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シゴノセカイ《改訂版》  作者: 福乃 吹風
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34話 キャンドール鉱山⑤

 雲井ねずみ、めちゃくちゃ強いし雷を結構使ってきて、水魔法を使用すれば感電する恐れがあるから風魔法を使うしかなかった。アンジは無事に雫たちと合流できただろうかと思いながら、カステクラインを起動させる。


「カステクライン!風、鷲の逆風!」


 鷲が作る向かい風で攻撃を与えるも効果は薄く。雷と言ったらやっぱり植物魔法だよなとファウが使用しているのは炎を使って、親父さんを止めようとしている。

 

「水魔法使わなくてよろしいんですか?

「感電避けるために使わないだけだ。てっきり毒系かと思ってたんだけど、なんで雷魔法を使う」

「想心様にお伝えするつもりはありませんよ。今回の戦は全ての団に声がかかっていましたが、なぜ団長だけが拒否したと思いますか?」


 確かに濡羽玖朗は別として現世にいたのはライトグレー団以外が参加していたな。絹鬼涼真は何を企んでいるのかはまだ想像できていないでいる。

 芽森をネズミサイズにするためとか、守護霊を味方につけさせるとかはさっき教えてもらったけど、実際別の目的があるとすればなんだろうか。あの場はしっかり見ていなかったが、あそこに何かがあるのだろう。


「思いつきませんか」

「全くわかんないが、俺たちがネズミサイズになった理由と何か関係があるんだろ?」

「筋は合っています。このキャンドール鉱山についてお聞きしたことは?」

「いや、それも知らない。死屍デッドルタが助けを求めにきた理由もそれに繋がるのか?」

 戦いながら会話している俺たち何してんだと思いつつも、ねずみはその通りというような笑みを出した。まさかと俺は口にする。


死屍デッドルタになった人を助けようと?」

「それは想像にお任せします。デステクライン!闇、ネズミの食べかす!」


 ネズミたちが俺目掛けてチーズの食べかすかわからんが、投げてきた瞬間に爆発しこれはきついと鼻を摘む。一番臭いチーズの匂いで、カステクラインで匂いを消してもらう。


「カステクライン!風、ダチョウの疾風!」


 匂いが疾く消えてくれたが、ねずみの姿はなく、ファウの親父さんも消えていて、ファウは少し落ち込んでいる。


「ファウ…」

「結局、何も教えてはくれなくて、ごめんなって謝ってばかりだった…」

「また今度会えるよ。あのさ、キャンドール鉱山について詳しく聞きたい」

「キャンドール鉱山のキャンドルは甦りの灯火とも呼ばれているんすよ。だからキャンドルを採取して持ち帰る人が多いんす。ただそれは誰一人成功させた人はいないとされているんすけど、一人現れたんすよ。シャン・エンディリア」


 雫の父ちゃんかよとつい言いそうになるも、ごくんとその言葉を飲み込んだ。じゃあ雫の父ちゃんが消えたわけはここに繋がるんじゃないのか。

 

「ちなみに誰を甦らせたんだ?」

「自分はそこまで詳しくないっすよ。あっテンファなら何か知ってるんじゃないっすか?テンファ、シャン・エンディリアの弟子なんすよね」

 通りでテンファが留守番するって言っていたのはこのことを知られたくはなかったからなのかは後で聞こう。


「後で聞いてみる。ここで立ち止まってるわけにもいかないし、俺はアンジのところに行くよ。ファウはどうする?」


 ファウに聞いてみるとファウの顔色が悪くなり、ファウが見ている方角へと向けた。なんと夏海がディーグに捕まっていて、ディーグの手には夏海のカステクラインを持っている。


「てっきり颯楽と一緒に涼真と遊んでるのかと思ってたぜ。ファウ、親父さんと会えたんだから、約束は守ってもらう。あぁそれとも大事な寮長の魂を壊してからのほうがいいか」

