怪物を生みだした者」
一本線に
ぐちゃぐちゃを足して、
少しも理解できない
怪物を生みだす。
こいつは
何のために
生みだされたの?
そして、
理解されない怪物は
人知れず
消される。
他の誰でもない、
生みだした者、
それ自身の手によって。
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この前、草野心平さんの「冬眠」って詩を読みました。




