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グリーシャ帝国軍第444隊の風景その2

 シルフィーナはただ襲われただけと弁明していますが、彼女は帝国の最終兵器な上に美少女(無自覚)なので当然周りはブチギレます。(主に、可愛がってる子をよくも襲ってくれたな!みたいな理由で)


 ホントなんでみんなそんなに物騒なこというの?ただ私が襲われただけだよ!月1くらいであってることじゃん。無反応だったらそれはそれで悲しいけど。あと、たかが一部隊で一国を陥落できるわけないじゃん。


「皆さん、そこまでにいたしましょう。マスターはそのようなことをお望みではないのですし」


 私がどう止めようか悩んでいると、この部屋にいる唯一の人ならざる者であるジョーカーが声をかけた。

 ジョーカーは私の従魔で、種族名は奏神クラウン・ジェミニ。マギドール系統の最終進化系で、かつて帝国が建国されたときに初代帝王を支えた12人のうち1人が従えていた十二星宮の一体だ。彼とは物心着いた時にはもう契約していて、とても長い付き合いだ。いつの間にか最終進化まで行っていたが、それでもとても仲はいい。


 それに私とジョーカーの組み合わせはとてもよく、帝国内でも最強と謳われている。私は帝国の最終兵器なのだ!だから幹部でもないのに狙われるんだけどね。


『『「「「「う~ん、ジョーカーが言うならそれもそうか」」」」』』


 な、なんですと!いつもなら私が言っても全然聞かずにどう落とすかを私そっちのけで作戦会議してるくせにジョーカーが言うと一発で収まるだと!世の理不尽さを感じるよ。


「どうせ次も来るんですからその時に懲りなかった奴らを一掃すればいいんですよ」


 こ、怖っ!ってかジョーカー、あなたは私の味方じゃなかったの?完全にそっち側じゃん!

 とりあえず私が襲われたことに対する復讐の話は終わったので、各員が報告すべきことがあれば聞こうと思ったのだが、


「私から報告すべきことはありません」


「右に同じですわ」


「同じくっス」


『同じです』


『強いて言うなら早くシルフィーナ様の下に行きたいです!』


「私からも特にはありませんね」


 なんっっっっっっっっっっっにもなかった(ヘリヤのはないにカウントした)。あれ?この隊って暇部隊だったっけ?こんなに作成・整理・提出すべき書類があるんだから違うよね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 連絡および報告が終わって、みんな自分の仕事を始めた。もちろん私も書類に目を通しているのだが、簡単なYES/NOものしかなく、片付くこと片付くこと。破竹の勢いで進んでおります。

 なんでこんな簡単なものしか残ってないの?ふつう逆だよね、難しいものが私に回されるよね。こんな簡単なものばっかりだったら私いらなくない?いらないよね?


 しばらく進めていって残り少しというとこになると確かにこれは私じゃないとできないわっていう書類があった。その内容は私がされた襲撃に対する報告書だった。そりゃあ私にしかできない。襲われているのは毎回私なんだから。


 襲撃に対する報告書も何件も書くわけではないので、四の刻の鐘が鳴る前にすべて終わってしまった。いつの間にかヘリヤとエルクも帰ってきていた。


「私任されてた分は全部終わったから今から昼食作りに行くけど、弁当持ってきてない人はいる?」


 私がそう言って手を挙げたのは、リーシャ、ケイネ、ヘリヤだった。見事に全員女性だね。アルクスは奥さんの弁当で、ベルクとエルクは自作。女性陣よ貴女たちも自炊ぐらいできないとこれはまずいじゃないの?


 朝と同じように食堂から厨房に行き、さっそく作り始める。昼食はカルボネーラだ。材料も多くは使わないし、手軽だし、おいしいので、私的には好きの部類に入る。

 手早く作り上げて大皿に盛って執務室に戻る。みんなも1段落したのか少し早い昼休憩に入っていた。


 カルボネーラは私、リーシャ、ケイネ、ヘリヤでおいしくいただいた。特にケイネは軽く3人分くらい食べた。そんな細い体のどこにあれだけの量が入るのかは不思議だ。


 昼食を済ませて、お茶を飲みながらみんな思い思いに昼休憩を過ごした。昼休憩が終わって少しした後、突然この部屋の扉が開いた。


「ちょっと早いがこちらに来たよ」


「陛下!!」


 かなり気さくな言葉づかいで部屋に入ってきた今代帝王陛下デルク・ウェスリッド・グリーシャ陛下を見た途端、私は思わず陛下に抱き着いた。周りから見たらふつうは「なんと無礼な!」と言われるが、この隊はそこら辺慣れているので全く動じない。もはや諦めたとも言える。


「シルフィーナ、元気にしてたか?」


「はい!優秀な部下のおかげもあって毎日元気に過ごしてます」


「そうか、それはよかった。ところでシルフィーナ」


「何ですか陛下?」


 いつもと違う話の入り方だ。たぶん連絡にあった個人的な話何だろう。


「グリーシャ帝国立ヒステルム学園に入らぬか?」


「「「「「「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!?」」」」」」


 陛下の言葉に私と陛下以外のみんなが驚きで声を上げる。そんなにすごいとこなの?ヒステルム学園って。それより、


「陛下、学園ってなんなの?」


「「「「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!?」」」」」」


 今度は私の言葉に私と陛下以外のみんながまた驚きの声を上げる。さっきのよりも音量が大きい。それよりも学園が場所を指す言葉なのはなんとなくわかったけど、何するとこなの?



 やっともの知らずなところが出せました。あと、シルフィーナがいなくても、6人で小国くらいなら潰すことができます。

 そして444隊の女性陣は料理が下手です。3人とも高位貴族またはそれに類する出身ですから。

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