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15:二人の先達④


 朝から夕方まではレオノルドの訓練。夜はカルヴィトゥ―レの講義。

 二人の先達から教わる生活を始めて、半月と少しが経った。「夏のみつ月」の中旬である。

 ハヤトとリッツは今日も打ち合いに励んでいた。しかしここ二、三日はリッツが大いに負け越している。


 ハヤトが持つのは斧。リッツが持つのは短身剣と盾である。

 普通は射程が長い剣を持ち、さらに盾まで持つリッツが有利だ。しかし「彼」は違う。


 ハヤトは右手で斧を構え、リッツに向かって一直線に走る。

 リッツは左腕で盾を前に突き出しつつ、右手は短身剣を短く持って胸の高さで前へ構える。盾の裏に隠すことで、動きが予測されないようにする動きだ。

 正面に向かったハヤトはリッツの眼前で、腰を落としながら右足を踏み込む。そこにすかさず、リッツは盾を突き出したまま一歩踏み込んだ。ハヤトの視界を奪ったまま「一手」を先制したのだ。


 ただし盾は相手にとってそうであるように、自分にとっても視界を狭める壁となる。


 ハヤトは腰を落としながら、斧を左下で構えていた。そして右足を僅かに引きながら衝突しつつあった盾から距離を取ると、斧を上へ振り抜いて盾を持ち上げた。

 リッツの視界の左半分は盾によって塞がれている。しかし近距離。このままさらに踏み込めば、短身剣の刺突が十分に届く距離だ。

 それを狙っていたリッツはさらに踏み込もうとして、気が付く。


 ハヤトが、盾の下からこちらを覗いていることに。


 短身剣を構える胸の位置。そこより下の腰。そこにハヤトは左肩から衝突した。


「だッ?!」


 右腕はハヤトの背中にぴったりと添っていて動かせない。盾は持ち上げられた勢いに重量が乗ってしまい、すぐには戻せない。

 そのまま為す術なく地面に背中を打ち付けたリッツは、ハヤトに右腕を抑え込まれつつ、斧の刃先に喉仏を捉えられた。


「そこまでッ!」


 レオノルドの号令で、ハヤトの瞳に光が戻る。


「テメェはまだ読みが甘いッ!一撃で当たり、二撃で崩し、三撃で仕留める!人殺しに近道はねぇ!テメェは腕立て伏せを百回やって、次の戦術でも考えてろッ!」

「はっ、はいッ!!」


 ついさっきまで自分が転がっていた硬い土の上で、今日もリッツは進捗を数えながらの腕立て伏せに励んでいる。


「小僧。最近なかなか調子いいじゃねえか。」

「レオノルド教官のご指導あってのものです。」


 それは嘘でもおべんちゃらでもない。半月ほどの訓練によってハヤトの体には頑強な筋肉が張り巡らされ、過酷な運動を繰り返したことで持久力も大幅に増強された。

 持久力の増強は集中力の維持に繋がり、相手の動き、自身の動きをよく把握できるようになる。筋力の強化は機敏さが増すだけでなく、純粋な力での押し合いも優位になる。それに多少の無茶は筋肉で押し通せるものだ。


