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ピカピカの一年生初めてのチャレンジ!

お読みいただきありがとうございます。

「小説家になろう【春のチャレンジ2025】」

参加作品(短編小説)です。

真斗(まなと)くんは、この春小学校に

入学したばかりの元気な男の子。

家族はお父さん、お母さんそして、真斗(まなと)くんの三人です。


ピカピカのランドセルを背負って、

お友達や六年生のお兄さん、お姉さんと

一緒に毎日元気に登校しています。


学校から帰ると、自分から進んでお手伝い。

洗濯物を畳んだり、

みんなのお茶碗とお箸を準備したり…

お母さんは、大助かり!

夕食を食べながら学校であった事を、

お父さんとお母さんに話すのが、

最近の真斗(まなと)くんの日課。


そんなある日の夕食後…


いつものように


「ごちそうさまでした!」


と言ってみんなの食べ終わった食器を、

お母さんに渡していました。

すると、真斗(まなと)くんはお父さんに

呼ばれました


「お父さん、どうしたの?」


「いつもお父さん、お母さんの

お手伝いをしてくれて真斗(まなと)は偉いな」


「そう?」


真斗(まなと)くんは、少し照れています。


真斗(まなと)も1年生になったし、

今日からお小遣いをあげよう」


「お小遣い?」


「お父さん、お母さんのお手伝いが

きちんと出来たら、

お父さんが真斗(まなと)にお金をあげるよ。

一回のお手伝いで十円。

何にでも自由に自分の好きな事に

使って良いんだよ。

今日は学校から帰って来て、

三回お手伝いしてくれたってお母さんから

聞いたから、三十円。

これは、今日のお小遣いだよ」


初めてのお小遣い。


「お父さん、ありがとう!」


真斗(まなと)くんは、とっても嬉しそうです。


「頑張ったら、スーパーで好きなお菓子が

買えるわね」


お母さんも、にっこり笑顔。



− 一週間後−



真斗(まなと)くんは、お母さんと一緒に

スーパーに買い物に来ていました。

大好きなお菓子売り場の前を通った時、


「どのお菓子にする?」


お母さんが尋ねると…


「うーん」


小さなお財布を手にした真斗(まなと)くんは、

しばらく考えて…


「やっぱり、今日は買わない」


「えっ、本当に良いの?」


「うん。お母さん早く行こう」


その日から何度スーパーに行っても、

お菓子を買わない真斗(まなと)くん。

一週間…二週間どんどん日にちは過ぎていきます。

しっかりとお手伝いはしてくれているのに…

少し、気になるお父さんとお母さん。



−ある日の夜−



一緒にお風呂に入っている時、

お父さんは真斗(まなと)くんに聞いてみました。


真斗(まなと)、毎日お手伝いをしていて

本当に賢い。良く頑張ってるね。

欲しいものは買えたかな?」


「まだ、だよ」


「何が欲しいの?」


「うーん。今は…まだ、ないんだ」


「そうか…」


結局、お父さんとお母さんも

詳しい理由が分からないまま

日にちはさらに過ぎて…



−数日後−



今日は土曜日。家族でお出かけ。

おばあちゃんのお誕生日で、

プレゼントとケーキを買いに

朝からショッピングモールヘ。

色々、考えて三人でプレゼントを選び、

お昼は、手巻き寿司に決定!

お母さんは、食材を買いに食品売り場へ。

お父さんと真斗まなとくんは、

ケーキを買いに行く事に…


お父さんがケーキの注文をしていると…

真斗まなとくんが言いました。


「お父さん、ちょっとだけ…ここで待ってて。

すぐ、帰って来るから…」


「良いよ。この近くなら…

でも、あんまり遠くに行くのは駄目だよ」


「分かった!」


しばらくして、支払いを済ませて

ケーキを受け取ったお父さんが探そうとすると…

元気に走って来る真斗まなとくんを発見!


「お帰り!」


「ただいま!お父さん、早く行こう!」


「了解!」


お母さんと合流したお父さんと

真斗まなとくんは,、

忘れ物がないかしっかりチェック!


