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目覚めたらパンツ。  作者: オゾンホール
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オカ?

さて、まず僕の身に起こっていることを整理しよう。

今朝目が覚めると、なぜか妹(14歳)が頭にパンツを被っていた。

そして今自分の顔に手をやると、布の様なものの感触。

嫌な予感。

恐る恐る近くにあった鏡で自分の姿を確認してみると.....

「うわあ」

嫌な予感的中。なぜか僕もパンツを頭に被っている。しかも女性用のものである。せめて男物にしてくれ。

いや、それもそれで気持ち悪いか。なんでもない。

「これでどうやって生活しろと言うんだ?」

しかも僕は高校生である。こんな姿で学校に行った日にはあだ名がパンツマンになっていることであろう。早く脱ごう。

「.....!?は!?!?!?なーんで脱げないんだこれ!!!おかしいだろ!物理的に考えて!」

どうやらこのパンツは魔法のパンツらしい。自分でもアホなことを言っている自覚がある。しかしこれは紛れもない事実なんだ。信じてくれ。


「お兄ちゃーん!早く来ないときゅうりの浅漬けがぬるくなっちゃうよ!」

下の方から妹の声が聞こえてきた。なんできゅうりの浅漬けを話に起用したのだろう。

「仕方ないな。嫌だがこれでいくしかない」

重い足取りで僕は階段を降りた。


「おはようオカ、早く朝ごはんを食べなさい」

「お兄ちゃんおそーい!」

「母さんおは.....よ.....」

僕は絶句した。

なんと僕の母さんもパンツを被っていた。

妹の言う通り僕は寝ぼけているのか?昨日までは2人ともこんな格好はしていなかったはずだ。なのに今日になって急に.....理解に苦しむ。

「オカ何ぼーっとしてるの。きゅうりの浅漬けがぬるくなってしまうわよ。」

母さんもかよ。何だこの家族。

「あ、うん.....いただきます」

パンツの「太ももと太ももの間の布」は幸いにも横にずらす事が出来た。もしその部分まで動かせなければ餓死してしまう。助かった。

朝食を食べながら考える。

もしかすると、学校のやつらも()()()()なのではないか。それなら10万歩ほど譲って理解できる。僕達だけコレだったら今すぐにでもお空へ旅立ちたい。

というかそもそもなんでこのパンツは脱げないんだ。風呂の時はどうしているんだろう。絶対頭汚いだろこれ。


「ふぅ.....ごちそうさま」

そんなこんなで朝食を終えた僕は、いよいよ学校へ行かなければいけない時間になってしまった。嫌だなあ。

例によって()をずらして歯を磨き、制服へと着替えていよいよ玄関を出る。

「行ってきまー.....マジか」

ドアを開けると、パンツを被った人達が道を行き交っていた。

こんな格好をしているのが僕達だけでなくて嬉しいような、悲しいような.....まぁこれでなんの問題もなく(厳密に言うと大ありだが)学校に行けるな。


そういえば、実は僕の名前はオカではない。

高津 健太という立派な名前がある。しかし、パンツのことに気を取られすぎて一旦スルーしてしまっていたが、さっき僕はなぜか母親に「オカ」と呼ばれた。

もしかして、僕は知らぬ間に普通の世界からパンツの世界(仮)へ移動して来てしまったのかもしれない。

.....そんな馬鹿な。考えすぎだろう。


僕は高校へ足を運ぶことに集中した。


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