「盾が視界を塞ぐのは使う側も同じだと、カルヴィトゥーレさんから教わっていました。」

「ほーう。カールの講義も案外役に立つみてェだなあ!」


 ガハガハと大笑いするレオノルドの前で、ハヤトは自分の手のひらを見つめていた。

 厚い皮が節のように覆いつつある手のひらで、自分は木製の斧を握っている。


 力が、付きつつある。

 だがもっと、力を得なければ。


 そう思っていたところに、訪ねてくる人物があった。


「おうい、新人!」


 柵の近くから手を振る男がいる。

 よくよく見てみてもあまり見覚えがないが……いや、とハヤトは何か思い出したように男に駆け寄った。


「もしかして、前に色々と教えてくれた……。」

「おっ、覚えてたか!へへへっ、嬉しいねえ!」


 そう。キツイ体臭が特徴の、説明口調の先輩傭兵である。あの時のように生き生きとした顔をしている彼だが、いったいどのような理由でここにいるのだろうか。


「俺に用ですか?」

「ああ。新人に、ちょっと『お話』があってな……へっへっへ。」


 口数が多い傭兵はレオノルドに会釈してから、ハヤトの肩を攫った。


「実はよ、オレが入ってる『黒曜の骸骨』っつうチームで、大口の盗賊討伐の依頼をやろうっつう話が出てんだ。けどちぃっとばかし人数が足りねえってこって、知り合いに声かけて人員増強中なのよ。」

「それで俺に?」

「おう。オメェ、ギルドに登録だけしてちっとも仕事してねぇだろ?先輩として、オメェの名を売る手伝いをしてやろうって思ったわけ。」


 口数が多い傭兵は生き生きとした明るい笑顔だったが、ふと申し訳なさげに眉を寄せる。


「まあ新人じゃあ、分け前は少なくなっちまうだろうけどさ。オレの顔を立てると思って、ここは一つ!なんとか頼む!」


 彼も所属している「チーム」とやらに貢献することで、内部での地位を高めたいのだろう。

 またハヤトは、彼の提案に悪い印象は抱いていなかった。盗賊討伐は対人の実戦経験を積むいい機会となる。ハアースを脅かしているというのならば、なおのこと都合が良い。

 組織がある、ということは先達とも多く出会えるはず。傭兵の一般的な仕事の手順を間近で学ぶ機会にもなるだろう。


 まあ確かに、都合がよすぎる感は否めない。そこはレオノルドや、「鉄の鎖」のギルドマスターであるカルヴィトゥーレと相談すればいいだろう。


「とりあえず話を聞いて、それから決めてもいいですか。」

「ああ!それだけでもホンットに助かる!そんでできりゃあ、参加してくれっとオレもチームもマジで助かる!」


 口数が多い傭兵は心底安心したと言わんばかりに、隙間が目立つ歯を見せて笑っている。


「んじゃあ今日の夜、ギルドのすぐ近くの酒場で集まりがあっからよ!来てくれな!」

「今日の夜ですね。わかりました。」


 口数が多い傭兵はハヤトの手を握って何度も頭を下げると、どこかへ走り去っていった。別の知り合いの傭兵に声かけをしにいったのだろうか。

 とにかく、今日の夜はカルヴィトゥーレのところには長くいられなさそうである。


「何の用だったんだ?」


 戻ってきたハヤトに、リッツの横で高速腕立て伏せをしていたレオノルドが訊ねる。


「盗賊討伐する人手が足りないとかで、俺にも話が回ってきた感じです。」

「やんのかッ?!」


 高速腕立て伏せをしていたはずなのに高速で眼前に迫ってきたレオノルドに気圧されつつ、ハヤトは喉奥で唸る。


「前向きに検討、って感じですね。」

「バッカ野郎ッ!男なら即断即決だッ!」

「でも生死に関わるんで……。」


 ハヤトがそう返すと、レオノルドの体から発せられていた熱が引く。凪いだ海のように穏やかな表情を見せながら。


「小僧。生死に関わる選択と、生死に関わらねェ選択。どっちが多いと思う。」


 日常生活から、人間は多くのことを選択している。何を食べようだとか、どこへ行こうだとか、誰と会おうだとか。とにかく色々なことを。


 ハアースで過ごした半月強の間はひたすら訓練と勉強の日々で、選択する機会そのものが少なかった。しかし代わりにリッツとの打ち合いで数々の選択を経験している。自分が躱したり、受けてしまったりしたあらゆる攻撃に対して「選択」したと捉えれば、生死に関わる選択が多かったと言えるかもしれない。