「おばあちゃんへのプレゼントとケーキ

準備は…バッチリ!」


三人で駐車場ヘ向かおうとすると…お父さんが


「お手洗いに行きたくなったから…

先に行ってて」


お母さんと真斗まなとくんは,

先に駐車場ヘ向かう事にしました。

買った商品を車の中に入れて、

二人で待っていると…

お父さんが帰って来ました。

後ろのトランクをしっかり確認して運転席ヘ。

もうすぐお昼なので、急いで

おじいちゃん、おばあちゃんの家に

向かいました。


「おじいちゃん、おばあちゃんこんにちは!」


「こんにちは。真斗まなとくん良く来たね。

早くお入り」


おじいちゃんとおばあちゃんが

優しく出迎えてくれました。


「ありがとう!」


お父さんとお母さんも挨拶をして、

三人で家の中に入りました。


「台所をお借りしても良いですか?」


お母さんが尋ねると…

「ええ、もちろんどうぞ」


おばあちゃんが優しく返事をしてくれました。


「僕も、お手伝いする!」


お母さんもおばあちゃんも嬉しそうです。

みんなのお皿とお箸を並べる

真斗まなとくんの姿を見て、

おじいちゃんが言いました。


真斗まなとくんは、毎日お父さんと

お母さんのお手伝いをしているって聞いたよ。

偉いね」


「えへへ」


やっぱり、ちょっと恥ずかしそうな

真斗まなとくん。

ちょうどお昼になったので、家族みんなで

手を合わせて…


「いただきます!」


おじいちゃんおばあちゃんと一緒に五人で

手巻き寿司!

パクパクっと美味しいお寿司は…みんなの

お口の中へ。

そして、ご飯の後は…もちろん、ケーキで

お祝い!


真斗まなと、ちょっと」


真斗まなとくんを呼ぶお父さん。


「何?」


真斗まなとくんがお父さんの近くに行くと…

お父さんは、真斗まなとくんの耳元で

何か話しています。

すると、二人は隣の部屋へ。

間もなく…


「せーの!」


ニ人の声が聞こえます。

部屋から出て来たニ人の手には大きな箱が…

お父さんは、おばあちゃんの前にそして…

真斗まなとくんは、お母さんの前に箱を置きました。

おばあちゃんとお母さんはびっくりしています。


「開けてみて!」


真斗まなとくんとお父さんに声かけされて

箱を開けるおばあちゃんとお母さん。

中からそれぞれ美味しそうなケーキが…

どちらのケーキにも仲良く

【お母さんお誕生日&母の日おめでとう!】の文字。

おばあちゃんとお母さんの誕生日は一日違い。

さらに母の日もある…おめでとうがいっぱいの五月です。


今日はみんな揃って盛大なパーティー!

すると…再び、隣の部屋に行くお父さんに


「僕も!」


とお父さんを追いかける真斗まなとくん。

戻って来たお父さんは、


「誕生日そして、母の日おめでとう!」


と言って、おばあちゃんに大きな紙袋を渡しました。


「ありがとう!」


「おばあちゃんのプレゼントはね。

僕とお母さんも一緒に選んだんだよ」


「あらあら、みんなで一緒に?開けても良いかい?」


にこにこしながらプレゼントを開けると…


「まぁ、綺麗な薄紫色の洋服とカーディガン!

大好きな色だよ。三人とも本当にありがとう!」

とっても嬉しそうなおばあちゃん。


「それじゃあ…」


おじいちゃんからもおばあちゃんに

紫色の万年筆のプレゼント。


「嬉しいわ。みんな本当にありがとう!」


すると、続けて…


「お誕生日おめでとう!」


お父さんは、お母さんにもプレゼントを渡しました。

お母さんは、びっくり!

お父さんからアクセサリーのプレゼント!


「これは、私たちから…」


おじいちゃん、おばあちゃんからも

お母さんに日傘と帽子のプレゼント。


「みんな…」


お母さんがお礼を言おうとすると…


「あーお母さん、待って待って〜」


真斗まなとくんは、お手紙を渡しました。


「あら、ありがとう!」


にっこりとほほえむお母さん。


「あと、これも…

お母さんお誕生日と母の日おめでとう!」


と言って、小さな袋を渡しました。


「えっ、お母さんに?」


「うん!」


これには、みんなもびっくり!


「開けてみても良い?」


「良いよ」


中に入っていたのは淡いグリーンの小さなポーチ。


「お母さんの大好きな色…」


「お母さん、嬉しい?」


「ええ、本当に嬉しいわ…」


お母さんは、泣いています。


真斗まなともしかして…

お手伝いを頑張っていたのに

ずっと、お菓子を買わなかったのは…」


「えへへ。

僕もお母さんに何かプレゼントしたかったんだ。

でも、なかなか決まらなくて…

今日やっと見つけたんだ!間に合って良かった!」


真斗まなとありがとう!お母さん大切に使うね」


「やった〜!」


お父さん、おじいちゃんおばあちゃんも大感激。

お母さんは早速、お気に入りの口紅を

ポーチに入れました。

真斗まなとくんは、大好きなお母さんの笑顔を見て…

大満足!

それから一緒に美味しくケーキを食べました。


お家に帰ってからも、寝る時間になるまで…

ずっと笑顔。

みんなにとって忘れられない…

とっても素敵な日になりました。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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