「そんなことさせるかよ!カステクライン!水、イルカの超音波!」


 イルカが鳴き攻撃を与えるも、塞がれてしまい、まだディーグに勝てないのは分かっていた。夏海を救うにはどの魔法が効果抜群だと考えていたらふと口にする。


「カステクライン!水、水龍の天泣!」


 水龍が現れ雲を作らず雨を降らし、ディーグは目を見開きながら負傷し始めていき、カステクラインを落として夏海を突き飛ばす。


「やっぱりお前…。いや、そんなわけないか」


 水龍がディーグを襲い掛かろうとした瞬間にディーグの姿は消え、水龍は雨となって消えてくれる。次の瞬間、激しい痛みに耐えきれず、夏海とファウが心配してくれるも瞼を閉じた。



 アンジと雫の声が聞こえ、ゆっくり目を開けると二人の顔が見える。ここはと部屋を見渡したら、俺たちが止まっている寮だと気づいた。


「気分はどう?」

「まだ頭はぼーっとしてる。そっちは大丈夫だった?」


 二人に尋ねるもいい顔はしてくれず、アンジではなく雫が説明をしてくれる。



 目を冷ました時には想心の姿がなくてすごく嫌な予感はしていた。すでに起きていた副団長は檻を壊せないか試した跡が残っている。


「副団長」

「目覚めたか。かなり状況はまずい。雫、あんたはデステクライン使いだろ?」

「…どうして?想心とアンジ、それから校長しか知らないはずだよ」

「雫には妙なオーラが出てる。それがデステクライン使いと似ているからだ。事情はどうあれ、想心たちを傷つけたら自分は容赦しない。それでこの出方は知っているか?」


 よりによって副団長に見抜かれるだなんて思いもしなくて、固まっていると想心のお兄さんと灯里ちゃんが起きてしまう。


「…上が扉になってる」

「上は試してなかったな。颯楽たちも下がってろ」


 私たちは端っこによっても、私は焦りを出していた。ここでばれてしまった以上、やっぱり想心たちから離れたほうがいいのかな。

 

「カステクライン!植物、ゴリラの胸叩き!」


 ゴリラが数体現れ胸を叩き、その振動によって上の部分が破壊された。そのままゴリラに乗る副団長で乗れと言われたから、ゴリラに乗り脱出すると汀が現れる。


「想心は?」


 ジャスチャーをしてくれるも、私には読めなくても副団長はそうかと汀に触れながら教えてくれた。


「想心は濡羽玖朗に連れて行かれたようだ。とにかく元に戻るために涼真と接触する。汀、乗せてくれるか?」


 キューと汀に乗せてもらい涼真と接触しようとしたら体に異変が起き、すぐさま私たちは汀から降りて普通の姿へと戻る。それによって涼真は、嫌そうな顔を作りながら言った。


「なんで、元に戻ってんの?てんてんてん」


 落ち込んでないじゃんと少しイラッとするも、涼真はネズミと死屍デッドルタを数体出してくる。


「想心はねずみサイズ維持できてたのに、君たちは効果薄かった。もっと吸わせておけばよかった。実験失敗、てんてんてん」

「その顔で落ち込んでるようには見えない。想心を濡羽玖朗に渡して何がしたいの?」

「さあ、玖朗の考えはわからない。ただ約束してくれた。妹さんをくれるって。だからもっと実験しておかなくちゃならないのに」


 来るとカステクラインを起動させようとしたら、想心のお兄さんが前へ出て鳳凰をすでに出している。


「僕の妹に手出しはさせるつもりはないよ。芽森には長生きしてもらう。君たちが企んでいることは僕が全て阻止する」

「芽森はこっちに来る。必ず」

「来させない」

「来る」


 そういうやり取りが続こうとした時のことで、全然気配を感じ取ることができず、想心のお兄さんが複数の針によって刺される。


「やっと来た。遅い針」

「寮に保管されてあった魂、全部奪われたけどよかった?」


 ライトグレー副団長、針尾智人はりおのりとで針を使って攻撃する。涼真は顎が外れるぐらいショックを受けていて、そのショックを私たちに攻撃を与え始めた。


「雫!颯楽を避難させて回復魔法!」


 そうは言ってもと思っていても、ライトグレー団長と副団長ダブルで来るとかなりきついし、敵わない。副団長と灯里ちゃんに任せるしかないと想心のお兄さんを避難させて、テンファが教えてくれた回復魔法を唱える。


