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異世界シネマ  作者: 甘党総督
6/6

閑話  イマ視点

「あーーー腹立つなぁーー」



ここはレムリア王国王都。夕暮れ時の王都をトボトボと歩く一人の少女、彼女の名前は" イマ "現在家出中である、といっても今日の昼過ぎからなのだが。



「もーなんでお父さんもお母さんも分かってくれないの!しかも私のこと子供だと思ってちゃんと話聞いてくれないし!」


「うーん…でもこれからどうしよう……何も持たずに飛び出して来ちゃったからなぁ…かといって家に帰るのも嫌だし……」


「………で、でも元はと言えばお母さんが悪いんだからね!「Excuse me?」いっつもいっつも同じことばっかり「Excuse me Where am I?」


「!は、ハイ!なんでしょう?」(びっくりしたぁーあれいつの間にこんな所まで?全然気付かなかった……」


「あ、あのーここはどこですか?」


「………え?王都です…ケド……」(な、何この人達…ここどこ?って王都に決まってるし……しかもなんか変な服着てるし……」


「えーと、ここは何という国ですか?」


「………へ?……レ、レムリア王国です…よ」(やっぱりこの人達おかしいよ……今度は国の名前聞いてきたし……またなんかコソコソ話してるし…早く立ち去ろっと」


「あのーもう行っていいですか?」


「え、あっちょっと待って下さい!申し訳ないんですけど僕達気付いたらここにいて、何も分からないんです…」


「は、はぁ…そうですか、、、」(まともに相手しちゃダメダメ!)


「よければ色々教えて頂けないでしょうか?」


「それは名案だな甥っ子よ、立ち話もなんだし中に入って話そう」


「そうしましょう!そうしましょう!」


「え、えぇ?…ち、ちょっと…待って下さいよ」(ど、どうしよう早く立ち去らないと!でもこの人達嘘ついてるようには見えないんだよなぁ)


ガチャ「さぁ入って下さい」「お嬢さんの情報が頼みの綱だからな」


「わ、私忙しいので、すぐに帰りますからね!(本当はとっても暇なんだけど)あれ暖かい!?もう火を焚いてるんですか?」


「火を?いやいや流石に暖炉はありませんよ」


「あれ、暖炉がない?ということは魔道具?」


「いやエアコンですけど、魔道具…ってなんですか?」


「…えあ…こん?…」(えあこんって何?…新しい魔道具のこと?いやでも魔道具じゃないみたいだし…)


「まさかエアコン知らないんですか?」


(え、なんか知ってて当たり前みたいな顔されてる…私が世間知らずなだけ?いやでも生まれて一度も、えあこんなんて聞いたことないし……)


「し、知ってます!!えあこん!あー"えあこん"ね!ハイハイ」(あぁ!またやっちゃった!本当は知らないのに知ったかぶりしちゃった…)


「あ、あのー魔道具ってなんですか?」


「……え……魔道具も知らないんですかー?!笑」(魔道具も知らないの!?この人達!?ヨシっ!これで世間知らずなのも、おあいこだよね!)


「それにしてもとっても明るい!魔道具ではないということは、これも"えあこん"ですか?」


「いや、これは電気の力で光ってる照明器具ですね」


「……//////そ、それはともかく、ここは一体なんなのですか?みたことない造りの建物に部屋だし」


「ここは、"映画館"だよお嬢さん」


「え、えいが…かん」(また知らないコトバ…)


「見てもらった方が早いな」「し、知ってますよ!」


ガチャ「ほら、入って入って」


(ち、ちょっとだけ見たらすぐ帰ろう…)「ってなにこの部屋!?椅子がいっぱい…向こうに大きな幕が掛かってるし…演劇でもするの?」


「劇場は劇場なんだけど役者はここにはいないんだよ」


(どうゆうこと??意味がわかんないよ…)


「まぁ、いいから座って座って」「「それではお楽しみ下さい」」




「………あっ暗くなっちゃった!」


………………………………………シーン


キョロキョロ(大丈夫かな……?ここまで付いて来ちゃったけど誘拐とかされたり……)


………………ブーーーーーーーーー


っ!!(な、なに?!突然音が!?)


……ガラガラガラガラガラガラガラガラガラ


「幕が……開いた!」(何が始まるんだろう…)




「え!?どうなってるの?!幕の中に…ひ、人がいる!!しかも聞いたことない音楽…!一体どんな仕組みなの?!」


______________


(……この主人公…私に似てる…退屈な日々で親が話を聞いてくれないところとか……)


(….うわぁ…すごい…色んな風景が次々…あっ!かかしが喋った!なかまになるのかな?」


(そっか……ずっと早く家を出て自由に生きてゆきたいって思ってたけど、気づいてなかっただけなんだ………)


______________



(…すごい……これが" 映画 "……とっても面白かった……もっと見てみたいな…)


「……あ、あのっ!もしよければここで働かせて貰えませんか?」



こうして一つの映画によって彼女の運命が変わってゆく、そして彼女自身も変わったのだ。

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