 ただ、日本ではもっぱら、生死に関わらない選択が多かった。どのアニメを観ようだとか、どのゲームをしようだとか。ゲームに限ればさらに、あるいはどんな縛りでゲームをしようだとか、どのキャラクターを使おうといった選択肢が増える。

 生死に関わる選択と、生死に関わらない選択。

 あくまで経験と感覚に則って言えば、後者の方が多いとハヤトは感じた。


「生死に関わらない選択、ですかね。」

「小賢しいテメェなら、そうだろうな。」


 レオノルドは立派に蓄えられた髭を揉みしだきながら、目を細める。


「だがな小僧。テメェが『生死に関わらねェ』と思ったその選択が、実は生死に関わる選択だったとしたらどうする。」


 ハヤトはしばらく、彼が言った言葉の意味が理解できなかった。

 生死に関わらないと感じた選択が、生死に関わる選択だったとしたら。どのゲームをやるかで実は、自分の生死が左右されていた、ということだろうか。いやいやまさか、そのようなはずはないだろう。


「そんなはずねェって顔してんな。けどよテメェ、今日着る服の模様で生き死にが決まるって誰がわかんだよ。今日食う飯が魚か肉かで生き死にが決まるって誰がわかんだ。」


 今日着る服の模様。今日食べる食事の献立。その選択が、自身の生死を左右するだと?


 食事は毒だとか寄生虫だとかによって生死に関わることは理解できるが、服の模様によって人が死ぬとは到底思えない。いつも声が大きいレオノルドだが、今回ばかりはさすがに誇張しすぎているのではなかろうか。

 そのように言おうとしたハヤトの目を、レオノルドは猛獣のような眼光で貫いた。


「テメェに一番足りてねェのはな、想像力だよ。小賢しく頭使うのは得意みてェだが、小賢しく考えることにしか頭を使ってねェから、物事の『裏』っつうのがまるっきり見えてねェ。そんなんだと、すぐにでも足元掬われっちまうぞ、小僧。」


 物事の「裏」を見る、想像力。

 服の模様が生死に関わると、想像すること。

 プレイするゲームが生死に関わると、想像すること。

 「ありえない」と感じたことからこそ「裏」を読み取ること。


 要するにこの熊のように大きな筋肉ダルマは、このように言いたいのだろう。


「先入観を捨てろ、ってことですか。」

「それみろ!小賢しく考えるのだけはいっちょ前だなァ!」


 ガハガハと笑っているが、いつものような気楽な笑いではない。どちらかと言えば侮蔑するような、あるいは嘲笑するような類の笑い……のようにハヤトは感じた。


「いいか小僧。生死に関わらねェ選択なんてのは存在しねェ。身の回りにある全ての物がテメェを殺しに来てると思え。実際はそうでなくっても、そうだと仮定しろ。」


 生死に関わる選択と、生死に関わらない選択。

 そもそも、そのように分類すること自体がナンセンスだったのだ。

 日本ではそうではないとしても。少なくともこの世界にいる間は、何事も「生死に関わる」と捉えなければならない。


「まぁた小賢しく考え込んでるテメェに言っておく。選択は間違うもんだ。だが重要なのは、間違えた後にどうするかだ。最初の打ち合いの時、テメェが死に物狂いで突っ込んでったみてェによう。」


 そこまで聞いてハヤトはようやく、ああ、と胸の奥に何かがぴったりと嵌ったような感覚を覚えた。

 リッツに挑んだ初めての打ち合いの後。レオノルドはとても機嫌がよさそうに評価を下してくれていた。成功を目指した果ての失敗を、さらなる成功によって覆した姿を。


 そしてルイスから不意打ちを受けた時に感じた、体が勝手に動いたような感覚。あれは普段頭で考えて下す判断とは異なるモノ。より本能的で、瞬間的な判断だったように思う。


 物事の「裏」。それを本能的、瞬間的に判断して、「一手」を選択する。それが一発正解ではなかったとしても、立て続けに次の「一手」を選択し、ただ一つの正解へ詰め寄る。

 一撃で当たり、二撃で崩し、三撃で仕留める。人殺しに、近道はない。

 それが彼の言う「頭を使う」ということなのだ。


「ま、テメェはそうやって小賢しく考えるのが得意みてェだからな。それはオレができねェことだ。ただ、そうするべき時とそうするべきじゃねェ時だけは間違えんじゃねェぞ。」