「カステクライン!植物、ジャスミンの花畑!」


 ジャスミンの花畑が現れ想心のお兄さんを癒していくも針が刺さったことで出血が止まらない。針は一定の時間が過ぎると消えるけれど、まさか針尾智人が来るだなんて。

 なかなか回復がうまくできず、どうしたらと思った矢先、アンジが来てくれて、しかもホノオノ国の守護神、マディールマが現れたことで、お兄さんは今もマディールマのところで治療を受けている。



 兄貴がよりによって負傷するだなんて考えたくもなかった。汀が呼びに行ってくれたんだとアンジが行っていてありがとなと俺の胸で寝ている汀に触れる。


「兄貴に会うことはできないのか?」

「僕たちは入ることは禁じられてる。他国の者が守護神と接触して、もしそれが罠だとしたら滅ぶ危険があるから、僕たちは待つしかないよ」

「そっか…。そういや、ファウの処分ってどうなるんだ?」

「まだ審議を行なっていて、夏海はじっとしていられないからって勉強に励んでる。それで」


 アンジが言おうとしたら副団長がめちゃくちゃりんごを持って入ってきた。


「目覚めたか。これお裾分けでもらったりんご」


 ありがとうございますと上半身を起こし、一つをいただいて齧る。うまっとそれを食べながら副団長にあることを言われる。


「それでデステクライン使いを匿う理由はなんだ?」


 俺とアンジは食べていたりんごを吹き出してしまい、お互い顔にりんごが顔にかかった。雫は慌てながら俺たちにタオルを貸してくれて、それで拭きながらなんて説明をすればいいんだか。


「校長の命だから仕方ないと思うが、自分は許していない。納得いく答えを出してもらわないと、デステクライン使いと接触して、引き渡すこともできる」


 うっ痛いところを言ってくる副団長であり、雫はあっちに帰るのに怯えてるからな。これで納得いくかわからないが、言うしかないと伝えようとしたところ、扉が開いた。


「焔、いるだが?」

「璃子、普通に喋ってくれないか?何言っているのかわからない」

「ごめん。さっき団長が呼んでたから来てほしい」


 しかし副団長は俺が出す答えを聞きたそうにしているも、一息ついてわかったと席を外してくれる。いなくなったところで俺たちは深いため息を出し、相談する。


「あのさ、会ったとき、困ったらいつでも連絡してって言ってたなかったか?」

「最初は雫がデステクライン使いだってことわからなかったからそう言ったんじゃない?」

「いや、きっと気づいていながらもそう言ったんだと思う」


 副団長が戻ってくる前にどうやって説得しようか話し合うことに。


「正直に話したほうがいいだろうけど、雫ってさこっちに来れたのってセブラって奴なんだよな」

「うん、一番の理解者で私だってわかるように雫のピアスつけてるのがセブラだよ」

「雫のピアスねえ。…あれ」


 どうかしたのと二人が同時にはもり、フラッシュバックが起きたような感覚だった。そいつってまさかと雫に質問する。


「セブラってライトノ国?」

「言ってたなかったけ?うん、ライトノ団の先生をしてて、なぜか副寮長をやってるんだよね」

「想心?涙出てるよ」


 あれっと目に触れると涙が出ていて、拭いても拭いても止まらなかった。なんで涙が止まらないんだよと手の甲で涙を拭っていたら、再び扉が開いて美命が現れる。

 それによってアンジが機嫌を悪くするも、美命は俺に抱きついて知らされた。


「芽森ちゃんを守り切れたよ。もう安心して」

「その報告なら後でしてくれないかな」

「アンジくんは相変わらず冷たいよね。想ちゃんは一度、生の世界でね、セブラと接触してるんだよ」


 美命の言葉でアンジと雫は一度固まり、はあっと声をあげている。俺がセブラと、どう言うことだと混乱していたらはっと思い出したことがあった。


 俺が美命を失って間もない頃、凄い荒れて母さんと父さんを悩ませていた時に、深夜で公園のベンチに座ってたな。その時、黒い物体が俺の隣にいたのを覚えてる。

 

