第2話 館内にて
「ささ、早く早く」 「お嬢さん、どうぞ中へ」
「ち、ちょっと待って下さいよー!」
情報収集の為、少しばかり強引に館内へと誘導する二人。突然のことで戸惑いながらも、二人を見捨てることが出来ないお人好しの少女。後に互いに深く関わってゆくとはこの時、三人とも思ってもいなかった。
ガチャ 「さぁ入って下さい」「お嬢さんの情報が頼みの綱だからな」
「わ、私忙しいので、すぐに帰りますからね!…あれ暖かい!?もう火を焚いてるんですか?」
「火を?いやいや流石に暖炉はありませんよ」
「あれ、暖炉がない?ということは魔道具?」
「いやエアコンですけど、魔道具…ってなんですか?」
「…えあ…こん?…」
「エアーコンディショナー、冷暖房機のことだよ」
「まさかエアコン知らないんですか?」
「し、知ってます!!えあこん!あー"えあこん"ね!ハイハイ」
((この世界でやっていけるかな))
「あ、あのー魔道具ってなんですか?」
「……え……魔道具も知らないんですかー?!笑」
(急に勝ち誇った顔になったぞ……魔道具ってことはまさかとは思うけど魔法だったりして…)
「フフン、魔道具というのはですね、多様な魔力を動力として使う道具のことですよ!」
「「な、なるほど」」((思った通りだった、そしてなんというドヤ顔))
「なんでも聞いてもらって構いませんよ!フフン」
「そう言えば、さっき暖炉で火を焚くとかどうとか言ってたけど、その魔道具ってのがあるんならわざわざ火を焚かなくてよくないかい?」
「とんでもない!魔道具で部屋を暖め続けるなんて王族や大貴族しか出来ませんよ!それにまだ冬じゃないのに火を焚くなんて薪がもったいない!」
「へぇー魔道具って高価なんだねぇ」
「え、でも結構肌寒いですよ」
「このくらいなら全然我慢出来ますよ!……それにしてもとっても明るい!魔道具ではないということは、これも"えあこん"ですか?」
「いや、これは電気の力で光ってる照明器具ですね」
「……//////そ、それはともかく、ここは一体なんなのですか?みたことない造りの建物に部屋だし」
「ここは、"映画館" だよお嬢さん」
「え、えいが…かん?」
「映画というのは連続撮影した静s「実際に見てもらった方が早いな」
「そ、それくらい知ってます!」
「じゃあ早速こちらへ」「知ってるんですからね!」
「___上映開始だ___」