第1話 第一異世界人発見!
「どこだ………ここ………?」
ドアを開けると見慣れた商店街ではなく、近世西欧風の建造物が立ち並んでいて道路は石畳、電気より暗いが街灯が灯っている。
バタン……ガチャ……バタン……ガチャ 何度もドアを開け閉めしてみるが、初めて見る景色に変わりは無い。
「いやいやそんな訳、笑なにかのドッキリだろ」
(いやでもこんな寂れた商店街の寂れた映画館にドッキリなんてするか?しかも妙にリアルだし)
「………お、おじさーーん!」
「どうしたー?まだ帰ってなかったのか」
「ち、ちょっと来て、ほら外見てみなよ」ガチャ
「なんだそんな焦って、事故でもあったのか?」スタスタ
「…………映画の……撮影……か?」
「な訳無いでしょ!!おかしいって!!よく見てみなよ!作り物じゃないんだって!」
「……確かに…建物も…道も…一体、どうなってんだ?……ん?誰か来たぞ」
「え?…あ、ほんとだ!外人さん?とりあえず声かけて聞いてみよう」
二人がキョロキョロと辺りを見回していると向こうから、ゲンナリとした表情でトボトボと歩いてくる一人の少女がいた。
「えーと、Excuse me Where am I?」
「…ブツブツ…ブツブツ……っ!!は、ハイ!なんでしょう?」
「日本語!?通じるのか!」(なんだ日本だったのか、いやまて単に日本語が堪能な外人さんかもしれない)
「あ、あのーここはどこですか?」
「……え?王都です…ケド……」
「……え?お、王都?」(王都?オート?ど、どゆこと?やっぱり外国なのか?ロンドンかアムステルダムかストックホルムか?)
「えーと、ここは何という国ですか?」
「……へ?……レ、レムリア王国です…よ」
「へ、へぇ…レムリア王国…な、なるほど」(れ、レムリア王国?そんな国家、地球上に存在してないぞ…ヤバい話せば話すほど訳が分からなくなってきた、しかも精神異常者を見るような目で見られてるし)
「お、おじさん…レムリアってどこ」コソコソ
「レムリアか…確かインド洋に存在したとされる失われし大陸だな…まぁ、オカルトの類いだけども」
「絶対関係ないでしょ!見るからに服装が現代じゃないし」
「あのーもう行っていいですか?」
「え、あっちょっと待って下さい!申し訳ないんですけど僕たち気付いたらここにいて、何も分からないんです…」
「は、はぁ…そうですか、、、」
「よければ色々教えて頂けないでしょうか?」
「それは名案だな甥っ子よ、立ち話もなんだし中に入って話そう」
「そうしましょう!そうしましょう!」
「え、えぇ?…ち、ちょっと…待って下さいよ!」
とにかくこの世界の情報を得る為、たまたま通りがかった少女を半ば強引に映画館内へ引きずり込むのであった。