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いざ行こう学園へ

 グリーシャ帝国立ヒステルム学園は文武両道で優秀な人材を身分の貴賤問わず育成する目的で作られた帝国内でも長い歴史を持つ学園です。


「それで陛下、学園ってどんなことをする場所なの?」


 私は学園なんて今さっき初めて聞いたからどんなところなのか全く見当がつかない。


「学園というのはな、知識や武術や魔法、集団生活などを学ぶところでな、本来なら6~9歳までの子は初等学園、10~12歳までの子は下等学園、13~15歳までの子は中等学園、16~18歳までの子は高等学園に通って学ぶのだ。シルフィーナは来年で16歳だっただろ?」


「はい、来年の処女の星月で16歳になるよ」


「うむ。だからシルフィーナが学園に通うなら高等学園になる。そこでな、シルフィーナにはこの国の最高学習機関であるヒステルム学院に通ってもらいたいのだよ」


 学園に通っていろいろなことを学ぶ、かぁ。それって、


「任務として行くの?それとも1人の少女として行くの?」


「任務として行ってもらおうと思っている。任務内容はヒステルム学園に通っている学生が身分をかさに着て横暴なことをしていないか、教師は最高学習機関の教師としてふさわしい教育をしているのかを見てきてほしい」


 ふむふむ。確かにそれはとても大事だな。なんせこの国の最高学習機関というからには次代の帝国を支え、作り上げていく人材の卵がゴロゴロといるのだろうから。しっかりとした教育になっているのか、身分だけでしか見れない人が多くいないか調べるのはとても大切だ。


「まぁ、シルフィーナには任務にこだわらずにあくまで自然体で通ってもらいたいのだがな」


 え?自然体で?なんで?任務としてじゃなくて普通に通えってこと?


「なんで自然体でなの?任務なんですよね?」


「それはな、自然体で通ったほうが今回の任務を遂行しやすいからだよ。シルフィーナが通うことになった場合、軍の人間だとバレてはいけないし、相手がちゃんと尻尾を出すのに集中しすぎてほかのところが見られなくなったら意味がないからな」


 なるほど、そういうことか。確かにそれなら自然体でいたほうがいいのか。じゃあとりあえず任務のことは頭から出しておくかな。

 それなら、全体に抜かせない大切なことがある。


「ねぇ陛下、任務と自然体に関しては理解したよ。その上でそこに通ったら私はもっと強くなれる?力を身に着けられる?」


 これだけは絶対に抜かせない。私が軍に入った理由ともつながるから。またあんなことにならないように、また1人にならないで済むように、また大切な人たちに置いてけぼりにされないように。


「あぁ、なれるとも。むしろ軍より学ぶ環境に特化しているから知識も実力も判断力も向上するだろう」


「…………わかった。ならそのヒステルム学園に通うことにするよ」


 さらに強くなれるというなら全く文句はない。むしろ大歓迎だ。私にはまだまだ足りないところがあるからその部分を強化できればいいな。


「シル少佐に通う意思があるのはわかりましたが、陛下、ヒステルム学園って入るためには試験を受けなければなりませんでしたよね。来年から通う学生たちを篩う試験は先日に終わったと記憶してますが」


「その点は大丈夫だ。シルフィーナには一般の試験より1月前に抜き打ち試験と称して受けてもらったからな」


 ……………あぁ!2月前の突然王宮に呼ばれて受けたあれか!そこまで難しくなかったけどあれが入学するための試験だったの?


「結果はどうだったのですか?」


「文句なしの満点合格。特待生な上に首席だ。いつの間に知識を身につけたのか驚いたぞ」


「満点ですか?あの合格させる気ない試験だろ!と陰でよく言われるあの試験をですか?」


 なんか言ってるけどそこまで難しくなかったよ。計算、歴史、機巧工学、魔法学くらいだったしね。全部士官として働くには絶対必要な技能だったし。実技も武術に関しては相手が弱かったし、魔法も軽く的壊すだけだったし。


 そのあと学園に通う上でしっかり確認することがあった。

 まず名前はあまり変えずにシルファ・リベイロンを名乗ることになった。家名を偽らずに済んでよかった。そこでボロが出る可能性があるしね。それに合わせて初めて知ったんだけど私の生家はこの国に12しかない大公家の1つだったみたい。

 次に私はどこの中等学園にも通っていなかったので、そのことについて怪しまれないようにするための設定を考えた。私は生き抜くために冒険者として働いていたということになった。実際に冒険者としてギルドに登録はしてるしね。ランクはあまり活動してなかったからCだけど。


 こうして学園に通うための準備も整ったのだが、来年から通うというかもう来月に迫っているので、引継ぎなどの準備もあるからすぐに元帥閣下に報告しないといけなくなった。陛下はリーシャたちと話すことが少しあるらしいので、1人で急いで王宮にいる元帥閣下の下へと向かった。報告を終えて戻った時にはもう陛下はほかのところに行った後だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 1月後、私はヒステルム学園の制服だという軍服のような役割の服を着て、ヒステルム学園の門をくぐった。



 1回別視点を挟んでからシルフィーナもといシルファのスクールライフが始まります。

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