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マイケルの初恋

コレットの婚約者はミブタ侯爵家嫡男の年下のマイケル。

輝かしい金髪と青い瞳を持つ思い込みの激しい少年である。容姿端麗で勇敢で話上手で令嬢に大人気の婚約者を持つコレットは周囲の祝福を笑顔で受け止める。

神殿で婚約の儀のためにまだ自分より背の小さいマイケルのエスコートを受けながら足を進める。そして神官の横に控える小柄な妹分を見つけて微笑む。


神殿で祝福するために巫女姫として控えていたヘンリエッタはマイケルを見て一瞬固まった。自分に微笑んくれたコレットに気付いて巫女服を着てヴェールを被っているヘンリエッタは微笑みを浮かべながら戸惑っていた。神殿では争いは禁忌なのでバケモノと斬られることはないと思い出し、恐怖を抑え込み大好きなコレットのために笑みを浮かべて婚約祝いに祝福の歌を捧げた。初めて公式に披露する澄んだヘンリエッタの美声に多くのものがうっとりしていた。


「彼女だ」


マイケルのうっとりした声を聞いたコレットは笑みを浮かべたまま儀式を進める。コレットは家のために婚約してマイケルと婚姻するので義務さえ果たしてくれれば構わなかった。

婚約者がヘンリエッタに恋しようと、失恋しようとどうでもよく妹分の声が戻ったことのが大事だった。もしもマイケルがヘンリエッタにバケモノと言うなら、叩き折ろうと決めていた。マイケルは淑やかに微笑むコレットが芯が強く、肝の据わった令嬢とは知らなかった。マイケルはヘンリエッタにうっとりしながらコレットにフォローされながら儀式を進めた。コレットは明日はドログとノノレンを誘い妹分の好物を用意し盛大に労わろうと決めた。少しずつ昔の様な明るさを取り戻すヘンリエッタの時がゆっくりと動き出したことに喜びながら役目を果たすために動き出した。コレットは現実主義なのでマイケルには何も期待していない。令嬢達のようにマイケルに恋できるほど曇った目も幸いなことに持っていなかった。滞りなく儀式が終わり、マイケルの視線に気づくことなくヘンリエッタは颯爽と退場し、神託の間の魔法陣の中心に立ち天窓を睨みつけていた。儀式の最中からずっと神様に呼ばれていた。神様との付き合い方を覚えたヘンリエッタは神が自分勝手なことをよく知っていた。そして全てを叶えられるほどの包容力も信仰心も持っていなかった。



「なんですか?いつでも歌を捧げるなんてできませんよ。あの儀式中に滅びの歌なんて無理ですよ。人の世には空気というものがあるんです。ちゃんと歌いますから、少しは待ってください。人はデリケートなんです。人前で歌って勘違いされたら面倒です。はい?神語で歌えばいい?覚えてないので無理です。覚えろって嫌ですよ。なら先に歌ってください。そのあとに歌いますから。はい、どーぞ」


ヘンリエッタは男の声を真似して聞き取れない言葉で歌い出す。大神官は不機嫌な顔で歌うヘンリエッタを見つめていた。ヘンリエッタは世に役立つ神託を受けなかったが神との対話は一番していた。

ヘンリエッタがおしゃべりになるのは神託の間だけ。そして歴代で神と喧嘩し取引するのはヘンリエッタだけだった。


「姉上凄いな。僕はあんなにお話できない」

「タロス、あれは真似してはいけないよ。歴代で一番信仰心のない巫女姫で寵児だよ」

「姉上の願いを神様がすぐ叶えるよね。姉上は神さま大嫌いだけど」

「言霊を」

「ごめんなさい」


タロスはこれが神官達の憧れの巫女姫かとぼんやり眺めていた。タロスも神託は聞ける。

最初に受けた神託は姉と一緒に歌を歌うなだった。

役に立たない神託を聞くのはタロスも姉の次に多かった。


読んでいただきありがとうございます。

10話程度のつもりが…。あと4話ほどお付き合いください。

ゴールデンウィーク中に完結予定です。

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