「そんな負のオーラを出していると命奪われんぞ」

「お前には関係ないだろ。ほっとけよ」

「それはできない話だな。いずれお前の命が危うくなる。そうならないために、現実と向き合い前へ進め。そうすればいい方向へと進む。それにお前の中にはなーーーーー」


 すっかり忘れていたが俺がみた黒い物体ではなく、シマウマ模様の物体だった。それでついお前は誰だと聞いたんだっけ。


「お前は誰なんだ?」

「想像に任せる」

「ふうん。じゃあシマウマ模様で英語だとゼブラだからセブラだな」


 名付けたら大笑いをするセブラで、つい俺も笑っちまってそれがただの夢だと思っていたから忘れていたんだ。


「あのさ、セブラって以前名前違った?」

「セブラの本名は誰も知らないというか、変更したら本名を隠せることもできるって聞いたことあるよ」

「僕も会うたびにセブラって呼んでたから、本名は流石に。あっだけどリディー先生ならセブラの本名知ってるんじゃない?」

「そっか。ただ一つ疑問なんだけどさ、なんでセブラはシマウマ模様だったんだ?普通黒い物体だろ?」


 聞いてみると二人はんーと深く考えていて、美命が何かを思い出したのか俺たちに言った。


「想ちゃんがシマウマって言ってたのって闇と光が混じり合っていたってことでいい?」

「あんま覚えてないけどそんな感じだったかな」

「もしかするとセブラはカステクライン使いになる予定だった。だけどデステクライン使いのまま動いているとなれば…ごめん。そろそろ戻るね」

「何か知ってるんじゃないの?」


 アンジが追求したとしても美命はごめんと再度言い、行ってしまってセブラがカステクライン使いにならなかった理由がシロノ国と関係しているならと感じてしまう。

 この件に関しては先になりそうだが、セブラにもし会う機会があったら聞いてみるしかなさそうだな。セブラのことで話し合っていたら、副団長が戻って来てしまい、あっと俺たちはすっかり忘れていた。



 ライトグレーノ団になんて言われるかヒヤヒヤしながらも、僕たちはリエートでポイントを稼いでいた。まだ絹鬼涼真が帰って来ない様子だし、どうしようかな。

 すると暗野伊雪さんが現れたことで、セブラは近くに玖朗さんがいるんだろうと身構える。ルルラちゃんが玖朗お兄ちゃんだと言ったら、そこかとどっから出したのか筆ペンを取り出してみるも玖朗さんの姿はなかった。

 どこ行ったと目が怖いよと言いたいぐらいで、リエートの依頼を済ませていたら、僕の隣に玖朗さんがやって来る。


「涼真はまだこっちに戻る気がないらしい」

「そうなんですか?」

「あぁ。それと芽森は無事に守り抜かれたから、しばらくは芽森のことは後回しにするそうだ。よかったな」


 よかったと力が抜けてしまい、玖朗さんに頭をなぜか撫でられる。隙ありとセブラが玖朗さんに落書きをしようとしたが、伊雪さんに邪魔をされていた。


「セブラ」

「なんだよ」

「セブラの婚約者だった天龍寺みより、復活したそうだ。奪いに行きたいなら手を貸す」

「玖朗に貸しなんて作りたくはない」

「もし必要なら言え。伊雪、戻るぞ」


 待ったねえと僕たちに手を振る伊雪さんと玖朗さんはすぐ姿を消し、どうするんだろうか。


「みより…」

「行かなくていいの?」

「前より強化されてるだろうから、様子見だよ。ちゃっちゃと終わらせんぞ」


 うんと相槌を打ちながら、僕は思っていた。本当は今すぐにでも会いに行きたいんじゃないかって。みよりさんはきっとセブラを待ってるはず。もう少し階級を上げたらセブラに聞いてみようかなと、リエートの依頼を終わらせていくことにした。

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