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1‐A教室と自己紹介


 幻と一緒に自分たちの教室になった1‐Aに向かうと半分くらいの学生が来ていた。

 教室に入ると黒板に配られた紙切れの番号と席の場所が記してあった。私の番号は005、席は窓側の1番後ろのようだ。何と前の席には先程新入生挨拶をしていたユークリウスという少年がいた。残念ながら幻は同じ列の1番前で離れてしまった。


 私は先生が来るまでの間、暇つぶしに首に着けているペンダントを見ておくことにした。ほとんどうろ覚えだが、私の家族がくれたもので今も唯一残っている大事な宝物だ。軍に入る時に知ったことだが、これはチェーン部分はミスリル、本体は魔結晶でできているらしい。かなり高価だということだが、私は他の人の手には渡したことはない。


 ずっと見ていると、いつの間にか教室に教諭が入ってきたようだ。学生も全員席についている。このクラスは24人か。A~Eクラスまであるから1学年120人か。座席は1列4人の6列。どういう法則で並べられたんだろう。


「それじゃあ今からホームルーム始めるぞ。席についていないヤツは早々に席に着けよ」


 教諭が宣言する。もう少しくらい考える時間が欲しかったな。


「じゃあまず俺の紹介からするぞ。俺はアーネスト・グレイス。このクラスの担任で専門科目は歴史学だ。趣味は遺跡調査や歴史資料を読むことだ。そして従魔はオウル系統の第5形態のフォルセージのリードだ。と、まあこのようにみんなにも名前、趣味、得意なこと、そしているなら従魔のことをそれぞれ自己紹介してもらう」


 名前は今の偽名でいいね。得意なことは一応狩りになるのかな。従魔はジョーカーが最終形態ゾディアックであることは隠さないといけないらしいからぼかして言おうかな。


「入試成績が低かった順から言ってもらうぞ。廊下側の最前列のお前からな」


「お、俺から!?」


 1番最初に当てられた学生は慌てふためきながらたどたどしくも自己紹介をしていた。この順だと私は最後かな。

 私は不特定多数と仲良くする気は全くないというかできないので幻の番までほとんどスルーする。耳に入ってきた情報としては貴族がそこそこ多いようだった。

 少数と一緒にいるのは問題ないけどどうしても10以上とかだとキツイ。それもあって私の隊は少数精鋭だし。報告や急を要することでない限り執務室や私の周りには士官組しかいなかった。


「…………わ、私は天雪 幻、天雪が家名で幻が名前です。天津生まれの天狐族です。趣味は読書で得意なことは薬の調合や呪符作りです。従魔はアルミラージの弥珠みたまです」


 従魔はアルミラージなんだ。7尾な上に第5形態とはかなり優秀なんだろうなぁ。その上に薬や呪符も作れるなんて。うちの隊にスカウトしたいくらいだ。


「私はユークリウス・ディスティルです。ディスティル家の長男です。趣味は勉学や鍛錬です。得意なことは強いて言うなら剣術でしょうか。従魔はテンペストイーグルのゲイルです。学園は初等学園以来ですので知らないこともあるでしょうがよろしくお願いします」


 真面目人だな彼は。幻と同じく従魔は第5形態。とても優秀なんだろう。……………………というかさっきから~~家の何チャラって言ってるけど私も言わないといけないのかなぁ?

 席を立って自己紹介をする。


「私はシルファ・リベイロン、リベイロン家の次女です。得意なことは狩りで、趣味は狩りで狩った獲物を使って料理をすることです。従魔はマギドール系統のジョーカーです」


 家名を言った時と、従魔の種族を言った時に周りが過剰に反応した。なんでだろう?おかしいことは全く言っていない。これで変なことを言っていたら私の前に自己紹介したヤツ全員がおかしいことになるからね。


 私の自己紹介があった後この学園についての注意事項やルールが説明された。説明が終わって時にちょうど四の刻を知らせる鐘が鳴った。


「午前中はこれで終わる。1時間後に再開する。午後からは学園内案内中心だ。食堂でも弁当でもどっちでもいいけどしっかり昼食をとっておけよ」


 グレイス教諭の宣言で午前のホームルームは終わった。でもここから少しうるさくて面倒くさいことになった。



 従魔の形態とは簡単に言うと階級のようなものです。育てていくうちに進化していきます。7段階あり、グリーシャ帝国では最終形態のことをゾディアックと呼んでいます。

 幻は結構優秀です。入試成績も上から4位、特待生の2人を抜けば2位です。


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(*人*)

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