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24話:天使とダンジョンまで道のり

 翌朝、俺達は見捨てられた森の入口まで再び来ていた。

 この森の最奥、実際はほぼ中心地になる場所にあるダンジョンを攻略し、反魂のスクロールを手に入れるのが今回の目的だ。


 パーティーメンバーは四人で、レベルで言えば釣り合ってはいないのだが、ギルドの冒険者でここに挑めるとなれば俺達四人になってしまうのでしょうがない。


「じゃあいくぞ、ダンジョンの場所は大体ビクティさんに聞いてある」


 立ち止まっていた中、アギトが最初に森に入り、続くようにシャルル、カレン、そして俺が森の中に入っていった。


「見捨てられた森は奥に進めば進むほどモンスターが強くなる。まだ俺達でも相手にできるやつしかいないが、ある程度進んだらモンスターは回避してダンジョンを目指すぞ」


「そのダンジョンに反魂のスクロールがあるんですね」


「そうだ、反魂のスクロールはダンジョン同様に過去の遺物。魂を二つに分けて片方を取り出す、神の力と言ってもいい代物だそうだ」


 ゲームとだいぶ扱いが違うな。

 あっちじゃ反魂のスクロールはクエストが終わってしまえば武器にアンデット系モンスターへの特攻効果を付与する程度のアイテムだった。

 この世界じゃクエストに付随していたストーリーと同じ力があるみたいだ。


「ギルドであらかたダンジョンの情報を調べたが、一層より先の情報はなかった。ありとあらゆる過去の冒険者が挑んでは敗れていったって感じだろう」


「じゃあダンジョンが何層あるかもわからないのかい?」


「そうだ、もし一層を攻略できたとしてもその先どれだけ長いのかもわからない。念の為食料も持ってきてはいるが、数日分だな」


 ゲームのダンジョンは四層で構成されていて、四層目のボスを倒せばアイテムが手に入るはずだった、内容が同じなら食料が必要なほど長くはかからないだろう。

 もし同じならゲームで攻略済みの俺はギミックも知ってはいるし、どちらかというと問題はダンジョンの難易度だな。

 内容がすべて同じなら今のパーティだとボスモンスターとのレベル差が大きい。


「どれだけ時間がかかってもいい、俺は必ずエナさんを助ける……!」


 最も気持ちが強いシャルルが呟く。

 俺も正面から助けてと言われたんだから弱気にはなれないな、必ずダンジョンを制覇してエナを救わないと。


 全員で森を進み続けていると、魔猪討伐に来たときよりも小さな川が流れる場所に出た。

 アギトによれば現在位置からダンジョンまでは直線で一時間ぐらいあるらしく、道のりはまだまだ遠い。


 それにこのあたりからモンスターのレベルも今までとは比べ物にならないほど上がるはずだ。

 モンスターは避けて進むつもりだから、時間はさらにかかるだろう。


 ――ガササッ


 奥の草むらで音がなり、すぐさま全員が戦闘態勢に入った。


「……来るぞっ!」


 草むらから飛び出してきたのはジャガーラットと呼ばれるモンスター。鋭い牙を持ち、体からは毛が生えていない巨大なハダカデバネズミのような姿をしている。


「きゃあっ!?」


 反応できなかったカレンを隣にいた俺が抱えて飛び、後ろに回ったジャガーラットをアギトとシャルルが左右に囲む。


「"ダーカーソウル・ネット"――アギト、やれ!」


 シャルルの杖から放たれた漆黒の網がジャガーラットを包み、身動きが出来なくなったところでアギトが剣を振り下ろして網ごと首に一撃入れるが、途中で剣が止まり暴れだしたジャガーラットが網から抜け出してしまい木を登って頭上から俺の方を襲ってきた。


「"ダーカーソウル・ブラスト"!」


「ギアオオッ!」


「"サイクロンソード"」


 寸前でシャルルの放つ魔法がジャガーラットを吹き飛ばすし後ろに回って構えていたアギトが剣に風をまとわせて斬りつけるが、ジャガーラットは尻尾を犠牲にして避ける。

 なるほど……レベルが高くなると行動自体がかなり強くなるのか、ゲームよりも厄介だな。


「グルルッ――」


「"光円"、"ツインマジック"」


 護符に保存した光属性切断系魔法を速攻魔法で二つに増やし、アギトに気を取られているジャガーラットに向けて飛ばし体を二つに切り離した。

 やっぱり一対一なら俺の魔法だけで倒せる、というかレベル的に考えれば相手にならない。


 ジャガーラットが死んだことを確認して、武器を収めた二人が俺とカレンの近くまでくる。


「シト、助かった」


「すいません、ありがとうございます」


「問題ないよ、それにしてもアギトとシャルルは元パーティーだけあって息が合うね」


「そのことは話してないはずだが……シャルルに聞いたのか」


「そうだよ、シャルルも助けてくれてありがとね」


「気にするな、シトもカレンを助けただろう。パーティーの仲間を助けるのは当たり前だ」


「ふふ、シャルルは優しいね!」


 シャルルに近づくと、まだ緊張しているのか顔を背けて目を逸らされる。

 いろいろあって約束していた女性への苦手意識の改善はほとんどできてないし、戦闘中は問題ないが落ち着くとやっぱりシャルルはまだ緊張してしまうようだ。

 エナの前では普通に喋れていたあたり、あの人は特別なんだろう。


「とりあえず早いところここから移動するぞ。水場はやはりモンスターに遭遇する確率が高いから少し遠回りをする」


「まあしょうがないね、あんなのといちいち戦ってたらきりがないよ」


 俺が一撃で倒せたとしても俺の手が届かない時に別のモンスターが現れたりしたら、アギトたちが危ないことがわかったからな。時間がかかってもモンスターと遭遇しないルートを選ぶのが最適だ。


 ジャガーラットの素材は荷物になるから回収はせずアギトの先導の元、道を変えて水場やモンスターの巣がない場所を選び進み続け――予定より時間がかかったがダンジョンへとたどり着いた。

20時にもう1話投稿されます。

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