「わかりました。教官。」


 小賢しく考える時と、本能的に動く時。頭の使い方を的確に切り替える。

 これは、自分の武器になりうるだろうか。


「で、やんのか。やらねェのか。」


 ただ、レオノルドが何を指して問いかけているのかは、本能的に理解できた。


「やります。」


 光のない瞳で答えたハヤトに、レオノルドは大きな口をニッカリと湾曲させた。


「それでいい。」





 夕方の訓練終わりの食事は断って、宿屋の水浴び場で汗を流してからカルヴィトゥーレの待つ部屋に向かう。


「失礼します。」


 ノックしてから部屋に入ると、カルヴィトゥーレは書斎机に硝子瓶を並べているところだった。


「やあ、ハヤトくん。今日は少し早いね。」

「すみません。邪魔しちゃいましたか。」


 いやいや、とカルヴィトゥーレはかぶりを振り、硝子瓶の横に銀色の杯を置く。


「少し飲もうと思ってね。どれにしようか選んでいただけだから。」


 ハヤトは書斎机の上に並べられた硝子瓶を見遣る。

 茶色や緑色でくすんでいる瓶の中には液体が溜まっている。いつも酒場で飲んでいる、一杯銅貨数枚のエールと比べて、明らかに上質そうな見た目をしている。


「ハヤトくんの故郷では、酒は二十歳になってからでないと飲んではいけないんだったかな。」

「はい。あと許可をもらっていない人が勝手に作るのもダメです。」

「水分補給のために酒を飲まない世界もあるとはね。想像しがたいが。」


 数日前に日本での酒の扱いについてカルヴィトゥーレに話した時も、彼は同じようなことを言っていた。この世界では本当に、アルコールは水分補給のための飲料と捉えられているようだった。


「まあ、この世界にも嗜好のための酒はある。例えばこれは、私の個人的な所蔵品(コレクション)で最も高価な酒の一つだ。」


 カルヴィトゥーレはそう言って、暗調の木材の戸棚から一本の瓶を取り出した。


「これは『レイスの樽蔵』で作られたエールだ。飲んでみるといい。」

「でも、高価なんじゃ……。」


 と言おうとしているハヤトを横目に、カルヴィトゥーレは栓を開けて、どこからか追加した杯に注いでしまっている。なぜか、とても愉快そうに微笑みながら。


「さあ、乾杯だ。」


 訳が分からないといったままハヤトが受け取った杯が、もう一つの杯と、かつん、という甲高い音を奏でた。

 杯には深みのある茶色の液体がゆらゆらと揺れていて、かぐわしい匂いを漂わせている。ハヤトは杯を少し傾けて、口をつけた。


 口と鼻いっぱいに広がる香ばしい麦の匂いと、何かが由来の瑞々しい甘み。そこに苦味がカラリと効いていて、味全体を引き締めている。いつも酒場で口にする、ただ苦いだけのエールとはまったく違っていた。


「すごく美味しいと、思います。」

「そうかい。口に合ったようでなによりだよ。」


 ハヤトのだとだとしい評価でも、カルヴィトゥーレにしてみると自慢のコレクションが褒められただけで十分のようだった。


「さて。このエールを作ったのは『レイスの樽蔵』という酒造所だということはもう言ったが、ここは王国において高い権威を持つ『五本薔薇』の一角に数えられる施設だ。」

「五本薔薇?」


 エールをもう一口仰ぎながら、ハヤトは言葉を繰り返す。


「ああ。ローゼイ家の家紋であるバラの花は、王の威光の下にあることを示すために度々用いられてきた。その中でも『赤薔薇黄地白斜十字』という旗を与えられた施設が、総称してそのように呼ばれている。」


 五本薔薇。フロリアーレ王国において高い権威を誇る、五つの重要な施設や組織である。

 その筆頭は、クリオが学んでいたと語った「オグマンド王立学園」。ローゼイ朝の三代国王オグマンドが創立した教育機関である。貴賤を問わずあらゆる出自の者が学ぶ、大陸随一の教育機関だそうだ。


 次に数えられるのは「ネイル工房」。大陸戦争時に活躍した鎧細工師ネイル・ガビンがルーツになっている工房で、金属加工を得意とする技術者集団である。現在はアプリー公爵領に本工房がある。


 「ワルレイの地下書庫」。およそ二百年前に建築された巨大な地下施設だ。不世出の剣豪であり、書籍収集家・読書家でもあった騎士ワルレイ・オーラ・モンカソーが建てたとされている。


 「オベール要塞」もまた五本薔薇の一角を成す。旧王朝時代のローゼイ家当主、オベール・フラ・ローゼイが設計して建てさせた、生涯無敗の要塞群である。特徴的な黒い石材が使われていることから「黒袖の乙女」と呼ばれているらしい。


 そして「レイスの樽蔵」。王国の穀物庫と呼ばれるオナー地方東部の氾濫原地帯にあり、いくつかの大麦農家が資産を出し合って開かれたのだとか。酒好きの七代国王ロイスタールに「エールはレイスに限る」と言わしめ、バラを下賜されたという。


「五本薔薇はどこも知名度が非常に高い。憶えておいて損は無いだろう。」

「わかりました。」


 敷居の高そうな施設ばかりだが、いつか一か所くらいは行ってみたいものだ。

 まだ見ぬ場所に思いを馳せつつ、ハヤトは杯に残った最後の一口を喉の奥に通した。


「気に入ったかい?」


 いつになく機嫌が良さそうなカルヴィトゥーレはまだまだ注ごうとしてくるが、これ以上長居をすると約束に遅れてしまう。


「すみません。この後、行かないといけないところがあって。」

「おやおや。逢瀬(デート)でもするのかな。」


 そうならばどれだけよかったか。しかしこれから行くところは、おそらく汗と酒の匂いで咽かえりそうになっているに違いない。


「実は『黒曜の髑髏』っていうチームの人から、仕事に誘われていて。」

「ほう。彼らから……。」


 話を聞きに行く前にギルドマスターから彼らの情報を聞いておくべきだろう。そう判断したハヤトは、杯を丈長の衣の袖で拭きながら訊ねる。


「『黒曜の髑髏』ってどういう人たちなんですか?」


 カルヴィトゥーレは継ぎ足したエールを転がす。


「三年前にレイバルという傭兵が結成して率いているチームだ。今では実力者も何人か所属していて、かなり規模が大きくなったと聞いている。」

「レイバルさん、ですか。」

「ああ。役割の振り分けや報酬の分配が公平で、『公平な(the Fair)レイバル』なんて呼ぶ傭兵が多いとか。」


 自ら結成したチームのリーダーを務め、役割分担も報酬の分配も公平。初めて一緒に仕事をする相手としては、それなりに好印象な気がする。


「他の実力者って、どんな人なんですか。」

「キスクという中堅の傭兵が今も所属していたはずだ。情報収集に長けている傭兵で、ウチでは『|矢反らし《the Kick Back》のキック』という異名で知られている。その他の出入りはどうだったかな……。」


 情報収集を得意とする中堅の傭兵。なぜだかとても頼りになりそうだ。

 他にはどんな傭兵がいるのだろうと聞き出そうとした、その時。カルヴィトゥーレは何かを思い出しながら付け加えた。


「確か、去年からウチで活動している__」

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